小さい子たちを見ていて思うこと
過去何度も書いているけれど、私はもともと中学校の教師志望で教育学部に進み、思うところあって結局教員の道は選ばなかったけれど、塾講師時代も中学生と勉強するのが一番楽しかったし、教室を始めてからも就学前の子たちにそんなに早々とお勉強させなくてもいいのでは?という思いが消えず、幼児さんに関しては積極的には募集もせずにきた。
ただ、今教室で使っているメインの教材はもともとが幼児教育中心のものでもあり、また、その先生が有名になられるにつれ、自然と幼児さんに関する問い合わせも増え始め、一昨年あたりからは少ないながらも幼児さんとレッスンする機会も増えてきた。
それでも、基本的に体験にいらして頂いたときに「子どもが嫌がることは無理にはさせません」ということをご了解頂いて、それでもいいと言ってくださる方をお受けする感じなので、あくまでも子ども自身がやってみよう、やってみたいと思ってくれたら…という前提でのレッスンをさせて頂いている。(カリキュラムに沿って、同じ年齢のお子さんたちときちんと課題をクリアしていくというお教室は他にたくさんあると思うので、それを望まれる方はそちらを選んで頂けばいいと思っているので…。)
そういう意味でも、まだ学校のお勉強は関係なく、たっぷり時間がある中での幼児さんとのレッスンは私にも色々な発見がある。
初めは3までの数もパッとはわからない段階があり、それが5までの数になり、徐々に10までの数になっていく。
おはじきや玉、積み木やサイコロなどを使って数を感じてもらいながら、少しずつ進んでいく。
そうしていると、その数の感覚が身についていない段階は子どもは1から数えようとしたり、首をかしげて難しい顔をしたりする。
けれど、あるとき、5なり10なりまでの数を実感として身につけた瞬間、面白いぐらい反応が変わる。
そうやって、ひとつひとつの段階をきちんとクリアしていく子どもたちは、とりあえず適当な答えを言って、それが合えばいいやという風にはならないし(もちろん、たまにそういう風にしようとする子もいるけれど、こちらがきちんと働きかければすぐに修正してくれる)、わからなければわからない顔をする。
きちんきちんとクリアして行った子たちは、文章題に出会っても、式より先に答えが浮かんだりすることも少なくないし、ただの計算式の問題を解くよりも、文章題を解く方が楽しそうな子も珍しくない。
つい先日も、おりこうなんだけれども普段は超マイペースな新年長さんが、「お母さんがたまごを5つ買ってきて冷蔵庫に入れたら、たまごが10こになりました。はじめに冷蔵庫に入っていたたまごはいくつでしょう」というような問題を読み終わるや否や「5こ!!5こでしょ~?」と即答。
これは間違いなく、その子の頭の中にお母さんが冷蔵庫に5こ卵を入れる映像が浮かんでいたのだろうと思う。
しかし、幼児さんや低学年の子たちを見ていると、文章題を楽々クリアしていく子たちはみんなそうなんだと思う。
そして、数を実感しながら、色々なイメージをしながら進んできている子たちには、文章題は何も特別な問題ではないのだろうと思う。
私が何か特別なことをしているわけではない。
もちろん、素晴らしい教材やその提示の仕方などがあってのことかもしれないけれど、幼児さんは週1回50分だけのことで、数に関してのレッスンだけで言えば、そのうちの20~30分ほどしかないのではと思う。
それでも、子どもたちはほぼ例外なく、楽しそうに足し算や引き算ができるようになるし、文章題だからと言ってかたまってしまうこともない。
そういう姿を見るにつけ、やはり現状の一般的な指導法には何か見直すべき重大な点があるのではないかと思えてしまう。
きっと多くの子どもたちは、余計なことをさせなければ本来素晴らしい能力を持っているんだろうと思う。
いかにそれを潰さずに伸ばしていけるか、それは私たち大人が真剣に考えなくてはいけないことなんだろうと思う。
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コメント
>いかにそれを潰さずに伸ばしていけるか
本当にそうですね~~~!
私たち親の責任は大きいですね。
楽しみもその分大きいですが♪
投稿: 畑野そらまめ | 2008年4月15日 (火) 10時13分
そらまめさん、こんにちは~。
最近ちょっと考えていることがあって、ただ、ちょっと大胆過ぎる仮説
かもしれないため、書くと非難ごうごうになるかもとためらい中です…。
(苦笑)
ただ、なんというか、最大のポイントは大人がどれだけ気長に待てるか
なんじゃないかなぁと思う今日この頃です。
投稿: TOH | 2008年4月15日 (火) 11時28分