今日は久しぶりのレッスン。
年間予定で今日は通常レッスンの日でもあり、祝日なので、このところインフルエンザ関係でお休みしていた子たちの振替も入ったりして、連休明け初日にしてはかなりみっちりレッスンでした。
けど、仕事しないと夜なかなか眠くもならず、その結果何時まででもスリザーをしてしまって、どんどん昼夜逆転してきていたので、これでまた多少まともな生活に戻れそうです。(既にさっきから眠いし…。)
で、今日のレッスンでのひとコマ。
子ども達の中にはびっくりするほど数量感覚の優れた子、センスのある子もいますが、一般的にいう「普通の子」や、やや算数を苦手としている子たちなどの場合、ある程度教具などを使っても数の感覚がどうもまだ身に付いていないようだなと感じることもあります。
その一つの例として、1年生や2年生の子などに「2000より50小さい数は?」という問題を出すと「1050」というように、千の位の次、百の位を飛ばして(千の位だけ繰り下がって)答える子が少なからずいます。
もちろん、そういう子たちには必要に応じて教具を見せたり、何らかのアプローチをするのですが、なんというのでしょう…子ども達と一緒にレッスンしてきてちょっと感じているのですが、感覚の特に優れた子は別として、普通の1年生や2年生だと、1000とか10000とかいう数に実生活の中で触れる機会はまだ少ないため、教室で限られた時間教具を使ったぐらいではまだ「実感」として伴わないのではないかなと。
1、2年生でも、10や100ぐらいならまだおもちゃやお金など、身近な範囲で目にしたりできますし、ドットやタイルなどを見せるにしても一度に視野に入ってくるので、あとでそれを思い浮かべるにしてもさほど大変ではないだろうと思います。
ですが、1000や10000となってくると、私たち大人でも実感として感じられるものではお金ぐらいしかないのではないかと思います。
ドットやタイルを1000や10000見せたとしても、小さい子たちにとっては「たくさん」でしかないのかもしれません。(もちろん、あくまでも一般論としての話ですが。)
ただ、ほとんどの場合、例えば子どもの頃算数がめちゃくちゃ苦手だったという方がいたとして、大人になって2000円より50円少ない金額が答えられないという方はそうおられないのではないでしょうか。
とすれば、経験が増えれば、自然とできるようになることでもあるように思うのです。
だったら、経験が少ないため実感が伴っていない段階で、テクニックだけを教える必要があるのかどうか…。私は学校などで支障がないうちは、待てる限り子ども自身に感覚が伴ってくるのを待ちたいと思っています。
もちろん、学校がどんどん進んでしまうのに、どうしても数の感覚が身につきづらいという場合などは、その段階で必要に応じて筆算などの「やり方」を指導することもありますが、それは待てるだけ待ってから、必要に応じて少しずつという風にしたいと考えています。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなわけで、「2000より50小さい数」を「1050」と答えてしまうような子たちにテクニックではなく考えられる方法はないだろうかと、考えた結果、多くの場合はそれでクリアできる問いかけを見つけました。(もちろん、今後もっと変わっていくこともあると思いますが。)
まずその子に1000より1小さい数や2000より1小さい数を尋ねてみるのです。
さすがにそれすらもわからない場合は一旦それは保留にするか、遡っておさらいするかになってきますが、これまでのところは1小さい数が答えられる子なら、その後は案外すんなりいきます。
例えば、「2000より1小さい数」が「1999」と答えられたら、あといくつ小さくすればいいかを尋ねます。そして、あと「49」少なくすればいいと答えられた子は確実に正解に辿り着きます。
ただ、そのやりとりだけですっと行かない場合には、「1小さい」のあと「9小さい」を尋ね、次に「10小さい」を尋ねるなど、段階を経て尋ねてみたりもします。
ですが、そのいずれかの方法でなら、これまではその問題を間違えた子たちもみんな正解できました。
で、今日のこと。
ある女の子が「5000-3765」のような計算をしようとして、考え込んでいました。
その子は今年の夏から来てくれた子で、既に筆算なども学校で習ったあとの状態だったため、うちの教室ではめったに耳にすることのない「やり方忘れた」という言葉を口にしました。
最初にうちで新たな単元を学習する子たちは、ほとんどの場合「やり方」は教えられないので、「やり方」を忘れることはまずありません。
そして、目指すところは誰もそのセリフを言わなくなることでもあります。(わからないとしても「どう考えたらいいかわからない」とか「問題の意味がわからない」とか、覚えたテクニックを忘れたからというのではない「わからない」を目指したいと思っています。)
その子は数の感覚がまだあまり伴っていないのは感じていましたから、習ってしまった筆算のやり方を再度説明すれば「ああ、そうやったわ!」とでも言って解いてくれるだろうとは思いましたが、それはなんとなくしたくないなと思い、上述のように「1小さい数」を尋ねてみました。
すると、それはすんなり答えられたので、「じゃああといくつ引けばいいの?」と尋ねると、それもきちんと答えました。「じゃあできるやん。」というと、改めて、1小さくした数同士の筆算を書きました。
そのときです。
隣にいたスーパー2年生くんがその筆算を見て言いました。
「あ!簡単になった!」
そのひと言がなんとも新鮮で、ああ、この子はそう感じるんだなと思いました。
もともとその子は算数がかなりよくできるので、わざわざ1小さくしたりして考えなくても、いきなりズバッと正解を出せるような子で、だから「1小さくしたら?」と私に尋ねられたこともありませんでした。
本当によくできる子なだけに、私としては、内心(なんでそんなんもわからんのやろ?)とでも思っているかな?と思っていたのです。
その彼が一切繰り下がりのなくなった式を見て、思わず発したのがその言葉だったのが意外でもありました。
もしかしたらその子は今日、偶然隣でされていたやりとりから、更に何か感じ取ってレベルを上げたのかもしれません。
子ども達は本当に可能性のかたまりですね。
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