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2006年12月 8日 (金)

子どももなかなか大変だ。

うちの教室に来てくれている子達は、「他人」の私がみる限り、本当によくできる子が多い。
もうホント、手放しにすごいなぁと思う子がいっぱいいるし、毎回毎回何かしら感動することもあって、私の口からは毎日、毎時間のように「すごいなぁ」、「天才やなぁ」、「ホンマ賢いなぁ」というような言葉が出るのだが、「我が子」となると、どうもそうはいかないようだ。

もちろん、親御さんの性格などによっても差はあるようだが、なぜだろう、今できることよりできないことに目が向いてしまう方がまだ少なからずおられるように感じることがある。もちろん、謙遜なども入っておられるのだろうとも思うのだが、やはり言われる子どもの身になってみると、気にせずにはいられない。

先日、お嬢さんが学校の算数が面白くないと言って心配しておられたお母さんに、「その後どうですか?」とお尋ねしたところ、「算数は好きみたいです。ちょっと自信持ってるみたい。けど、国語が・・・。」というお答え。

また別の日に、もともと息子さんがなかなか勉強に取り組む姿勢が見られず、とても心配しておられたらしいお母さんに「計算、すごくよくできるようになりましたね。速くなりましたよねぇ。」と私は心からの言葉で言ったところ、「ええ、そうなんですけど、引き算はやっぱりまだ苦手みたいです。」というお答え。

またある日には、これまで見てきた子たちの中でも理解の速さ、反応のよさは一番なんじゃないかってぐらいの子で、1年生だけど既に1年目の教材の11ヶ月目「リットル・デシリットル・ミリリットル」に進んでいる子のお母さんが「なんかあやしいんですけど、ホントに理解してるんですかねぇ?」とのお言葉。
けれど、レッスンで見ている限り、絶対彼の理解はすごいし、曖昧な理解の状態だと顔に出るから見ていてすぐわかる。少なくとも、わかってないのに適当に答えを書いてクリアしているわけではないのは間違いないのだ。
まだ1年生の今、レッスンでほんの2時間かさの学習をしただけで、これだけ理解できていることは本当に驚くべき素晴らしさなのに、どうもそちらにはあまり気づいておられないようだ。

もちろん、このお母さん方は皆さん、とても素敵な方で私は大好きだし、子どもたちも本当にいい子であるところを見ても、お母さんがいい子育てをしておられるのは間違いない。
そんなお母さん方でさえ、我が子のこととなると「できないこと」に目が向いてしまうことは珍しくないということなのだろう。

以前にも書いたような気がするが、子どもが生まれたときはきっとどの親もただただ無事に生まれてくれたことを喜び、健康であったことを喜んだはずだ。
初めて笑った日、初めて寝返りを打った日、初めて這い這いをした日、初めて言葉を発した日・・・そんなひとつひとつを全て、きっと満面の笑みで「すごいねぇ」とか「上手上手」とか「えらいねぇ」とか言って見守ってきたのではないだろうか。

もちろん、愛情があるがゆえに、我が子の将来を心配し、できないことがあったら子どもが辛い思いをするんじゃないかしら・・・という思いから出てしまう言葉なのだとはわかるのだが、それでもやはり「できないこと」に目を向けられては、子どもはたまったものじゃない。

子どもなんだから、今はできることよりできないことのほうが多くて当たり前だ。そもそも、私なんてもういい歳をした大人だけど、それでもできないことだらけだ。

だけど、「あなたは早起きができないからダメね」とか「掃除が嫌いだなんて女性として失格ね」とか、できないことばかりあげつらわれて繰り返し繰り返し言われたら、多分私はどんどん「何にもできないダメな人間」になっていくような気がする。

うちの母上は、確かにあれこれ口うるさい人だったし、自分のやり方を曲げたくない人だったから、子供心に煙たく思ったこともあるが、基本的にいつだって褒めてくれたように思う。
「いい子ね」、「えらいね」、「頑張ってるね」、そんな言葉をよくかけてくれた気がするのだ。実はそれは今でも結構そうで、家でダラダラしていることも少なくないのに、「いつも仕事頑張ってるね」とか「あんまり無理しないでね」とか、そんなことしか言わない。
ありがたいなぁとしみじみ思う。

何かができないことは多分本人が一番わかっているはずだ。
もちろん、それをなんとも思っていないこともあるだろうし、そんな場合はちょっとぐらいはっぱをかけてもいいのかもしれないが、大抵の場合はできないことで自信をなくしていたり、イヤだなぁと思っていたりするわけで、そんなときに、大好きなお母さんが「あなたは○○ができないからダメね。もっと頑張りましょうね。」なんて念押しをされたら、ちょっと泣きたくなってしまうかもしれない。

1年生で、たった2時間のレッスンでリットル・デシリットル・ミリリットルの換算が8割方きちんと理解できていることはすごいことだと私は思う。時々間違えるのは、まだ経験が少ないことやそのときの問題への集中の度合いだったりする。
だったら、私はできることを大いに褒めたい。

学校の算数に自信を失いかけていた子が、算数に自信を持てたのなら、国語がちょっとぐらい気になっても、まずは算数のことを子どもと一緒に手放しに喜びたい。

これまで勉強といえば逃げ腰で、やりたがらなかった子がほんの2ヶ月足らずの間に、学校より先の内容にまで進み、目をキラキラさせて問題に取り組んでいる姿を見て、仮に足し算ほど引き算がスムーズにできなかったとしても、「そんなのは誰だってそうだよ~。けど、こんなに短い間にすごく計算が速く、きちんとできるようになったね~~」ってやっぱり心から褒めたい。

うちの小さい子たちの目は本当にキラキラしててまぶしい。
そんな子達に褒め言葉以外の言葉はやっぱり思いつかない。
(もちろん、ルールを守らないとか、そういうことでは怒らなくてはならない場合もあるけれど。)

こんなによくできる子たちでも、こんなに頑張っている子たちでも、手放しに褒めてもらえることはなかなかないんだなぁって思うと、子どももなかなか大変だ。。。そんなことを思うのである。

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