単位を意識する
先日から一緒にレッスンをさせてもらうようになった高学年の子は、まだまだ色々な発見をさせてくれます。
小数で割る問題で、割る数がどんな数の場合、商が割られる数より大きくなるかという問題で、全て逆の選択肢を選択。
まあ、一貫しているので、完全に逆に考えているということになるわけですが、選んでいる選択肢の中に「÷2.4」というものまで混ざっていました。
そこで、「÷2だったら答えはこれより大きくなるん?小さくなるん?」と尋ねると、「小さくなる」とすんなり答えるのですが、それなら当然2より大きい2.4で割ればもっと小さくなるはずだという発想には結びつかないようです。
また、お父さんと息子の体重を合わせると102.6キロ、お父さんの体重は息子の体重の1.7倍という関係の問題の最初に、105.6キロというのは息子の体重の何倍にあたるかという問題がありました。
当然、2.7倍と答えることになるのですが、ふと見ると、計算用紙には
102.6
- 1.7
-----------
という、なかなか大胆な式が書かれていました。
そこで、「102.6の単位は何?1.7は倍よね?それからそれ引いたら、単位は何になるん?」と尋ねてみました。
しかし、反応を見る限り、何か間違っているんだな?という程度の反応…。
単位の異なるものを引くことはできないという意識もあまり実感がないようです。
教室を始めてからはそういう子に出会うことはかなり少なくなりましたが、塾に勤めていた頃はそんな子にしばしば出会ったものです。
要するに、彼女が特に算数ができないわけではなく、学校や一般的な塾でコツコツ真面目にやっていても、そんな風になってしまうことは決して珍しくないということなのでしょう。
その状態になっている子に文章題などを考えさせる場合、もちろん、絵や図に表すことはとても有効ですが、とにかくとりあえず式を立てて、無理矢理でも何か計算をしてしまおうという風になってしまっている子の場合、そこに自然と意識が向くようになるまで、式に単位を書かせるというのもある程度有効なのではないかと思います。
例えば、上述の例では、102.6は「㎏」ですし、1.7は「倍」ですから、無理矢理それを引き算してしまった後、その答えに何の単位をつけるのかということを嫌でも考えなければならなくなるでしょう。
そうなれば、単位が異なるものは足したり引いたりできないということを、言われなくてもだんだんと意識できるようになるのではないかと思います。
彼女とのレッスンは、今はまだこの学年で既習の内容についてどこが不確かかを確認している段階ですので、おかしなことをしているところが見つかればそれはそれでOKですが、単位を意識するというのはたとえ算数が苦手な子でなくても、有効なことだと思いますので、もしお子さんがおかしな式を立てているのを見かけられた場合は、単位について意識を向けるよう助言してみられると何かきっかけがつかめるかもしれません。
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