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2006年8月30日 (水)

健康な頭

昨日のレッスンでの1年生の様子。

以前にもブログに登場した、「教室に通うまで勉強はさせないから」と宣言されていた友人の息子くん。現在小1。

実際、今でもひらがなの読み方もややたどたどしいし、桁の多い筆算などは見たら(やりたくないよ~)という表情をする。
もちろん、私だって桁の多い筆算を楽しくやるなんてことはないので、彼の反応は至極真っ当だとも思う。

そんな彼が昨日、文章題をやっていたときのこと。
やっている問題は殆どが、正直言って、小1の夏休みということを考えると、既にかなりのハイレベルな問題だ。

いくつか紹介すると

「てっちゃんは45円のけしゴムと80円のえんぴつを2本かいました。500円をだすと、おつりはいくらもらえるでしょうか。」

「みっちゃんはクッキーを18こたべました。でもまだはこの中に42このこっています。はじめ、はこの中にはなんこのクッキーが入っていたのでしょうか。」

「ちょ金ばこに100円だまが5こと10円だまが35こと1円だまが7こ入っていました。みんなでなん円入っているのでしょうか。」

などなど。

しかし、彼の頭は感動的に健康で、ただの一度も「たすの?ひくの?」なんて尋ねないし、それどころか、問題を読み終わると同時に考え始め、式を書くより先に答えが出るのだ。

彼は答えが出たあと、どんな式になるのかを改めて考えるという、普通の感覚でいえばあべこべの行動を取る。
だが、私がこの学習法に出会ったとき、大先生に言われた通りなのだ。

「文章題なんて、できない方がおかしいですよ。小さい子は読み終わったら先に答えが出る子もいますから、初めのうちは、答えが出たあとで式を考えさせるんでもいいです。」

これまでにもそういう子は何人もいたけれど、ただの暗算や筆算の計算式を考えているときと、文章題などイメージできる問題を考えているときの彼は表情まで違うのだ。
彼にとって、文章題は難しいものではなく、考えやすい、わかりやすいものなのだろう。

彼の頭がこんなにも健康なのは、やはりいっぱい遊んで、色んな経験をしているからというのも大きいだろうと思う。

いくらイメージしようと思っても、買い物に行って自分でお金を払ってお釣りをもらった経験のない子には、最初の問題はイメージしづらいだろうし、クッキーの問題などは「42-18」としてしまう子も決して少なくないのだが、それを全く迷わなかったのは、きっと経験上具体的にクッキーや食べる姿をイメージすることができたのだろう。

貯金箱の問題に到っては、これを初めて見る大人は「掛け算習ってないよね?」なんてことを言ったりすることもあるのだが、10円が10個で100円になるという感覚がない子には、やはりかなりの難問だ。

問題文をたどたどしく読むなんとも可愛い彼だが、彼の今後がますます楽しみだ。

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