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2006年7月23日 (日)

感謝

今日はレッスンのない日だったので、晩は実家に顔を出した。
もう決して若くはない両親との一家団欒。
食事の後家族と見ていたテレビで、途中からだったので詳しいことはわからないが、番組の途中で児童養護施設が映った。子ども達が七夕の短冊に願い事を書いているのだが、どうやら話の流れ的に、その養護施設の子達には親がいないようだった。

「お金持ちになりたい」
「テストで70点がとりたい」

そんな願い事の中に

「スポーツのコーチになりたい(大学に行きたい)」

そう書かれた短冊があった。

児童養護施設は18歳になると施設を出て独立しなければならないのだという。
普通に考えて、大人の支援なしに18歳の子どもが自分ひとりの力で生計を立て、その上で大学に行くということは並大抵のことではないだろう。

奨学金やらなんらかの援助などもあるかもしれないが、普通に考えれば幼い頃から塾などにも行けず、学校での学びだけで大学受験までをし、その後生計を立てつつ大学に通うというのはやはり相当高い壁であるに違いない。

これまで私は、家族で誰も大学に行っていないのに、私の大学進学に反対せず、すんなり進ませてくれたことを感謝したことはあったが、国立大でまだ学費も安い頃だったし(授業料が4年で100万程度だったと思う。)、塾や予備校などにも行かなかったことを思えば、親孝行をしたぐらいに思っていた。

けれど、実はすごくすごくありがたいことだったんだなと、その短冊を見て改めて思った。
少し照れくさかったけど、両親に向かって「大学に行かせてくれてありがとう。」と言った。

親も照れくさかったのか、母は「うちの子じゃないんよね?お父さん。」と父に向かって言い、父は父で「ん?ああ、母さんの子やからな。」なんて言った。

両親がいて、家族みんな健康で、毎日ご飯が食べられて、当たり前に学校に行かせてもらえる。
普段は当たり前すぎて、そのありがたさに気づきにくい。

1枚の短冊のお蔭でそれに気づくことができ、今頃何言ってるの?って話だけれど、それでも直接両親にお礼が言えてよかった。
いい休日になった。

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