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2006年10月15日 (日)

ものを大事にする心

この頃時々考えるのだが、以前、ワンガリ・マータイ女史が世界に「もったいない」という言葉を広める運動をされているというニュースを読んだが、日本には昔から、こんな素晴らしい言葉があるにも関わらず、年々私たち自身がその言葉を忘れてしまいつつあるのではないかと思うのだ。

これは全くの私の勝手な考えなので、全く違うかもしれないが、今、子どもの親になっている世代の多くが若い頃かもしくは子どもの頃にバブルの時期を過ごした人達なのだろう。(私は学生時代にバブルだったらしいのだが、どうも全くその恩恵(?)を受けた記憶がない。)
バブルの頃は、ひとつのものを大事にするというよりは、ほしいものはすぐ手に入り、飽きればまた新しいものを・・・そんなことも当たり前だった時代だったのかもしれない。

その後、世の中が不況だと言われるようになり、その影響もあってか100円ショップが台頭するようになった。私もかなりお世話になっているのだが、あれもまた、ものを大事にしないことを助長しているようにも思えるのだ。

うちの教室に来てくれている子達はみんないい子だ。恐らく、同年代の子ども達と比較しても、きちんと躾をされていて、賢い子が多いと思う。
それでも、例えば鉛筆や消しゴムを忘れて帰っても、こちらが次のときに「これ忘れてなかった?」と尋ねなければ、子どもから「忘れてませんでしたか?」と尋ねてくることはない。

また、例えば、レッスン中に消しゴムが転んでどこかに行ってしまったとしても、筆箱の中には2つ以上消しゴムが入っていたりして、特に探そうともせず別の消しゴムを使う子や、仮に少し探して見つからなければ、その場は教室の消しゴムを借りて、それ以上探そうとしない子は決して珍しくない。

鉛筆だって筆箱だってなんだって、100円ショップに行けば売っている。消しゴムなんて、ものによっては5つで100円とかでも売っているのだから、1個20円だ。
最近は各家庭の子どもの数も昔よりずっと少なくなっているから、子ども達のお小遣いやお年玉なども結構な額だったりもする。
そうなれば、子どもにとって数十円や数百円は取るに足らない金額でもあるだろう。

おまけに、親にしても、それこそ幼児用の服だって100円ショップで売っているぐらいだから、「100円の服なら汚れたら捨てたらいいわ。」「100円のおもちゃなら壊れたらまた買えばいいわ。」「ほんの100円だもの、なくしたらまた買えばいいわ。」と、そんな気持ちになっても何の不思議もない。

いくら私がびんぼ~な時期を過ごし、質素な生活に慣れたからと言っても、確かに1個2、30円の消しゴムは安い。もし子どもがなくしてしまっても、本来必死で探す必要はない。
鉛筆を無駄に削ってちびさせる子を見ても、その鉛筆すらそう高いものではないのだし、わざわざ注意をする必要さえないのかもしれない。

それでも私はいささか古い人間なので、使えるものを無駄にするのは地球に対して(う~ん、うまく言えないが、限りある資源に対してというか、貧しい国の人に対してというか、なんかよくわからないけどそういう感じ。)申し訳ない気がしてしまうのだ。
だから、教室に来る子達にも機会があればものを大事にするよう話をするし、(といっても、わざわざ改まって話すわけではなく、例えば子どもが消しゴムをわざと二つに折って、「もうこれいらない」とか言ったりしたときに、「使ってもらえなかったら消しゴムさん可哀想ね。」とか「それは地球に優しくないなぁ。」とか、そんな風に話すだけだが)私自身もなるべくものは大事にするように心がけている。たとえそれが20円の消しゴムでも。

そして、またふと思ったのだ。
これはもう本当にあくまでも仮定の話で、全くの見当違いかもしれない。ただ、ちょっと思ったのだ。

ものを大事にしない人が人を大事にするだろうかと。
もちろん、程度の差はあるだろうし、不良と言われるようなやんちゃな子がものは壊すけど弱者には優しいなんてこともあるだろうから、当てはまらないこともいっぱいあるのだとは思うが、それでもやはり、自分の持ち物を大事にし、人のものを大事にする心は「人を大事にする心」とそう異なるものではないのではないだろうか。

以前読んだ本で、ある幼児教室ではおやつのときなどに使う食器にボーンチャイナだったかの「落とすと割れる上質のもの」を使っているという話が書かれていた。
まあ、もちろん強度はある程度あるのだろうけれど、少なくともプラスチックやアルミなどの食器とは違い、雑に扱えば欠けたり割れたりする。
そんなものを意識的に使っているのだと書いておられたその先生は、「落としたら割れる」ということをちゃんと経験させることに意味があるとも書いておられたように思うし、また、「落としたら割れるから丁寧に扱おう」という気持ちが芽生えるのだとも書いておられたはずだ。
大変納得のいく話だ。

100円のおもちゃを大事にしなさいと言っても、それはなかなか難しいかもしれない。
おもちゃが溢れかえっている中で、ひとつひとつのおもちゃを大事にしなさいと言っても、それもきっと難しいだろう。

小さいうちから上質なもの(それは単に高価だということではなく、例えば、仮に100円で買った手さげにでも、お母さんが刺繍やアップリケをしてあげたり、お父さんが何か絵を描いてあげたり、何か手をかけてあげて「世界でひとつだけのもの」にしてあげるのも「上質」なのではないかと私は思う)を厳選して与え、ひとつひとつを大事にするということを自然と身につけさせることは、もしかしたらとてもとても大切なことなのかもしれない。
そんなことを考えた。

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コメント

(引用)ものを大事にしない人が人を大事にするだろうかと。
何だか考えさせられました。自分がどれだけわがままに過ごしてることか・・・少し飽きたらぽいぽい捨て新しいものに目が行き。確かに人を大事にする心も比例して薄れてしまっていってるような気がして。じぶんが恥ずかしくなりましたよ;;とても心打たれました。

投稿: 琥凛 | 2006年10月15日 (日) 18時43分

琥凛さん初めまして♪
コメントありがとうございます。
ブログ覗かせて頂きました。とってもお若い方なのですね~。
まさか社会人というか、大人の方がそんな風に反応してくださる
とは思っていなかったので、驚きました。ありがとうございます。
若い頃って、後で振り返ると「アイタタ…」と感じることも多い
ですけど、きっとみんな多かれ少なかれそうなんだと思います。
素敵な日々をお過ごしくださいね。
ありがとうございました♪

投稿: TOH | 2006年10月15日 (日) 19時44分

はじめまして。はてなブログ「りんごアンテナ日記」でそろって紹介されていましたので、こちらを覗いてみました。「物を大切にしよう」という趣旨のブログを同時にアップするなんて、シンクロイシティーですね。
 中国の倫理用語「義」は、「正しい用法で物を使用する」という意味をもちますが、仮にそれが「けしゴム」であっても、なにか別の用法を発見できれば、それも「義」である・・・と思っています。私は見慣れた物に新しい使い方を見出すような生き方を目指しています。

投稿: 森下礼 | 2006年10月16日 (月) 07時35分

森下礼さん初めまして。コメントありがとうございます。
ブログも拝読しました。すごい文章力だなぁと思いましたら、
文章を書かれることもお仕事のひとつでらっしゃるのですね?
拾ったパソコンでこのコメントも書いて下さったのでしょうか?
「新しい使い方」というのはなんだか素敵な発想ですね。
私にはあまりない視点でした。ありがとうございました。
今後共どうぞ宜しくお願い致します。

投稿: TOH | 2006年10月16日 (月) 09時33分

私のブログも読んでくださりありがとうございます。今このコメントを打っているコンピュータは、例の拾ったコンピュータからは4台目になります。コンピュータにはおおむね昔の恋人の名前をつけるのですが、拾ったやつは「こころ」と命名しました。コンピュータの基本操作を学ぶ役には立ちました。まだ家の中に住んでいますよ。

投稿: 森下礼 | 2006年10月16日 (月) 12時22分

森下礼さん再びありがとうございます。
そうですか、もう4台目なんですね~。
けど、さすがに全部拾ったわけじゃないですよね?(笑)
パソコンに元カノの名前をつけるとはなんとも不思議な感じが
しますが、「こころ」ちゃんってのはとっても素敵な名前ですね。
それでは。

投稿: TOH | 2006年10月16日 (月) 13時23分

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