気になる記事
昨日の朝、もともと新聞はあまり読まないのだが、ちょっと気になる記事が目に留まって読んでみた。
年明けから毎日新聞ではシリーズで「ネット君臨」というタイトルのコラムのようなものが出ているのだが、新年しょっぱなからなんか気分が重くなるような記事で、ちょっと背筋がぞっとしたりもした。
新年早々にその記事を紹介するのも躊躇われ、おまけにその話題が某巨大掲示板などのことにも関係していたので、尚更取り上げるのは躊躇われた。
しかし、今回の記事は、コラムの記事の隣りに「国の研究プロジェクト『脳科学と社会』を統括 小泉英明氏」という紹介と共に「覚える力が衰える」と大きな見出しがついていたこともあり、興味を惹かれた。
ネット君臨で書かれている内容と、小泉氏の記事とは共通する部分が結構あったのだが、それぞれ一部を抜粋してご紹介しよう。
「ネット君臨⑧」より
年賀状のあて名の漢字が出てこない。目の前にいる得意先の名前が浮かばない。
広告代理店に勤務する東京都文京区の女性(31)は昨年末、港区の「山王クリニック」を訪ねた。脳のMRI検査を受けたが異常はない。(中略)「考えるよりも前にインターネットで検索するのが習慣になった」という。1日8時間はネットを使う。次第に物忘れがひどくなり、広告の入稿日や雑誌の発売日さえ思い出せなくなった。
山王クリニックでは2年半前の開業当初から、女性のように脳に障害がないのに同じ「症状」を訴える患者が目立ち、年間200人を超える。20~40代が中心だ。(後略)
小泉氏の記事より
ネットに頼り過ぎて、モノが覚えられない健忘症になる可能性はある。人間の脳には、短期的な記憶をつかさどる「ワーキングメモリー」の部分があるが、ネット検索が便利になって依存し過ぎると、モノをいちいち覚えておく必要がなくなる。無意識のうちに脳のこの部分を使わなくなってくる。
最近の研究で、ワーキングメモリーは短期の記憶だけでなく、学習や経験で蓄積された長期の記憶を引っ張り出す際に重要な機能を持っていることもわかってきた。記憶している情報にタグ(印)を付けておき、必要な時に引っ張り出す機能だ。これが働きにくくなると、過去に記憶していたことも思い出せず、認知症に近くなることも考えられる。便利になると頭を使わなくなる。車に乗ってばかりいると、脚力が衰えるのと同じだ。(後略)
この記事はそれぞれ、他にも非常に気になることが書かれているのだが、あまりに引用が長くなるので、最も気になったところだけ引用させてもらった。
書かれていることが、実際にあり得る、納得のいく内容なだけに、仮にこの説が間違っていたらそれはそれで「ああ、間違いでよかった」という話で、間違いでない場合のことを意識しておく方がいいように思う。
私も何だかんだで結構パソコンには向かうが、幸い子ども達と向き合っている時間がかなり長いので、それだけはかろうじて救いかもしれないなと思う。
それでも、確かに年々人やものの名前が出てき辛くなったりもしていて、歳のせいかとも思ったが、もしかしたらそれだけではないのかもしれない。
以前、何で読んだのか忘れてしまったが(まずい傾向?)、何かを思い出せないとき、すぐに調べるのではなく思い出そうと努力することが大事だと、もしかしたら「ボケないようにする」ためのひとつのポイントとかだったかもしれないが、読んだことがある。
そして、今回の記事のことは知らなかったが、つい先日偶然、6年の子達が漢字を忘れて、すぐに電子辞書を引こうとしたので「ちょっとは考えて思い出そうとして!」と調べるのを止めたのだが、それも正解だったのかもしれない。
うまく言えないし、今は大きな辞書を持ち歩くのは大変なので、私も電子辞書を持っているが、子ども達までが電子辞書で文字を入力するだけで何かを調べることに、どうしても違和感を感じるのだ。
国語辞典であれば、その言葉に辿り着くまでに他の情報が目に入ってちょっと寄り道をしてみたり、調べた言葉の隣りにある派生語なども目に入ったりということもあるだろうし、それこそ、手で辞書をくって調べたものは、「あのページのあの辺に出ていたはず・・・」というように電子辞書で引くよりは遥かに記憶にも残りやすいのではないかと思う。
全く知らないこと、初めて聞いたことなどをネット検索などで調べるとか、外出するときに辞書を持っていくのは重いので便宜上電子辞書を使うとか、そういう利用の仕方であればいいのかもしれない。
これからは時間の許す限り、度忘れやら物忘れやらで思い出せないことは、どうにか脳から引っ張り出そうと努力して、それでもダメだったらネット検索をするというように、ちょっと気をつけようかなと、個人的にはそんなことを思った。
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