なんていうタイトルをつけたものの、今年度はもう明日を残すのみとなっているにも関わらず、年度内にする予定だった仕事はまだいっぱい残っており、どうにかこうにか新年度のレッスンは始められるかしら…というところまでしか達していないのだけれど、先日、とあるお問合せを頂いて、それにお答えしつつ、ちょっと考えた。
数少ない「日々の思い」フリーク、もしくはマニア(失礼な…)の方にとっては、もう何べんも読んだって!とツッコミを頂くかもしれないけれど、ここ数ヶ月、ネット経由やお電話でお問合せをくださった方のうち、数人の方に同じようなご質問を頂いた。
教室を始めた当初はまだ伊藤先生の知名度がそう高くなかったこともあり、伊藤先生のお考えになった学習法に関しての検索でお問合せということはほとんどなかったが、ここ2年ほど、そちらからの検索でお問合せを頂くことも増えてきた。(といっても、規模が小さいので大手や中堅の方と比べたらごくごく少数だろうけれど。)
頂いたご質問というのは、某大手塾の幼児部門とうちとの違いについてだ。
そのご質問にどうお答えしようかと考えながら、なんだかだんだん自分でもよくわからなくなってしまった。
お問合せをくださっている方は施設や費用、知名度が違うことなんて言うのは既に言わなくてもおわかりのこと。
とすれば、進め方その他についてのことをお尋ね頂いているのだと思うけれど、さて、こればっかりは何が同じで何が違うのか、よくわからない。
もちろん、私は比較されている大手さんのレッスンを見たことがあるわけではないし、おおよその予想しかできないので、あちらのことをお答えしようにもよくわからない。(そもそも比較することすらおこがましいわけで…)
そして、恐らく教材や教具に関してはほぼ同じだと思うということはお答えできる。
ただ…そうお答えしながら、もしかしたら、それ以外は何も同じことはないのではないかと思えてきたのだ。
うまく言えないけれど、例えば、一般的な小学校高学年や中学生を対象にした一斉指導の塾が2つあったとしよう。(私が以前勤めていた塾もその部類。)
そして、それらの塾に「A塾とB塾の違いはなんですか?」と尋ねたとしよう。
この2つの塾は使用している教材はほぼ同じようなもの。指導のスタイルも1クラス10人程度の一斉指導、お月謝も、授業回数や時間もほぼ同じだったとしたら…。
「指導者が違う」、「指導の仕方が違う」…そんなことしか答えられないような気がする。
そういえば、塾関係のメルマガなどに他塾との差別化とか、自塾のウリとかいう表現で色々なことが書かれていたりするのを読んだことがあるが、上述のような2つの塾があった場合、保護者や子どもにはその2つの違いは極めてわかりづらいものになるのだろう。
似たような塾があれば、結局はお月謝の比較、家からの距離の比較、友人や知人が通っているかどうか、体験に行った時の印象…そんなもので判断するしかないのだろう。
ただ、同じ教材を使うからといって、出る成果が同じかといえば、そんなことは決してないと思うのだ。
かなり極端なことを言えば、指導力のある方であれば、極めて内容の薄い教材を使ってだって、子どもたちを伸ばすことはできるだろうと思うし、至れり尽くせりの素晴らしい教材があっても、指導者によっては目覚ましい成果を見ることができない場合だってあるのではないかと思うのだ。
うちは確かにメイン教材として、伊藤先生が作られた教材を使わせて頂いているし、それはもちろん素晴らしいものだと思っているけれど、もしも何らかの事情でこの教材以外のものでレッスンをしなければならなくなったとしても(もちろん、そんな予定は今のところないけれど)、「教えない指導」、「子どもに気付かせる指導」をすることはある程度可能なのではないかと思う。
また、上述のように「似たような塾」が色々あっても、その塾の出す成果が異なるように、教材が同じだから「同じ教室」ということも恐らくないのだと思う。
ちょうど5年前、初めて伊藤先生に出会って、衝撃を受けた。
ただ、その衝撃は、ずっと探していたものに出会った!という衝撃だった。
だから、独立する気なんて全くなかったのに、森三中の電撃婚ではないけれど、いきなり独立を決めてしまった。
ずっと探していたものは、もっと子どもを伸ばせる学習法、暗記ではなく、実感を伴った学習法、そんなものだったから。
けれど、独立してからも、子ども達をよりよく伸ばせる学習法をずっと模索し続けている。
先生の教材は素晴らしいけれど、小学校の全範囲をカバーしているわけではないから、教室を始めたときからずっと、「これだけで完璧!」と思ったことはない。
本来、先生の教材は幼稚園受験、小学校受験、中学受験準備…といった、「受験」をにらんだつくりになっており、それら全ての受験指導に対応していない私の教室は、それだけで全ての子どもに対応することは難しい。
伊藤先生の教室や、某大手塾さんとの違いを尋ねられたら、もしかしたら、これが答えなのかもしれないなと思う。
「使っている教材や教具以外は多分ほとんどが違います」
違うからこそ、うちみたいなこんな小さな教室が続けられているんじゃないかと思う。
もし他の大手や中堅の塾や教室と同じようなことをしていたら、きっと今の教室はなかったんじゃないかなと。
今までも、そして多分これからも、私にとって興味があることは「目の前の子どもたちが持てる能力を十分発揮し、伸ばすのに有効なことは何か」ということに尽きるんじゃないか。
新年度を迎えるにあたり、そんなことを考えた。
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