やんちゃだった子の言葉
昨日帰ってから書こうと思ったのですが、週末でやや疲れも溜まっていた上、クラス会でのアルコールも手伝い、気づけば意識喪失。。。もし昨日の晩に覗いてくださった方がおられましたらどうぞお許しを。
中学時代のお隣のクラスは、しっかりした幹事がいて毎年のようにクラス会をしている。
幹事のひとりが友人であり、今回はクラスの枠を超えてメンバーに声をかけようということになったとのことで、参加させてもらった。
とはいえ、よそのクラスのクラス会にお邪魔していいものだろうかと、それでなくても、既に告白している通りそういう場があまり得意ではないので、チラッと迷ったが、クラス外の子も何人か来るようだったのでお邪魔することにした。
先生がお二人と同級生達、総勢15人ぐらいだったようだけど、私にとっては適度な多さで、中学卒業以来初めて会う子も何人かいたけれど、とても楽しく過ごさせてもらった。
遅れてきたメンバーの中に、中2のとき、最愛の恩師のクラスで一緒だった子がいた。
彼は中学生の頃、学年一、ニの「やんちゃ」な子だった。うちの学年の先生方は今じゃそれこそ大問題になっているだろうけれど、生徒に手をあげたことのない先生の方が圧倒的に少ないぐらいだったのだが、恐らく彼は先生方から殴られたりした回数も学年トップレベルだったのではないかと思う。
その頃の私は、一応優等生と呼ばれる側の生徒で(実際にはそんなことはなかったのだが、知らず知らずのうちに目立っていたようで、学級委員やら生徒会役員やらもしたものだ)、周囲の印象としては彼と私は非常に遠い、まず友だちにはならない2人に映ったかもしれない。
実際、昨日の席でも、もちろん冗談まじりにだけれど、ひとりの先生が昔を振り返りながら、「この2人の間には絶対越えられない高い高い壁がある」と評したほどだ。(笑)
ただ、周囲がどう思っていたかはわからないし、彼は確かにやんちゃだったかもしれないが、結構いいヤツだった。中学時代のある時期、野球部の子に片思いをしていたのだが、同じく野球部だったやんちゃな彼はなんだかんだ言って応援や協力をしてくれたりもした。今思い出すと、あんまりに可愛いエピソードなのだけれど、中3でみんなクラスが分かれて、やんちゃな彼が片思いの彼に忘れ物を借りたらしく、偶然廊下で出会った私に「これ○○に返しといて」と、私が片思いの彼に会いに行く口実を作ってくれたりもしたものだ。(笑)
いいヤツだったけれど、かなりのやんちゃだったこともあり、卒業後の進路は全く異なり、街で偶然会うということもなく長い年月を過ごしていた。
久々の再会は10年前、最愛の恩師のクラスのクラス会のとき。ちっちゃくて細かった彼はがっちりした体格になり、一瞬全く誰だかわからなかった。彼も彼で私のことがわからなかったらしい。お互い指さして「誰?」「誰や?」と言ったのが十数年ぶりの再会だった。
彼は美容師になり、すっかり立派な大人になっていた。
その後、恩師が亡くなったときに一度、内輪で集まったときにも会ったが、昨日はそれから4年ぶりぐらいの再会だった。
彼は会えばお約束のように口説いてくれるのだが(それも超直球で)、そんなこと言っているのは口だけで、なんだかんだ真面目な話もしてくれる。
昨日彼から聞いた言葉は録音しておきたいほどのものが沢山あった。彼のお子さんはもう割と大きいのだが、「自分と違って」よくできる子たちなのだそうだ。
「ほんま、島田紳介のコマーシャルみたいやで。『よっしゃ教えたる』と思っても、見たらわからへん。なんじゃこりゃ?や。」
笑いながら、未だに分数や小数の足し算・引き算もよくわからないと話す彼。けれど、彼はとても話上手だし、気配りもうまいし、何より今は自ら美容院を立派に経営し、沢山のお客さんの相手をしている。彼の仕事にとって、今更分数や小数の足し算・引き算を学ぶ必要はないだろう。
けれど彼はこう言った。
「○○、俺に勉強教えてくれ。 俺な、何で勉強なんかするんや?と思うねん。今更小数や分数の計算なんかせ~へんやん。計算いうたってレジもあるし。けどな、社会に出たら、いっぱい問題あるやん。ややこしい問題やら、答えがわからんような問題もあるやんか。子ども見とって思うねんけど、あれはな、予行演習なんちゃうかなと思うねん、答えがひとつって問題でな、練習しとんちゃうかなって。」
若干表現は違ったかもしれないが、小中学生の頃、どうやら本当に殆ど全く勉強らしいことをしていなかった彼の言葉であるだけに、しみじみ心に響いた。
まあ、もちろん、多分彼は勉強しなかったことを後悔しているわけじゃないと思うし、少なくとも今の彼は私より遥かに立派な社会人だ。子どもの頃に勉強をしなくたって、こんなに立派にやっていけるんだよって見本にもなると思うけれど、きっと様々な苦労もあったに違いない。
だからこそ、学校での勉強を「社会に出てからぶつかる問題に対処するための予行演習」と思えるんじゃないだろうか。
口の悪い彼の元担任の先生が、
「○○の息子、ぱっと見たらわかる優等生の顔ってあるやん?もうホンマそんな顔しとるねん。『お前、○○の息子か!』って言ったら『父が・・・』って言ったぞ、確か。父がって。誰の子や?ホンマお前の子か?」
冗談でそんなことを言ったし、奥様は学業優秀だったそうなのだけど、そんなことは別にして、この彼の子どもがいい子に育たないはずはないと、私は内心思っている。
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