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2009年1月16日 (金)

やはり子どもは変わるんだ。

半年ほど前から来てくれている子がいる。
その子はかなり小さい頃からあるお勉強の教室に通っていたそうなのだけれど、数の感覚が身についていない様子だとのことで、うちに来てくれるようになった。

まだ小さい子だし、パズルや思考力が必要なものはみるみるできるようになっていったのに、数に対してだけがあまりに極端にしんどそうで、もしかしたら数に対してだけは生まれつき受け付けない状態なんだろうかということも気になり始めていた。

パズルや思考力問題などを考えているときの表情や、わかった瞬間の表情は明らかに集中していることも、心から満足していることも感じられるものだったから、なぜここまで数に対してだけ入らないのかわからず、とにかく、いったいどこで拒否反応が出始めるのか、本当に簡単な最初から戻ってみることにした。

小さい数だと全く問題がない。なのに、文章問題になった途端明らかに表情が変わる。
絵を描くこともできない状態が何週も続き、ほかのことがかなりできるようになっているだけに、そのギャップを一層感じ、もしかしたらこれをさせているのはこの子にとって苦痛でしかないんだろうか?とも思い始めていた。

それが、今日、明らかに文章問題を前にしたときのその子の表情が変わった。
まだすんなりとはいかないけれど、読みながらそれらしい絵を描くようになったし、あれこれ試行錯誤をするようになった。
問題に書かれている数だけを足したり引いたりしようとする癖はまだ抜けないものの、たった1週間で正直言って劇的な変化に見えた。

お迎えに来られたお母さんに明らかな変化の兆しが見えるということを伝えると、おうちでも変化があったのだとおっしゃる。
そして、何より本人が楽しそうな顔をするようになったのだ。

「少し楽しくなった?」と尋ねると、にこにこしながら「うん」と答えてくれる。
信じられないほどの急激な変化だ。
きっともうすぐ、色んなことの線がつながり始めるのではないかと思う。

子どもはやはり変わるんだ。
周囲の大人がその子のことを急かさずじっと見守って、本人ががんばり続ければ、きっときっと変わるんだ。

もちろん、まだ変化の兆しが見えた段階で、まだこの先山あり谷ありかも知れないけれど、きっと大丈夫。その子の笑顔を見ながら、そんなことを感じた幸せな日になった。

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