掛け算の筆算
掛け算の筆算って、大抵の場合、ここを掛けたらこの場所にこう書いて・・・という具合に、答えの書き方を指導するみたいになってしまいがちなところがあって(自分自身、それ以外習った記憶もないし)、数量感覚の乏しい子は、言われた通りにやって答えを出すことになってしまう。
仮に、数量感覚の身についている子でも、2桁×2桁や3桁×2桁になってくると、さすがに数量をイメージするにはやや大変にもなる。
2桁同士の掛け算をイメージで理解するには面積図がお勧めなのではと思っているけれど、計算があまり得意ではない子に2桁×1桁や3桁×1桁などの計算をさせるとき、案外わかりやすいのでは?と思う方法がある。
例えば、56×8なんて問題があったとしよう。
筆算で書けば
56
× 8
448
となるわけだけれど、得意でない子の場合、6×8と5×8をしたものを位をずらして書くだけで、6×8と50×8の計算であることを意識していないことが少なくないような気がする。
そういう場合、面倒ではあるけれど、こう書いてみることにしている。
56
56
56
56
56
56
56
+56
こう書くと、計算の苦手な子は「こんなのやったことない」なんてことを言ったりもするけれど、こう書いた上で、6の部分の8個をぐるっと囲み、「これいくつ?」と尋ねる。
反応が悪くても、「6が8個だから?」などを尋ねると、大抵の場合、九九で答えを出すことができる。
そして、「48」の「4」を繰り上がりとして一番上に書いておく。一の位には「8」を書く。
次に、5の部分の8個を囲み、同じように尋ねると「40」という答えが返ってくるので、それと一番上に書いた4を合わせて「44」を百の位と十の位に書く。
書いてある式は足し算の筆算だけれど、考え方は掛け算の筆算になっている。
イメージする力の弱い子などにはこう書いて何度かやってもらうことで、2桁×1桁はそんなに難しく感じなくなるし、この書き方をすれば、繰り上がりを書く場所を間違えることも少ないのではないかと思う。
掛け算の筆算の導入の前に、こんな式で答えを考えてもらうことをすれば、もう少し実感しやすくなるのかもしれないなと思っている。
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コメント
大学生です。
読ませていただきました。
掛け算の筆算の授業の導入法について、試行錯誤をしていたところでした。
掛け算の筆算のイメージが浮かばない子どもへの援助として「もとをかえせば足し算の筆算とはあまり変わらないのだ」ということを図を用いて示してあげるという方法を知って、早速実践してみようという気持ちになりました。
投稿: 宮崎人 | 2009年12月13日 (日) 15時20分
宮崎人さん、はじめまして。
ご丁寧にコメントありがとうございます。
大学生さんとのことですが、塾講師か何かをしておられるの
ですか?
大学生さんでしたら、指導が本業ではないのでしょうに、
授業の導入についてあれこれ考えておられるなんて素晴らしい
ですね。
そんな方に指導してもらえる子どもたちは幸せだなぁと思います。
何かお役に立ったのでしたら大変嬉しく思います。
ありがとうございました。
投稿: TOH | 2009年12月14日 (月) 01時50分