きっと大切な時間なんだな。
教室で使っている教材は、足し算、引き算であれば、10までの暗算から始まって、続けて10000までの暗算、更には筆算までをしてしまってから、掛け算に進み、掛け算も九九の範囲から始まって、2ケタ×1ケタ、3ケタ×1ケタの暗算、更にはそれぞれの筆算、2ケタ同士や3ケタ×2ケタの筆算、割り算もやはりそんな具合に、小学校で習う整数の範囲の計算はこまぎれにせず、まとめて学習するような形式になっています。
学年や学校の進度によっては、教材の順を入れ替えたりもしますが、今日レッスンしていた子のひとりは幼児の頃から通ってくれていたこともあり、今既に掛け算の暗算の範囲を終了して、教材の順番通り、掛け算の筆算に進みました。
2ケタや3ケタ×1ケタは暗算でも考えられるようになってから筆算に進むので、筆算もスムーズに進んでいましたが、2ケタ同士や3ケタ×2ケタの筆算になると、1問解くのに結構時間がかかります。
というのも、まだ九九を暗記していない段階でもあり、筆算もテクニックとしては教えていないので(どのぐらいの数になるのか考えず、九九の計算の繰り返しでただ答えだけが出せるようにはまだしてしまいたくないので)、ひとつひとつの計算をじっくり考えているからなのです。
今日は3ケタ×2ケタの筆算でしたが、「253×48」のようなものだと、「253×8」に関しては割とすらすら答えが出せるようになっているようです。
ただ、次に「253×40」の部分を計算するとき、じ~っと頭で考えていたり、時には紙にいくつも数を書き並べてみたりしながら、「200×40」と「50×40」と「3×40」の答えを導き出しているという感じです。
「253×8」がすらすらできるのであれば、筆算のテクニックで言えば同じように「253×4」を位をひとつずらして書けばいいだけですし、それを言ってしまえば、きっと今よりずっと早く答えを出すことはできるようになるだろうとも思います。
でも、「200かける40は800だっけ?200が40個だから…あ、ちがうわ、8000や!」とかなんとか言いながら考えている、その過程が大切なんじゃないかなと感じています。
まだ2年生ですから、実感を伴わないまま、学校ではまだまだ習わないことを「計算だけ」できるようになってもあまり意味はないように思います。
それよりはむしろ、そうやってひとつひとつ考えている中で、じわじわと数の感覚がしっかり体にしみ込んで、もう少し学年が上がって、学校で筆算を習ったとき、ただのテクニックではない確実な計算ができるようになるのではと思っています。
もちろん、それぞれの子の学年や算数の得手不得手なども考慮して、必要であればテクニックを教えることもよいと思っています。
ただ、そうやってたっぷり時間をかけて、じっくりじっくり答えを出し、その答えにぐるぐるマルをしてもらったときの「やった~!」という表情は、テクニックで計算している子にはなかなか見せてもらえないものだろうとも思います。
だからこそ、時間をかける余裕がある間は、そうやって時間をかけたらいいのではと思うようになりました。(以前は1問にこんなに時間がかかっていてはダメなのでは?と迷っていたこともありましたが。)
学年が上がって、学校でも習ってしまってからであれば、「早くしなさい」と言わざるを得ないこともあるかもしれませんが、掛け算に限らず、学校で習うまでにまだ余裕があるときは、おうちでも、その子が真剣に考えているのであれば、急かさずにいてあげてもらえたらなと思います。
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