助かったけど…。
つい先日のこと。
算数が振替であまり得意ではない女の子がいつもとは違う時間にやってきました。
その子と私とのやりとりはいつもの調子だったのですが、メンバーがいつもと違っていて、たまたま、三角定規を使って直角を描く学習のとき、何気なくどうやって定規を使うのかさらっとやってみせた私に、別の女の子がひと言。
「いいな、やり方教えてもらって。」
(うわ、どうしよう…。)
内心少し焦りました。
レッスンはそれぞれの子のその段階での能力やその日のコンディションなどによって、ヒントを全く与えずにまず考えてみてもらう場合と、ある程度のヒントややり方を提示する場合があり、「いいな」と言った女の子には、大抵の子にそうするように、まずは三角定規を2つ渡して、どう使えばいいか考えてみてもらったのだろうと思います。
自分は教えてもらえなかったのに、別の子はあっさり教えてもらっているのを見て、楽でいいなと思ったのでしょう。
それで思わず出た言葉だったのだと思います。
しかし、困りました…。
苦手な子のいる前で「この子は苦手だから教えたけど、あなたはできるでしょ?」というような説明をするわけにはいきません。
でも、何も言わないと、場合によってはひいきしていると思われてしまうかもしれません…。
どうしようと思いつつ、「場合によって違うの。今はそれ以上言われへん。」と言うと(更にそこで「場合によってってどういうこと?」なんて聞かれると困るので…。)、既に高学年になり、もともとしっかりしている彼女は「あ、わかったで。」とにっこり。
笑顔が出たということは、なぜ自分が教えてもらえなかったのか、別の子は教えてもらえるのか、その理由を理解したということなのでしょう。彼女はそれ以上もう何も言いませんでした。
その子の察しのよさのお蔭で、その話はそのやりとりだけで終わり、周りにいた子達は何も気にしていない様子でそのままレッスンが続いていきました。
通常のレッスンだと、毎週同じメンバーが顔を合わせるので、子ども達なりにこの子は算数が得意なんだなとか、ちょっと苦手なんだなとか、自然と感じて理解してくれているようで、今回のようなことになったのはあまり記憶にありません。
また、本人が苦手だとけろっと公言してしまうようなタイプの子であれば、こちらも「苦手らしいから、ここまではヒント出すねん」とでも言ってしまうこともできるのでしょうけど、今回は久しぶりにちょっと焦りました。
いつものメンバーと違う子がいるときは、気をつけなくてはと思った出来事でした。
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