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2011年6月 6日 (月)

考えることは時間がかかること

今日はご紹介で姉妹のお二人の体験レッスンをさせて頂きました。
これまでお姉ちゃんは某計算プリント反復系の教室に通って3年目、しかし、100までの足し算、引き算もちょっとあやしいようだとのことで、就学前の妹さんはまだ通い始めたところぐらいだとか。

どんな状態かわからなかったので、様子を見ながらやってもらうプリントを変えたりしましたが、やはりこの二人もその教室に通っている子にしばしば見られる共通の反応が見られました。

レッスンしながら、教具の玉の数を思い浮かべて考えてもらおうとしていると、とにかく早く答えを書こうとする妹さん。
早く書こうとするものだから指を折って数えようとしたり、それを止めると全く違う答えを書いてしまったり。
挙句、「あ~あ、○○○みたいにたす1とかばっかりだったら簡単なのに」と不満顔。

もちろん、子どもは何にも悪くありません。でも、本来、教室の子ども達を見ていると、ほぼ真っ白の状態で一緒にレッスンを始めた子達で、じっくり考えて答えを導くことに対して、面倒で嫌だという反応をした子はほぼ記憶にありません。

むしろ、その子が考えている間じっと待っておけば、穏やかに考え続ける子の方が圧倒的に多く、こちらが急かさない限り、焦って適当な答えを書こうとすることもまずありません。

これまで一緒にレッスンさせてもらってきた子達を見ていると、やはりどうも一定の傾向が感じられるのです。

ほかの教室や、そういう教室に通っていなくても、例えば学校の授業で計算の速さを競わされているような子達は、往々にして、とにかく速く答えなければと焦り、ゆったり穏やかな表情で考えるということが難しそうです。

もちろん、そういう子達も時間をかけて、教室では急がなくていいということを何度も言って聞かせ、その子が考えずに適当に書いているのが見て取れれば必ず声をかけ、考えずに答えが丸になってもそれはなんの役にも立たないのだと繰り返し言い続けることで、徐々に変わっていってくれるということはあります。

そして、変わりだすと後は結構速かったりもするのですが、とにかく、まずじっくり考えるということをその子にとって「当たり前」のことにするためには、まずその子の表情を見ながら、考えているかどうかを見極め、見守る必要があると思います。
表情だけでは分からない場合もありますので、そのときは「考え中?」とか「もしわからなかったら言ってね」と声をかけておくとかすれば、考えることが当たり前になっている子達は、大抵心行くまで考えようとしてくれます。

その際、ひとつ気をつけなければならないのは、その子にとって難し過ぎる問題の場合、じっとしていても何も考えられていない場合があるということでしょうか。
これぐらいはできるだろうと思ったものでも、その日のコンディションなどによっては難しくてできないという場合もありますし、考える糸口もつかめない状態の子どもを見守っていても、それは時間の無駄にしかならないかもしれません。

適度に難しい問題というのはなかなか判断が難しいところですが、少なくとも、穏やかな表情で何か考えているときは、見守っていればいいのではと思っています。

周囲の大人が気をつけなければならない最大のことは、小さいうちに何事もできるだけ急かさないことなのではないかなと。
これは勉強に限ったことでなく、考えるにしろ、何かをするにしろ、小さいうちはきちんとやるためには大人が思うより遥かに時間がかかる場合が多い気がします。
ですので、まずはじっくり時間をかけてきっちりと。
そして、きちんとできるようになったら、必要であればスピードアップをさせる、そういう順序はとてもとても大切だと思います。

まあ、計算などについては、これまでの子ども達を見ている限りでは、最初にたっぷり時間をかけて考えられるようにしておけば、大抵は勝手にスピードアップしていく気がしますが。

子どもが考えることは予想以上に時間がかかることなのだということを、再度しっかり意識しておいて頂けるとありがたいなと思います。

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