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2010年3月23日 (火)

もしそうしたらどうなるんだろう。

一般に多くの子ども達が苦手とする算数の単元に、「速さ」と「割合」が挙げられるのではないかと思います。
塾講師時代にも確かにそこを苦手とする子はかなり多かったように思いますし、一般的にもそういう傾向はあるのではと思います。

ただ、うちの子達で、高学年の内容も一緒に勉強することができた子たちの中に、それまではよくできていたのに、速さや割合だけで苦戦したという子はいませんし、また、教科書レベルやそれより少し難しいぐらいの問題であれば、ほとんどの子が苦もなく解いてしまうような印象があります。

そして、そういう子たちを見れば見るほど、あの2つの単元が特に難しくなってしまっている原因のひとつは、「公式」と呼ばれるものを3つも覚えさせることにあるような気がしないではありません。

先生方はそれぞれ工夫され、その3つをどうやって覚えさせるかを考えて、例えば「速さ」であれば、「はじき」とか「みはじ」とかいう、円を区切ってその言葉を書きいれ、その文字の位置関係で、この場合は割る、この場合は掛けるというのを覚えさせたり、なんとかゴロ合わせを作ったりなどということがあるのではと思います。

それでも、一般的に考えて、算数が苦手な子ほどその3つが曖昧になり、掛けるのか割るのかわからなくなりがちなのではないかと思いますし、ある程度以上できる子たちでも、似たようなものを3つ覚えて区別するというのは、やはりやや難しいのではとも思います。

教室の子たちとレッスンするときは、基本的に公式は全く教えないのですが、それでも大抵は解いてしまうのを見ていると、やっぱり公式をいくつも覚えることでかえって混乱している子が多いように思えてなりません。

そこで思うのですが、まあ、学校や一般の塾では、教科書やテキストに出てきていれば教えないわけにはいかないのかもしれませんけれど、習った後でお子さんが苦戦しているような場合、思い切ってどれか1つだけをしっかり覚えさせるのはどうなんだろうと。
あとの2つは忘れてしまいなさい!ぐらいの話で、どれか1つ、その子が一番覚えやすそうなものか、割合では、例えば「割合を求める式」だけを覚えさせるのです。

例えば、100点満点のテストで50点だったら、得点の割合は「0.5」となり、この場合の式は「50÷100=0.5」になるわけですよね。
では、もし100点満点のテストで得点の割合が0.8だったら、得点は?と問われた場合、上の公式のみを覚えている子だと「得点÷100=0.8」という式を作ればいいことになります。
得点は当然100点より少ないわけですから、100と0.8は掛け算するしかなくなり、仮に間違えて割り算をしてしまっても、多少でも数の感覚のある子であれば、得点が125点になるわけないと間違いに気づくのではないかと思うのです。

もちろん…そういうことすら考えることができない状態であれば話は変わってくるのでしょうけれど、そういう状態なのであれば、速さや割合だけができないというわけではなく、ほかでも応用問題などはほとんど手が出ないような状態であろうと思いますので、もっと違った対処をしなくてはならないだろうと思います。

速さや割合に限らず、公式は最低限のものだけ覚えるというのが、混乱しない一つの秘訣かも…と思ったりします。

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