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2006年8月11日 (金)

待つことの難しさ(前編)

書いていたら恐ろしく長くなりましたので、前・後編に分けさせて頂きます。よろしくお願い致します。

これまで何度か書いてきたけれど、「教えない」、「助けない」ということの難しさは結局は「待つ」ということの難しさに通じるのだろうと思う。

教室でレッスンをしているときでも、小さい子であったり、体験や単発でのレッスンなどの場合、側でおうちの方が見ておられることがある。

見られていてもいなくても、私のレッスンスタイルは基本的に変わらないのだが(もしかすると少しは言葉遣いとかが変わっているかもしれないが)、おうちの方のことは意識しない代わりに、おうちの方に事前に注意やお願いをすることもない。

そのため、こちらは子どもの考えている表情などを見ながら、まだもう少し考えさせてみようとか、これは全く何も考えられていなさそうだからちょっとヒントを出そうとか、そういう判断をしていることに気づいてもらえないことがある。

例えば、つい先日あったことでいうと、タイル(方眼紙)に描かれた三角形の面積がタイル何枚分にあたるかという問題を考えてもらっていたときのこと。

基本的にパズルのような問題なので、事前に何も説明をせず、まず子どもにあれこれ考えてみてもらうようにしている。
何もヒントを出さないと、大抵の子は初めのうち、1枚に満たない半端なタイルを近くの別のタイルとくっつけて1枚と数え、答えに辿り着く。

そういうことを何度か繰り返した後、自分で気づく様子のない子には少しヒントを出す。もっとまとまりで移動させたら綺麗な長方形などになる場合もあるし、どこをとっても半端な場合は周りの部分を数えて全体からのける場合もある。また、直角三角形が描かれているような場合は、長方形や正方形のちょうど半分になっていることに、試行錯誤の後に気づかせる。

そうすれば、大抵の子は三角形の面積の求め方が「底辺×高さ÷2」になる理由を実感することができる。

もちろん、子どもの年齢や現時点での理解力、着眼力その他でヒントを出すタイミングや出すヒント自体も変えることになるのだが、賢い子であればギリギリまで粘らせて、それでもどうにもダメな場合にやっとヒントを出す。さんざん試行錯誤させた上で「この半分になってるよね?」と言えば、「三角形の面積は2で割る」と公式を覚えた子より遥かに使える知識になる。
そこには発見や感動があるからだ。

もともとそのレッスンの子は図形や面積などの問題が苦手だとおうちの方に伺っていたので、私は尚更子ども自身に気づかせたかったのだ。だから、あれこれ試行錯誤しているのを知っていながら、黙って様子を見ていた。

しかし、そこでおうちの方が突然おっしゃったのだ。

「なあ、○○。三角形なんやから、何の半分が○枚なのか考えたらわかるやろ?」

私は何も言えなかった。
もちろん、事前に何も口は出さないでくださいと言っていなかった私がいけないのだが、まさかレッスン中に、それも幼児じゃないのに、そんな風におっしゃられるとは思っていなかったのだ。

きっと内心思っておられたのだろう。(なんでこの先生は何も言わないんだ。何で教えないんだ?)と。
その子は夏だけの4回体験で来てくれていた子なのだが、もともと理解力や計算力は相当ある印象を受けた。だからこそ、図形が苦手なのであれば、本人に発見・実感させるしかないと思っていたのだが、少し残念な結果になった。(後編に続く)

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