気になる問題
嵩(リットル・デシリットル・ミリリットル)の学習の単元で、導入の際出てくる問題なのですが、ちょっと紹介させてもらいます。(例によって携帯で適当に撮ったので見づらくてすみません…。)
2問目の、同じ大きさの容器に同じ高さまで水が入っていて、入れるビー玉の数が違う問題に関しては、ほぼ全ての子が正解しますし、もし間違えた場合でもちょっと何か例を挙げて確認すると、これまでのところみんな納得してくれました。
ただ、1問目の、異なる大きさの容器に同じ高さまで水が入っていて、それぞれに1つビー玉を入れる問題になると10人に1人ぐらいでしょうか、一番大きな容器を選ぶ子がいます。
1問目を少し拡大しますね。(と言っても小さい表示になっているかと思いますが…。)
個人的に、ビー玉が小さすぎて、水面が上がるイメージがしづらいような気がするのですが、実際、この絵だとすんなり答えられない子に、「ビー玉じゃなくってもっと大きな鉄の塊を入れてもいいよ」などのように、もっと大きなものを入れることをイメージしてもらうとすんなり答えてくれることもあります。
それでもまだピンとこない子には、お風呂とプールを例に挙げて、自分がお風呂に入ったときとプールに入ったときとで、どちらの方が水面(湯面?)が上がったのがよくわかるか尋ねると、そのあたりまでで7~8割がたの子は正解を選ぶことができます。
しかし、時々、それでも全くイメージができない子、もしくは、それでも自信を持って一番大きな容器だという(上述の質問だと「プール」だと断言する…)子がいます。
こうなるともう教室でプリントだけでは理解させることができませんから、何かわかりやすい具体物を用意しなくてはと思いながらも、ビー玉を入れたってほとんど水面は上がらないのは確実ですから何かわかりやすい代わりになるものでなければなりませんし、形が似ていて底面積が異なる透明な容器というのもなかなか思いつかず、未だ用意できずにいます。
ただ、こういう感覚というのは、本来は教室で実験のようにして理解するものではなく、本来は日常生活の中での経験として身につけることなのではと思ったりもするのです。
もちろん、そういう経験をしていない子、していても意識していない子が少なからずいるようなので、そういう場合には対応できるようにしなければと思いますが、それは私としては「やむをえない場合」という認識をしています。
小さいときにたらいや子ども用のビニールプールなどで遊んだり、ドラム缶風呂や温泉などにある五右衛門風呂のようなものなどに入ったり、おうちのお風呂や銭湯、温泉の大浴場やらプール…そんな色々な異なる大きさの「入れ物」の中に入ったときの水面の変化に興味を持ってもらいたいなと。
自分が入らなくても、コップに何かを沈めたときと洗面器に沈めたとき、お風呂に沈めたとき…など、遊びとして試すこともできるのではないかとも思うのです。
実際のところ、自分を振り返ってみても、上のプリントのような問題について、誰かに答えを教えてもらった記憶はありませんし、やはり、経験として知っていることだと思うのです。
そして、やはり、教室の子たちで迷わずすんなり正解を選ぶ子たちも、誰かに教えてもらったという子はほとんどいないと思うのです。
子どもにとって「遊び」や「実体験」が大事だというのは、そういうことからも改めて感じます。
もしお子さんが1問目の問題の答えに迷う、もしくは正解できないようでしたら、答えを教えるのではなく、そういう経験を是非させてあげてほしいなと思います。
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