こういう差が大きな差になるんだろう。
教室を始めた時から来てくれている、現在中3になる女の子。
小1のときに来てくれた頃から、真面目で賢い子ではありましたが、正直なところ、ここまですごくなるとは思ってもみませんでした。
本当にびっくりするぐらい、見ていて羨ましくなるぐらい、とてもよくできるのですが、そして、それはもちろん彼女の持っていた能力と彼女の努力によるところが大きいのは間違いないと思ってはいますが、それでも多少は小さい頃から教室でしてきたことがプラスに働いているのではと思えることが色々あります。
低学年の頃の彼女は計算は得意だけど、図形はあまり…という、比較的女の子にありがちな傾向がありました。
それが、いつの間にやら中3内容の空間図形などの問題で結構応用問題になっても、かなりのところまで解けるようになっています。
それは単にコツコツ努力するだけでは補いきれないところでもあるので、小さい頃から積み木や色板などに慣れ親しんで、立体というものに慣れてきたこと、広い視野で物を見るよう努めてきたこと、その他の色々なことが相乗効果となって現れたのではないかと思います。(もちろん、いつも言うように、同じようにしたからといって、どの子も同じようにできるようになるわけではありませんし、私の指導力によって子ども達の能力を大きく左右できるものでもないとも思っています。)
そして、今日レッスンをしていたとき、ああ、そうだな、そういうところに気付くから、それが大きな差になるんだなと思った出来事がありました。
期末テスト前でテスト範囲の中の問題をピックアップしながら解いてもらっていたのですが、平方根のところで大小比較をする、次のような問題がありました。
「9、√82(ルート、8.9」
もちろん、問題自体は難しくないのですが、彼女はまず、9をルートの中に入れて√81(ルート81)に直しました。
そして、次の瞬間、8.9を見て、「8.9<9<√82」と答えを書きました。
やり方を習って応用が利かない子であれば、当たり前のように8.9も2乗してルートに入れた状態で比較するでしょうし、9が√82より大きい値であった場合は、8.9の2乗もしてみる必要があるでしょう。
ただ、この場合、9が√82より小さいとわかった時点で、8.9は当然9より小さいわけですから、計算する必要がなくなります。
問題を見た瞬間にその判断ができるかどうかで、十数秒の時間短縮になるわけです。
こう書いてしまうと些細なことかもしれませんが、そういうことが色んな場面であるので、積もり積もって時間の余裕がたっぷりある状態になってくるのだと思います。
実際、彼女が中学に入学してから、テストの数学は常に上位数%のところに位置しているようですから。
因みに、小1の頃から来てくれてはいますが、中学になっても変わらずずっと、彼女は週1回1時間、中学では75分のレッスンをしているだけで、夏休みなどであっても、時間や回数を増やしたことはほぼありません。
彼女はもう忘れているのではと思いますが、1年の夏にやってきたとき、実は図形だけでなく、文章題もやや嫌がるような子で、計算だけがとても早かったのです。
あのとき、彼女が違った学習の方法を選択していたら、いくら能力があってもこうなっていたかどうかは何とも言えないだろうと。
小さいうちはたっぷり時間をかけて、具体物を通しながら、自分自身で考える。
できる限り何も教えない。
できるだけ視野を広くすることを意識させる。
そういうことが後々になって大きな差になってくるということが、やはり大いにありそうな気がします。
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