このところ、高校数学(といっても数学Ⅰのみですが)の予習を随分長らくサボったままで、一緒に勉強している中3女子がじわじわ追いついてきているため、いい加減先に進んでおかないと、私が理解できない可能性もあるし…と、久しぶりに余弦定理の続きをやり始めました。
とりあえず、今使っている数学Ⅰのワークブック15章中12章までは、もちろん全くスラスラとは程遠い状態ながら、どうにか意味を理解しつつ、進んでくることができました。
小さい頃から通ってくれている子ですから、尚更、やり方だけ教えて解けても納得しないはずですし、先取りしているのに、やり方だけ理解してもほとんど何の役にも立たないわけですから、私自身が理解し、必要な場合は説明できる状態でなければならないわけです。
一応彼女には、私が理解できなくなったら高校数学はそれ以上進められないかもしれないけどごめんねと言ってあるのですが、とりあえずこの様子だと数学Ⅰはなんとかなるかなという気が少ししてきました。
ただ、年明けにはさすがに入試対策っぽいこともしていかねばと思いますので、卒業までに数学Ⅰが終われるかどうかというところかと思いますが。
さて、前置きがダラダラと長くなりました。
今日は教室の子どものことというよりは、私自身が身を持って感じることなのですが、この数学Ⅰ、高校のときには多分今の1割も「意味」を理解していなかったなぁと思うのです。
そして、高校時代に習ったことなどほぼ全て忘れ切っている状態で、おまけに物忘れもひどくなり、脳は衰える一方の今になって、少なくともこれまで長年、算数と中学数学にしか触れずにきた訳ですから、高校数学に関しては新たな知識が増えたわけでもなんでもないのに、図を描いたりしながら、公式などは最低限しか使わなくても、ある程度答えに辿り着くことができているのです。(何度も言いますが、全く「スラスラ」ではありませんが…。)
多分、高校時代の私が見たら、「なんでそんな面倒なことしてるの?公式に当てはめたら解けるやん?」とでも言うのではないかと思います。
ただ、そんな勉強の仕方を続けていたから、数学の楽しさのようなものはほとんど感じることができませんでしたし、何も生きた力にはならなかったように思います。
小さな子ども達と、じっくり考えるということを常に意識してレッスンを続け、どうしてだろう?とあれこれ考えることが習慣になった結果、高校で学ぶ二次関数や三角比についても、少なくともあの頃よりは遥かに問題の意味を理解できるようになったと感じるのです。
中3の彼女は、少なくとも算数、数学に関しては、小1のときからずっと、そういう勉強をしてきたわけですから、高校数学をやらせてみても、もちろん応用問題(大学入試問題なども出てきています)で時々ヒントや説明を要することはあるものの、かなりの部分を自力で解いて10章までを終えました。
相変わらず公式などの覚えることは最低限ですし、ちょこちょこ手を動かして図を描いたりしながら、きちんと意味を考えて解き進んでいるのが伝わってきます。
小学生の頃、恐らく一般的な塾やプリント反復形式の教室などに行っていたら、もしかすると計算などはもっと早く上の学年のことまで進んでいたかもしれません。
特に1年目はゆっくりゆっくり時間をかけて、おうちの方からすれば、1回のレッスンで今日はこれだけしかできなかったの?と思われたこともあったのではないかと思います。
彼女の限らず、教室の子達のほとんどが、じっくり考えることに慣れるまで、それが当たり前になるまでは、もしかすると一般的なペースより遅いぐらいのペースで進むこともあります。
大人の方が見ておられたら、そんなのやり方教えたらすぐ解けるのに…と思われるようなことも多々あります。
見ようによっては明らかにまどろっこしくて、すごく回り道をしているように見えるだろうとも思います。
ただ、それを積み重ねてゆけば、だんだんと考えるスピードも速くなり、その上、意味を理解しながら進んでいる分、学年が上がって応用問題などが増えるにつれ、どんどん力を発揮していくようになることが少なくないわけです。
実際彼女は(もちろん、彼女はかなりよくできるので、みんなが彼女のようになるとは言いませんが)小さい頃からじっくり考えて学んできた結果、高校数学でさえ、ほんの僅かな手助けだけでしっかり進んで行くことができているわけです。
そして、それは彼女の場合だけでなく、数学の問題の意味をろくに考えずに学んできた私がこんな歳になってからでさえ、考えればわかることってたくさんあるんだなと、高校数学に対して感じているわけです。
せめて中学生か高校生のときそれに気付いていたら、理系数学にも挫折せず理系に進むこともできたかもしれません。(もちろん、そんな仮定はしてもムダなのですが。)
小さいうちに徹底的にじっくり、ゆっくり、本当に本人が理解して進むということを心がけていくことが、たとえそれがどんなにまどろっこしく見えても、結果的にとても大きなアドバンテージになるのだと、改めて強く感じます。
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