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2006年8月 7日 (月)

時間の計算(筆算の場合)

時間計算の筆算は習わない子も多いのかもしれないが、足し算でも引き算でもたかが2桁同士でさえ筆算をする子が圧倒的に多いことを考えると、時間計算の答えを出すために、分の部分や秒の部分だけを筆算している子は決して少なくないだろう。

だったら、教科書でも筆算をやればいいのにとも思うのだが、教科書で扱っている時間計算は数が限られているので、わざわざ教える必要もないということなのだろうか。

教室では時間計算の筆算も学習する。
何時何分に留まらず、何日何時何分という問題や、何時何分何秒という問題なども登場する。
3つの単位を使い、それぞれに繰り上がりや繰り下がりが出てきたりとなると、大抵の子どもにとっては「面倒でイヤな問題」になってしまう。

まあ、それでも足し算は60秒を超えたら分に変えて、60分を超えたら時間に変えて、24時間を超えたら日に変えて・・・という操作は、殆どの子がそれなりにできる。

ここで問題になるのはやはり引き算だ。繰り下がりのないものはまあ問題ないのだが、もともと算数があまり得意でない子や時間計算に苦手意識を持っている子などは相当抵抗を示す。

先日、ある子と時間計算の筆算をやっていたときのことだが、やはり繰り下がりのある時間計算にはかなりてこずっているようだった。

教室では普通の引き算をするときに、「減々法(取って取る)」というやり方で考えるのだが(私は不勉強で詳しく知らないのだが、「水道方式」と呼ばれる方法と同じだそうだ。)、時間計算のときにも基本的にはその方法を使う。

例えば、「11時16分-5時39分」というような問題があった場合、3桁や4桁同士の引き算も筆算をせずにできるような子は、好きではないもののやればできるという子が多いが、引き算は筆算でなければ答えに自信がないというような子であれば、16分から39分を引くときに困ってしまうのだ。

一番やりがちなのは、「10」をもらってきてしまって(借りてくる?)、この引き算の答えが「4時77分」というようになってしまうパターン。
引けないときは隣からもらって(借りて)くるという感覚に慣れてしまっている子は60をもらってくるという感覚になかなか馴染めないのだ。

で、そういう子にはひとつの方法として、まず16分から39分を引こうと思ったら何分足りないかを考えさせる。そこで23分足りないとわかったら、1時間からその23分を引かせる。
こうすれば、1時間を60分に直すことは大抵の子ができるので、無事答えに辿り着く。

しかし、引き算にかなりのアレルギーがある場合、この方法だとある意味二度引き算をしなくてはならないことになり、子どもによってはやはり非常に抵抗を感じる子もいるようだ。

先日のレッスンの子はそのタイプだった。
で、見ていてふとこの方法ならどうなんだろう?と思い、改めて尋ねてみた。

「11時16分-5時39分」であれば、11から5が引けるのはすぐわかるので、分の部分を見て、引けるか引けないかをまず判断してもらう。この段階で引けないことは算数が苦手な子でもまずわかるはずだ。

引けないことが決まったら、16分はそのまま置いておいて、いきなり1時間から39分を引くのだ。すると答えは21分。それとは別に16分残っているので21分と16分を足して37分。11時からは1時間もらったので10時になっているから、残り時間は5時間という具合だ。

足りない分を引くという方法にすごい抵抗を示したその子は、この方法をいうと「なんだ、簡単。」と言った。
この場合だと、引き算は1回すればいいし、それも60から引くので、そうややっこしい計算でもないのだ。その後は足し算で答えが出る。
確かに、計算が苦手な子にはこちらの方が簡単だなと改めて気づいた。

もちろん、例えば繰り下がるのだとしても「11時16分-5時19分」のように3分足りないだけだったりすると、暗算でもできる子も増えるだろうし、「11時16分-5時59分」のような場合だと最初から6時間引いて1分戻すという方が圧倒的に簡単だろう。

問題に応じて、子どもの苦手度合いに応じて、色々な方法を提示できるかどうかが私の仕事のひとつだと思っているが、子ども自身が問題ごとにどの方法が簡単かを判断できるかといえば、それはやはりある程度の能力がないと難しいということは否めない。

なんだか今日もイマイチまとまらなくなってきてしまったが、要は、繰り下がりを含む時間計算が苦手な子は、どの方法が簡単と感じるかは人それぞれのようなので、ご家庭などでもひとつの方法を徹底的にやらせるだけでなく、お子さんの様子を見ながら、いくつかの方法を提示し、お子さんが一番簡単と感じられるものを見つけてあげらてもらえたらと思う。

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