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2006年5月 8日 (月)

負の数の計算

「負の数を引くのは正の数を足すのと同じことになる。」

それは忘れておられない限り、世の大人はみんな知っていることだと思います。
けれど、なぜそうなるのかを考えたことがある方は決して多くないのではとも思うのです。

もちろん、社会に出て、負の数を引く計算に出くわすことなんてまずありません。
仮に出くわしたとしても、解き方はわかっているから解くことはできます。

私自身、つい数年前まではそうでした。
子どもに関わる仕事をして、実際、その単元についても何度も何度も指導してきたにも関わらず、意味をあまり考えることがなかったのです。

もちろん、機械的に暗記するのが得意な子もいますし、残念ながら、あれこれ考えるより覚えて使う方が楽という風になってしまっている子も決して少なくありませんから、そういう子にはそういう先生から教わってもらえばいいやと、最近はそんな風に思うようになりました。

私自身、コツコツ努力して暗記するというのがとても嫌いな子どもだったし、それは大きくなった今でも変わりません。もちろん、学生時代は試験で点を取らなければ志望校に合格できないという現実もありましたから、嫌でもしぶしぶやってはいましたが、決して得意科目にはなりませんでした。

だから、私は、今自分の教室で関わる子達には、少しでも「丸暗記」をせずに済む方法をいつも意識しています。もちろん、教科によっては丸暗記しなければどうにもならないものもあると思いますから、せずに済むものはそうすべきなんじゃないかと思うのです。

で、小学生に関しては「公式をただ覚えさせる」ということはほぼ全くせずに学習を進めることが可能になっているものの、中学生はまだ発展途上。素晴らしい先生方や色々な著書などに学びながら、自分なりにあれこれ考えているところです。

そして、ここ最近、「負の数を引く」ということを、ようやく自分の中で消化し、例を挙げて説明できるようになってきた感じがしています。去年や一昨年はまだなんだか無理矢理っぽかったり、借り物的な説明だったりしていたのが、やっと「あぁ、そうか」と思えるようになったことが自分でも新鮮です。

少なくとも大人ならまず皆さんが納得するであろう例と、子どもはもしかするとこの方が納得しやすいかなという例です。これ以外にもこれまで使ってきた、若干無理矢理な力技の例などもあるのですが、この2つの例は自分でとても納得がいったので、もしもご自分のお子さんが「なんで負の数を引いたら正の数を足すことになるの?」という疑問で立ち止まってしまっているというような方がおられたらと、ちょっと自己満足でご紹介することにしました。

もちろん、世の中には素晴らしい方が星の数ほどおられますから、こんなのはとっくにどこかでどなたか別の方が説明しておられるかもしれませんが、その辺りはご容赦ください。

大人ならすんなり納得できそうなのは貯金を正の数で表し、借金を負の数で表す場合。

貯金が増える→正の数を足す→お金が増える。
貯金が減る→正の数を引く→お金が減る。
借金が増える→負の数を足す→お金が減る。
借金が減る→負の数を引く→お金が増える。(正確には増えるという表現かどうか微妙ですが。)

子どもが納得しやすいかもしれないのはテストの採点で1問ごとの得点を正の数、減点を負の数で表し、採点ミスがあった場合。

採点ミスを発見!先生に言いに行きました。
間違っているのに○になっていた。→得点が減る=減点が増える→正の数を引く=負の数を足す
合っているのに×になっていた。→得点が増える=減点が減る→正の数を足す=負の数を引く

ね、ちゃんと成り立ってますよね?(自己満足ですけど。。。)

でも、これを思いつく前の段階で数直線を見ながら、自分で妙に納得したことがあるんです。
増えるとか減るとかいうのは数直線のどっちに向かって進むかということで表せると思うのですが、負の数の側に立った場合、負の数が増えるということはよりマイナス側に進むということですよね。つまり、負の数を足すと数はより小さくなる。そして、負の数が減るということは、負の数にとって「減る」のだから進む方向はプラス側ということ、だから負の数を引くと数が大きくなるんだ~~!!と、本人的にはすごい発見をした気分でした。
心から納得♪って感じでしょうか。

少なくともこの感覚は「踊っていた中学生」にはとても納得がいったようです。
負の数の世界が入ってきても、ある程度、実感、納得させることが可能なんだなぁって、なんだかとっても嬉しいです。

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コメント

ご無沙汰していましたm(__)m
負の数の世界の話とってもよくわかりました。
私自身、ずっと機械的に計算していましたよ。
特に貯金の話はわかりやすいですね♪
なんだかとってもすっきりしました(^^)v
ありがとうございます☆

投稿: アロマぽっと | 2006年5月 9日 (火) 05時58分

ああ まさに今、我が家の中1の娘はこれで混乱中(本人はわかってるって と言っていますが)
授業では数直線で・・・となっているのでそれに囚われすぎな気がしてました。機械的には計算できて、するすると正解しているのですが理屈は怪しかったので これで母が説明できます!
ありがとうございます。

投稿: POKE | 2006年5月 9日 (火) 09時50分

あろまぽっとさんお久しぶりです♪
連休はいかがお過ごしでしたか?
かなり自己満足で自分が「あぁ、すっきり♪」って思ったので
つい書いてしまったんですけど、そう言って頂けると嬉しいです。
また何か発見したら書きますね。(懲りもせず。(笑))

投稿: TOH | 2006年5月 9日 (火) 21時38分

POKEさん初めまして♪(ですよね?もし忘れていたらお許しを。。。)
コメントありがとうございます♪
ささやかながらお役に立てたようで嬉しいです。
また何か発見(?)したら書かせてもらいますね。
これからもどうぞ宜しく。

投稿: TOH | 2006年5月 9日 (火) 21時42分

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