« 「教える」≠「説明する」 | トップページ | 仰天発言 »

2009年8月11日 (火)

だんだん感覚がずれていく…。

教室を始めてから、それまでの「普通」がどんどんと変化している。

例えば、教室を始めるまでは、計算はできても文章題になると途端にお手上げになる子は決して珍しい存在ではなかったし、むしろ、計算は得意でも文章題は苦手という子どもは「普通」だと受け止めていた。

しかし、最初から教室で一緒に学んだ子どもたちを見ていると、計算だけ得意で文章題はお手上げという子に出会うことはなくなった。
そういう子と出会うとすれば、うちに来るまでにどこかで大量に高速反復学習などをしてきたような場合に限られている。
計算の意味をきちんと理解し、その上で計算ができる子たちは、文章題になったからと言って、お手上げになることはまずあり得ない。

また、以前は速さや割合といえば、子どもたちが苦手とする代名詞のような単元だったが、教室の子どもたちとその単元を一緒に学習するとき、とりわけその単元で苦戦をする子にはほぼお目にかかることがないし、特に速さの単元など、難しい部類に入りようがない。

そうやって積み上げてきた子たちは、うちのメインの教材が終わった後、普通の塾用のワークブックなどを持たせても、例題や解説なんて読ませずに、いきなり問題をやらせても大抵解いてしまう。

そして、私自身も、昔は新しい単元に入る前に、特に中学内容などは、さてここはどうやって導入するかな?どんな説明をすればわかってもらえるかな?と考えていたが、今は事前に問題を解いてみる以外はあまりあれこれ考えない。

問題を見て、これは多分解けるんじゃないかなと感じれば、「できると思うから、まあやってみて」と言うだけだし、どうかなぁ?ちょい微妙かなぁ?と感じれば、「できるんちゃうかなと思うねんけど、わからんかったら言って」と言うだけだ。(できないと感じるものをそのまま与えることはないので。)

まあ、もちろん、うちに来てくれていて中学内容まで進む子は、恐らく学校の基準では平均よりよくできる、もしくはかなりよくできるような子たちなのだろうから、どんな子にもその対応が有効だとは言わないけれど、どう説明しようか?と考えなくなり、素直な目で問題を見ると、あれ?これって何も言わなくても解けるよね?と思うものも少なくないように感じる。

というわけで、中1スーパーちゃんは相変わらず超ハイスピードで、うちに来るのはこれまでと変わらず週1回だけなのに、そして、もちろん学校の授業はあるし、運動部にも入ったのに、それでも順調に中2の標準より少し難しめのワークブックがどんどん進んでいく。

中学入学前の春休みに中1のワークを2冊終えたので、中2のワークは、定期テストなどもあるし、他教科の勉強は自分でしないといけないわけだし、2冊だとちょっと負担が大きいかなととりあえず1冊にしたのだけれど、4月から中2の内容に入って、今日の時点で多角形の内角・外角まで進んでしまった。(一次関数の応用まで全部済んだということ。)

普通の塾だと夏休みに中2生が一次関数の勉強をするぐらいだから、やはり結局1年以上進んでいることになる。
もちろん、この子を「普通」だとは思わないけれど(かなりよくできると思っているけれど)、多分私の感覚は色んなところで既にかなりずれているんだろうと思う。

でも、なんとなく、こちらが「これは簡単できっとできるよ」と言って与えると、子どもも「そうかな?」と思って取り組むような気がするし、「これ、苦手な子が多くて難しいところなんだけど…」と言って与えると、「難しいんだったらできないかも…」と思って、実際にできなくなってしまうこともあるような気がする。

そういう意味では、私の「普通」の基準がずれてしまっていることは、案外それはそれでいいのかもしれない。

|

« 「教える」≠「説明する」 | トップページ | 仰天発言 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: だんだん感覚がずれていく…。:

« 「教える」≠「説明する」 | トップページ | 仰天発言 »