頼むよ、ホント。
以前にもチラッと書いた気がするが、押しに負けて(?)夏の間だけということで、中学生とレッスンをしていた。
友人の甥っ子ということで、さて、どんな子が・・・と思っていたところ、なかなかの好青年(ん?好少年?)。
事前に聞いていた話から描いていたイメージとはかなり違って、どう見ても頭もいい。
その彼とも昨日が多分最後のレッスンだったのだが、夏の間ずっとかかっても相変わらずのらりくらりで、頭いいのにもったいない・・・と毎回言い続けていたような感じで、本人が真剣にやる気にならない限り、その場では授業内容も理解できるから授業中居心地が悪いこともないだろうし、テストの点が悪くても大して気にしている風もないから、ある意味一番どうしてあげることもできないパターン。
夏中来てもらってこれかよ・・・という虚しさ満載だったのだが、最後の最後に救われる発言があった。
1日中部活だったと、終盤、睡魔と闘っていた彼に、彼が苦手とする文章題のページで立式するか、式ができなくても答えが出るか、とにかくそのどっちかで4問解くまで何時まででもやる!と宣言。
さすがにそれは・・・と、最初は全部できないと言っていた問題からできそうなものを探し始めた。
しかし、実はそこは相当ハードなものばかり並んでいるページで、普通の公立中学ではまず出ないだろうというレベルのものがずらり。出るとしても、最後に100点を取らせないぞぐらいの感じで出すようなぐらいのものがほとんどだった。
その中でもとりあえず2問はクリア。
3問目に3種類の食塩水を混ぜるという問題を考え始めた。さすがに疲れているのはわかっていたので、「じゃ、それノーヒントでやったらそれで終わりでええよ」と言って黙っていると、あれこれ質問してくる。
小出しに小出しにこちらからヒントになるような質問を返しつつ待った結果、無事立式をして、その式の意味もちゃんと説明することができた。
「やった!できた、帰れる!」と喜ぶ彼に、「心配せんでもこんな難しいのはまず出~へんわ」と言ったとき、彼が「え?マジですか?」と聞き返した。
「うん、○○中やろ?まず出~へんわ。出るとしたら、100点取らせへんように出るかなぁってぐらいちゃう?」
そう答えたとき、彼が言った。
「やった!こんなんが出~へんってことは、テストはもっと簡単なんや!やたっ!解けるわ!」
夏中付き合ってきて、彼はずっとずっと、本当なら解けるはずの問題でも見た目だけで諦めて「文章題はできない」と言い続けていた。
おまけに、連立の利用を習った期間、体調を崩して入院していたこともあり、学校でほとんど授業を受けていなかったのだが、最後の最後で初めて、彼自身の口から「文章題ができる」という言葉が出た。
内心すごく嬉しかったが、「ホンマ、頼むで。頭ええねんから、頼むからテストちゃんと解いてや。」と言ってレッスンを終えた。
あの言葉が聞けただけでも、この夏付き合った甲斐はあったかなと思えた。
嬉しい嬉しいひと言だった。
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