« ほんとすごいなぁ。 | トップページ | しみじみ…。 »

2010年3月18日 (木)

量は必要かということ

教室を始めたきっかけは今メインで使っている教材との出会いだったのですが、その教材の学習法もしかり、教室を始めてから出合った何冊かの素晴らしい本やブログなどで尊敬する先生方が言っておられたこともしかり、小さいうちは量をこなすのではなく、少ない量をじっくりということが共通するご意見のように思っています。

実際、機械的な大量反復学習をしてきた子は決して少なくない割合で、イメージすることなどを含めた応用力に問題がある場合が見受けられ、答えややり方を覚えるために大量に問題をこなすという学習法には、年齢やお子さんのタイプによってはかなりのリスクを伴うようだということは経験を通じて一層強く感じるようにもなっています。

ですから、教室の子たちには量をこなさせることを目的とはしませんし、理解できているようであれば、ごくごく少ない問題数で次に進むこともあります。

特に低学年ぐらいの間は、考え方が理解できたら量をこなす必要はないのではと思っているのですが、最近少し考えていることもあります。

まだ理解が不確かな段階で、あともう少しやったら感覚が身に付くのでは?と思うような場合や、教材自体で作業などを伴い、目で見てイメージしながら考えられるような問題などは、多少ボリュームがあってもいいのかもしれないと。

ちょっと表現が抽象的かもしれませんので、例えばの話ですが、長さの学習の導入の際、実際に線の長さを計ったり、指定された長さの線を引いたりするプリントがあります。
そのあとで計算問題などに移っていくのですが、実際の作業を伴うプリントと計算問題などのプリントは今のところ1対2かそれ以上の割合で計算などの問題が多いというようなバランスです。

まあ、計算問題などは半分とか3分の1とかに減らすことも多いので、解いている問題全体のバランスでは1対1か1対1.5ぐらいになっているのかもしれませんが、計算問題などを減らすのであれば、その分、作業を伴うとか、目で見て考えられるとかいう部分のボリュームをもう少し増やすことで、より理解が深まるのではと思ったりするのです。

実際に色々な長さを計ったり、線を引いたりしつつ、例えば5cm8mmと2cm5mmを合わせたらどうなるか、実際に計りつつ、合わせたらどうなるか式も書かせるなどし、また、ある長さの紙テープやひもなどから指定された長さを切り取ったらどうなるかを、作業しつつ式を書かせるなどしていけば、計算問題に移行する際にももっとスムーズに、実感を伴って(全く説明するまでもなく)考えられるようになるのではと。

これは長さでの例ですが、他にも問題の内容によっては量が多少あってもいいのかなという気がしています。
特に単位換算などの問題になってくると、センスのある子、量感覚が優れている子などは、苦もなくクリアしていくこともありますが、一般的にはやや苦労する子が多いので、苦労するというのはまだ量感覚が身についていないということなのだろうと思いますし(単位に関係なく計算自体で苦労している場合もあるにはありますが。)、その状態でいるのは子どもにとっても気持ち悪いのではとも思います。

作業を伴うものは、基本的に「全くわからない」という状態にはなりにくいですから、数量感覚が身に付くのにやや時間がかかる子などには、ご家庭でも計算問題などの練習量を増やすより、実感できる問題を増やしてあげるとよいかもしれません。

|

« ほんとすごいなぁ。 | トップページ | しみじみ…。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 量は必要かということ:

« ほんとすごいなぁ。 | トップページ | しみじみ…。 »