先日のスーパー君
教室を始めて今の学習法にどっぷり浸かり、それまでの指導スタイルと180度ぐらい変わったが、おかげで色んな発見をする。
現小6の初期組スーパー君。先日から中学内容に進んでいるのだが、正負の数の計算はひと通りワークブックが済んでしまった。
考え方は理解しているようだけれど、まだうっかりミスもあるし、この状態で文字式に進んでしまうのはちょっとペースが速すぎるようにも感じたので、思い切って図形の方に飛んでみることにした。
その間、正負の数の計算練習を並行して、ある程度定着して安定感が出てきたら、文字式に進むことにしたのだが、どこからやるかなと、まずは線対称・点対称のところに行ってみた。
ここに関しては思った通り、まだ知らない言葉の説明をしたぐらいで(対称の軸、対称の中心・・・など)、後は勝手にすいすい解いてしまった。
で、さて、どうするかなと、前回のレッスンではそのまま作図に行ってみることにした。
中1での作図といえば、垂直二等分線と角の二等分線、直線への垂線2パターンというところ。後はその応用になってくるという感じだ。
問題を見たとき、これなら黙っててもやれるんじゃないかという期待を持ったので、とりあえずそれぞれの線がどういうもか、名前の確認だけして、例によってやらせてみることに。
「使っていいのはコンパスと目もりのないものさしだけ。ちょっと考えてみて。」
そういって見ていると、与えられた図をじっと見つめておもむろにコンパスを開いた。
かと思えば、何もヒントなしで垂直二等分線完成。
角の二等分線に至っては、思いがけない行動にこっちがちょっと驚いた。
というのは、与えられた図が、角を作っている2本の線分の長さが同じだったのだが、何も言わずに見ていると、おもむろに線分のそれぞれの端にコンパスの針を立て、頂点と反対側に×印を見つけ、頂点とつないで完成させてしまったのだ。
図形センスがここまで育っていると、図を見ただけでその2本の線分が同じ長さであることを把握し、そこから頂点の反対側に点を見つければ二等分線が引けることを発見してしまったというわけだ。
さすがに驚いて、すごいなぁと言ったものの、その線分の長さが違ったらその方法は使えない。
というわけで改めて、問題の図の片方の辺を延長し、さっき彼が使った方法では作図ができないようにしてみた。
「こんなんだったらさっきみたいにできへんよね?だったらどうする?」
そう尋ね、さて、お手並み拝見。
しばし見つめたかと思えば、「あ、わかった」とつぶやいた。
そして、頂点に針を立て、いわゆる「私たちが先生に習った方法」で作図をしてしまった。
2パターンの垂線の片方だけごく僅かにヒントを与えたものの、結局全ての作図をほぼノーヒントで自力で、それもほぼ一発で描いてしまったのだ。
この様子だと、作図の応用もきっと勝手に解いてしまうだろう。見ていて羨ましくなる。
今はまだ8月。この分だともしかすると、小学校卒業までに中1内容は全部終わってしまうかも・・・。(もちろん無理には進めないが。)
実は、現5年スーパーちゃんたちはもっと速いペースで進んでいるから、週1回のレッスンで小6までに中2か中3の内容までやろうと思えばやれるのかもしれない。(もちろん、無理には進めないし、そこまで進める必要があるかどうかはよく考えてみてからのことだが。)
私自身、作図を「習った」記憶しかないし、だから、塾講師時代には子どもたちに描き方を「教えた」記憶しかない。
おかげですぐに忘れるし、なかなか描けるようにならず、何度も何度も練習させたりしたものだ。
だけど彼は覚えたわけではないから、忘れてしまう心配もなければ、思い出す努力をする必要もないのだろう。
「図を見て考えたら描ける」
もちろん、全ての子がそういうわけにはいかないとは思うが、そんなシンプルことに改めて気づかせてもらった。
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