「あ、そっか!」
子どもたちとレッスンしているとき、何かのきっかけで「あ!」とか「あ、そっか!」とか声が出ることがある。
特に男の子に多いような印象があるが、何かを考えていて、パッと線がつながったようなときに、思わず声が出る。
そして、そういう声が出たときには、とてもすっきりした生き生きした表情になり、そのあとに出す答えはほぼ確実に正解している。
今日はある2年生の子とレッスンしていたとき、その子はセンスはあるのだけれど、なかなかナイーブで、何かしている途中に声をかけると怒ってしまうことも少なくないので、声をかけるタイミングがなかなか難しい。
もちろん、考えている途中にさえぎるつもりはないのだけれど、難しそうにしているときなど、ほんのちょっとのきっかけで閃くはずなんだけどなぁ…みたいに思うと、声をかけたいんだけど、考えてるし、う~ん、どうしよう…とタイミングを計る。
その子は今は掛け算をしているのだけれど、九九の暗唱はまだしておらず、本人が断片的に覚えている部分と、数を順に足していきながら数える作戦(?)とで答えを出している。(例えば、9の段とかはなんだかすごいスピードで、9、18、27、36・・・・・と唱えられるらしい。)
で、「7×4」を考えていたとき、レッスンも中盤を過ぎて少し頭が疲れ始めていたこともあるのか、7、14の次でちょっと考え込んでいる。
でも、考えているときに声をかけるとしばしば怒られるのでちょっと躊躇ったものの、まだ答えが出ないようだったので、「なあ、7×2はなんぼ?」と尋ねると「え?14」と答えたので、指を2本立てて(Vサインをして)「7×2は14やんなぁ?じゃあ4もわかるやん。」と言って、もう片方の手も出してダブルのVサインを見せた。
すると、「あ!」と言って、さっさと「28」と答えを書き込んだ。
今日のレッスン中に何度も×2の倍だとか、×2の3倍、×2の倍の倍など、指のサインだけでぱっぱと答えを出す姿を何度も見た。
頼もしいなぁと思って、その姿を眺めていた。
そして、別の時間。
ここしばらく、微妙に不調が続いて、若干自信喪失気味だった4年生の子が、前回はちょっといい感じになってきたかな?という感じだったが、今日は更に調子が戻ってきたようで、分数の同分母の計算をしていたとき、プリントの最初の「1/5+1/5」の式について、「5分の1と5分の1があったらなんになる?」とだけ尋ねてみた。
「え?5分の1が2個。」と答えたので、「ってことは答えは?」と言うと、「あ。」と小さく言って「2/5」と答えを書いた。
その1問さえ確認すれば、足し算も引き算も1より小さいものならなんの説明も不要だった。
次に、「1-2/5」という問題が出てきた。
そこでちょっと考え込んでいたので、プリントに丸を描いて、「これから5分の2取ったらどうなるん?」と尋ねた。
初めは、それを5個に分けるのにえらく苦労していたが、しばらく黙って見ていると、ようやく5個に分けることができ、そこから2つ取り、説明しなくてもきちんと「3/5」という答えを出すことができた。
そして、次の同じような問題を見た瞬間、「あ!そっか!!」とはっきり力のある声が出た。
そこからは図を描かなくても、すらすらあっという間に6、7問を解いてしまった。
きちんと自分で理解した彼の表情はすっきりすがすがしかった。
もっともっと子どもたち自身の「あ!」という瞬間に出会えるよう、不必要な手助けをせず、どこまでが必要かの見極めをもっとしっかりできるようになりたいと思う。
| 固定リンク
« なんか感心。 | トップページ | 考えてみれば…。 »
コメント