ああ、うれしい。
ブログ登場ベスト3を挙げると、多分入っているのではという高学年の彼。しかし、彼の登場は「スーパー」での登場とはちょっと違い、「また泣かれてしまった。。。」みたいな話が多いところが切ないのだが、このところ、多少の波はあるものの、なんだかいい感じになってきた気がしている。
今日も、私にとってはすごくすごくうれしいことがあった。
彼らと前回分数の割り算をやり、今日はその応用問題のようなものの単元になった。
これまでの彼のパターンだと、ワークブックに書かれている説明やヒントをまず読んで、その通りに解くという、言ってみれば「自分の頭を殆ど使わずにして解く」方法で取り組むことが多かった。
問題を全て自作にすればいいのだろうけれど、市販の教材や塾用教材で、特に小学生向けのものになると、ヒントや説明が殆どないものを探すのは難しい。更に、書かれているヒントを見ると、(一体どういうつもりで書いているんだろう?これを読んだらそのまま計算するだけで答えが出るでしょ?)と思ってしまうような、もう既に「ヒント」とはいえないヒントも決して少なくない。
書いてあるものを読むなというのもなんだか変な話で、時には、最初は隠して後で見せるなんてこともするが、宿題などではそれもできない。
もどかしさを感じながらも、どうにか少しずつ変化を見せ始めている彼を見てきた。
今日の応用問題の中にこんな問題があった。
「15kmを50分で走る自動車の時速は何kmですか。」
問題としては分を時間に直して、60分の50と表し(約分してもいいけれど)「15÷60分の50」をするという考え方をヒントとして書いており、当然学校で習うときにも普通の塾などで習うときにも、ほぼ同様の考え方が指導されるのだと思う。
さて、彼はどうするのかなと思い、まずはノーヒントで見ていた。最初はどうしていいものやらという雰囲気だったのだけれど、50分なのに時速を聞かれているよね?ということだけを確認し、もう一度見守る。
すると、突然彼が気づいたのだ。
「10分で3キロやから、18キロや!」
彼の顔も嬉しそうだったけれど、私は心の中でとてもとても感激した。
50分は10分が5つ集まっていて、知りたいのは60分でどれだけ進むかということなのだからと、彼自身が気づいたのだ。取るに足りない些細なことかもしれないが、私は本当に嬉しかった。
その後の問題も、彼は柔軟に(そして実はその方が余程簡単だと思うのだが)、「分数の割り算」を使うことにこだわらず自分で答えに辿りついて行った。
面白かったのが、体重の約5分の2が筋肉だということを解いた後、筋肉が28kgの人の体重は何㎏かを考える問題のとき。
手抜きの人の絵をワークブックの空いたスペースに描き、どのぐらいが筋肉なのか尋ねたところ、ちょっと考えて身長を5等分した2つ分ぐらいのところに線を引いた。
それを見て彼はこう言ったのだ。
「あ、そっか。28キロの倍とあと半分や!」
こういう発想が彼から出るようになったことが素直にうれしい。
これも「正統派」の解き方なら、「28÷5分の2」をするのだけれど、そもそも分数で割るということ自体やや不自然な行為なわけで、28を2つに分けた5つ分が体重であるということなのだということさえ理解できれば、分数の割り算を無理に使う必要もない。
もちろん、いずれ学校でそれを習う頃には嫌でもそれをやらされるのだから、今日のところは彼自身が柔軟な発想で答えを導いてくれたことを素直にうれしく思っている。
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