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2011年11月 9日 (水)

可哀想だけど・・・

小さい頃からプリント反復学習の教室に行き、その後大手の進学塾に移った3年生の子が少し前から通ってきてくれています。
保護者の方に、掛け持ちだと効果が上がらない可能性があることもお話し、その上週1回1時間とはいえ負担が増えるのはどうなのかということもお話したのですが、とりあえずしばらく通わせてみたいとのお話で、本人も通いたいと言ってくれたので、通ってもらうことになりました。

体験のときにも感じましたし、保護者の方のお話からも、頭のいい子、反応のいい子なのは間違いなさそうです。
しかし、小さい頃から大量反復で学習をし、そのまま進学塾というコースですから、心配もしていました。
そして、多分頭のいい子なのでその程度で済んでいるんだろうなと思うものの、やはり「じっくり考える」ということがなかなか難しそうであるということがレッスンを重ねるたび明らかになってきています。

まあ、彼に限らず、特に男の子の場合、思いつきで適当に答えを言ってみて反応を見るということは珍しいことではありませんから、そういうことをしているうちは当然一切ヒントは与えず、仮に正解を言っていても正解だとも言わず(適当に言っている場合、私の表情を見て、無表情でいたら合っている答えを消して別の答えに書き直してみるなんていうこともしばしばありますので。)、本人が真剣に考え始めるまでその駆け引きを続けます。

上述の彼も、問題を読んだらその次の瞬間には答えを書いているということも珍しくないのですが、違うと言われたらまた別の答え、それでも丸をもらえなかったらまた別の答えと、明らかにろくに考えもせず次々思いつくまま答えを書いている状態になることがしばしばあります。

テストであれば一度しか答えることができないはずなのに、彼は何度書き直してもお構いなし。丸になればそれで次へ行けるという感じです。
それは少なからず、大量反復学習の影響だと思うので、彼が悪いわけではなく、だからこそ可哀想なのですが、ここで彼との根競べをしなければ、ここに来てもらう意味がありません。

今日も、四捨五入の問題を考えてもらうことになり、既に塾で習ったという「四捨五入」ってのはどういうことか説明してもらいました。彼の説明は習った通りなのであろう「4までは捨てて5からは切り上げる」というものでした。
もちろんその通りなのですが、ではなぜ4までを捨てて5からは切り上げるのか、どうしてそう決めたのか聞くとすんなりと答えは出てきません。
あれこれ考えて、どうにかようやく説明がついた後で問題にとりかかってもらったのですが、四捨五入して76000になる一番小さい数と一番大きい数を答えるという問題をやってみてもらったところ(塾で習ったのであれば、当然そんな問題は既習だと思うのですが)、もう見事なまでにめちゃくちゃ。
何度か書き直して一番大きな方は答えに辿り着いたものの、一番小さい数の正解に辿り着くまで10分以上やりとりがあったのではないかと思います。

彼が何か答えを適当に書くたび、「それより1小さかったら76000にならへんのやね?」と尋ねると反射的に「なる」と答え、また別の答えを書くのですが、「自分が書いた答えより1小さくしてももうならへんって確かめてから(ちゃんとした答えを)書いてくれる?」と言っているのに、結局その1問を十数回書き直しました。

多分、これまで勉強でこんなに考えることを求められた経験がほとんどないのでしょう。
そして、何より可哀想なのは、じっくり考えた末に解けたときの快感を味わったことすらないのではないかと思うことです。
本人にもその話はしたのですが、よく考えれば、うちの教室にはほとんどいないというだけで、学校や他の塾などではむしろそれが圧倒的多数なのかもしれません。(私自身も昔はそうだったわけですから…。)

どのぐらいの時間で変化が見えるのか、変化が見えるまで、彼が投げ出さずに通ってくれるのか、掛け持ちで進学塾が一層忙しくなればそれで通えなくなるでしょうから、少しでも早く、何か変化が見え始めるといいのですが…。

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