経験を積む
今日のあるレッスンでのこと。
これまでにも書いたことがあると思いますが、私は元々空間図形の類が決して得意ではなく、中学時代に立方体の切断面がどんな形になるかという問題などでは、3点を通ると言われると、三角形になるという発想になってしまい、問題にあたるうち、3点と言われても、その他が切れる場合があるのだということは理解はしたものの、いざそれをイメージしようとすると、問題によっては悪戦苦闘。結局ギブアップなんてこともありました。
もちろん(?)サイコロの展開図などの問題も苦手でした。
そんな私が大学時代は家庭教師で中学生を見る機会があったり、会社を辞めた後はなぜか中学生に数学を教えるようになったりと、どうしてもその類の問題を避けて通れなくなり、実際に発泡スチロールや消しゴムなどを繰り返し切ってみて、そんなことを続けるうちに、初めよりは多少はイメージができるようになってきました。
更に教室を始めてからは、積み木の数だの積み木の3方向からの図を考えるだの、立体の問題に触れることも増え、子ども達にわかりやすいようにサイコロの展開図も実際に作って用意したり、マグネットのプレートで組み立てられるようにしたりと、日々そんなことをしていくうちに、教室を始めた頃よりも随分考えられるようになりました。
まあ、そうは言っても、男の子などでぱっと見たらぱっと閃くような、そんなレベルには到底到達はできそうにありませんが、あまりセンスがない場合でも、繰り返し経験を積むことである程度まではその能力を伸ばすことは可能なのだと身を持って感じています。
で、前置きが長くなりましたが、今日のレッスンでのこと。
6年生の女の子は昔の私のように、切断面がどうなるかなかなかイメージできず、3点を通ると言われれば、その3点をしっかり線で結んで、立体の中に辺ができているような図を描いていました。
手を変え品を変え、こういえば気づくかな?これならどうだ?と色々な視点からヒントを出してみたものの、どうしてもピンとこない問題があり、無理に言葉でわからせても意味がないなと、「家で実際にお豆腐か大根か何か切って確かめてみて」と言いました。
本人もそうすると言ったのですが、以前に家で「魔法のスポンジ」を切ったことがあると言ったので、おお!!それはいいアイディア!!と。
教室にメラミンスポンジの買い置きがあったので、それを立方体にカットして、指定された3点を通るようにカッターで切ってもらいました。
どうしても想像できなかった、その五角形の切り口を見た彼女は「おお!」と感動。
実際に自分の手で切り、その断面を見たことで、ひとつ具体的なイメージが印象に残ったはずです。
隣にいた男の子は、男の子ながら空間図形の類がかなり苦手なようで、私と彼女の会話を聞きながら、「え~~?!先生、そんなんほんまに切って練習したん!?」とびっくり。
「だって、わからんもんはやってみなわからへんやん。」と答えると、「まあ、そうやけど…。」と。
その子にとっては苦手なものは苦手、だからできないという発想だったようで、今日のことがきっかけで、実際にやってみようと思ってくれたらなと思いました。
で、今日の彼女のひと言で非常にいいアイテムが見つかったわけです。
これまで、カッターなどで切るには発泡スチロールだと切りづらく、消しゴムなどだとどうしてもサイズが小さくなり過ぎ、豆腐や大根などの食べ物だとご家庭ではできなくはないでしょうけれど、気軽に持ち運ぶことはできませんし、常に用意しておくことも難しいだろうと。
しかし、メラミンスポンジ(白くてサクサクした例のスポンジです。)だと、カッターでキレイに切断できますし、最近は値段も下がって、100均などでも色々売られています。中には最初からほぼ立方体サイズにカットされたものもあったような。(若干直方体だったかもしれませんが…。)
サイズ的にも扱いやすく、常に部屋に置いておくことも可能です。切った後もある程度の大きさがあれば使えるでしょうし、使えなかったとしても1つ10円とか20円とかでしっかり印象付けられるとすれば、決して高いものでもないのではと。
立方体の切断の問題が苦手なお子さんがいたら、メラミンスポンジとカッターを用意してあげるといいかもしれません。
| 固定リンク
コメント