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2008年11月22日 (土)

大きさの等しい分数

普段、子どもたちとのレッスンの中で、どうすればその子が気づいてくれるかな?どうすれば説明せずに考えられるかな?とずっとあれこれ考えている。

いつもいつもそうしていると、何かの拍子に、あ!という発見があったり、今頃になって、ああ、こういう意味だったのね・・・と気づいたりすることも少なくない。

分数の割り算はなぜひっくり返してかければいいのかなんて考えたこともなかったし、今も「そうすればいい理由」というのはわかっているようなわかっていないような状態だけれど、色々、結果的にひっくり返してかけたのと同じ答えになるということは理解できた。

で、つい先日、算数が好きで好きでたまらない低学年スーパーくんとレッスンをしていたとき、まだ低学年なのに、分数同士の掛け算で約分しないと計算がすごく大変になってしまう問題をやることになってしまった。

分数の学習は既に終えてはいるけれど、まだ低学年。
大きさのイメージがまだすぐにぱっと浮かぶわけでもない。
おまけに、円を描いて区切らせようとしても、数直線を描いて区切らせようとしても、まだ小さい子たちは、分ける数が多くなってくると、うまく均等に分けられなくて絵がぐちゃぐちゃになってしまったりもするし、だからといって、「両方を割れる数を見つけて割るのを約分って言うんだよ」的な説明はしたくない。

さて、どうしたものかと考えていたのだけれど、そして、この方法がお勧めできるかどうかはややアヤシイけれど、分数というものを一応理解している小さい子でも、約分や同じ大きさの分数を図で考えることができそうな方法を思いついた。

で、その場ではとりあえずその方法で考えてもらって終わったのだけれど、そのあとなんとなくぼんやり考えていて、自分の中でなんというか、ああ、分数って割り算だし、比なんだなってことが実感できた気がした。(今頃…(汗))

図で描けばわかりやすいと思うけれど、そんな技がないので言葉で説明させてもらうため、ピンと来て頂けるかどうかはわからないけれど…。

例えば、1袋12個入りの飴が3袋あったとする。
飴の数に着目すれば、1袋分は全体に対して「36分の12」になる。
袋の数に着目すれば、1袋分は全体に対して「3分の1」になる。

さて、ここで3袋の飴と1袋の飴を、それぞれ同じ数ずつ別の袋に入れ直すことにする。
1袋に2個ずつ入れると、もともとの1袋分は全体に対して「18(袋)分の6(袋)」になるし、3個ずつ入れると「12(袋)分の4(袋)」になる。当然4個ずつ入れると「9(袋)分の3(袋)」だし、6個ずつ入れると「6(袋)分の2(袋)」にもなる。

飴の数の関係は変わっていないのだから、結局、「36分の12」はこれら分数と同じ関係を表しているということになる。

約分をこんな風に考えるのであれば、小さい子でも絵を描いて考えたり、おはじきなどを使って考えたりすることができるはず。
子どもには「できるだけ袋の数を少なくしたいんだけど…」と言って考えてもらえばいい。

このあたりの教材はかなり量が少なくて、子どもたちが結構苦労するところでもあり、また、それをいかにやり方を教えずに考えてもらうか、あれこれずっと悩んで、試行錯誤してきたところでもある。

きっとこれ以外にも方法はあるだろうし、これからも考えていきたいと思うけれど、なにかちょっとすっきりした気分だ。

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