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2006年5月 6日 (土)

踊る中学生

教室を始めてからこの7月で丸3年になるのですが、これまでここで関わることができた中学生はみんな、中学生になってから来てくれた子達でした。

当然それまでに学校での指導やほかの塾などでの指導を受けてきた子達でしたから、私も基本ラインは過去、塾で指導してきたものを踏まえつつ、可能な範囲で「考えさせる」「イメージさせる」ということを取り込むという対応をしてきていました。

ですが、この春初めて小学生の間から見ていた子が中学生になり、継続して通ってくれることになりました。

自分の頭で考えるということを積み重ねてきた子達ですから、中学内容になった途端、その指導法を変える必要はありません。結局、中学生に対しても、新しい単元であろうと、まずは「考えてみて。」から入るスタイルが取れることになりました。
自分もまた新たに沢山考えなくてはいけないことができる訳ですが、そのしょっぱな、正負の数の計算で個人的に色々な発見をしています。

そちらはまた追々書かせて頂くつもりですが、今日は先日の嬉しかった出来事を書かせて頂くことにします。

実際、私自身中学生のとき、正負の数の計算を習ったとき、負の数を引くと正の数になるとか、負の数かける負の数は正の数であるとかということは理屈なんて考えることなく、機械的に暗記してそのまま覚えて使えるようになったという記憶しかありません。

ですから、これまで家庭教師や塾勤務時代に関わった中学生達には、いかに覚えてもらうかということに努力してきました。
マイナスとマイナスだったら棒が2本だからプラスになるとか、あれこれ説明をして、少しでも頭に残りやすくなればと思っていたのです。

ですが、大抵のものはちゃんと考えればわかるのです。機械的に暗記しなくても、例を挙げて説明することが可能だということに私自身ようやく気づき始めました。(正直言ってこれまで考える必要を感じなかったため、考えようとしたことがありませんでした。)

今、ある中1さんと正負の数の加減計算をしています。
私は彼女にまだ一度も「マイナスとマイナスだったらプラスになるんだよ」という説明をしたことがありません。
けれど、彼女はちゃんと考えて計算をしてくれます。

一番初めはプラスやマイナスの色々な数を書いたカードを用意しました。そのカードを適当にめくってもらい、その合計点が何点になるかたずねることを繰り返しました。
それに関しては、ノーヒントでもほぼ全く間違うことはありませんでした。実際、ゲームなどで「減点○点」というようなことは何度も目にしていることでしょうし、説明しなくても子ども達は感覚的に理解しているのです。

その後、数直線を用意して、スタート地点を決め、次の数を見せてその数直線のどちらに向かって動く数なのかを意識してもらうようにしました。
これに関しても殆ど助けは要りませんでした。

そういうことを繰り返した後、ただの計算問題(式だけの問題)に取り掛かってもらったところ、彼女がなんだか左右に揺れながら踊っているのです。
一瞬なんだろう?と思って彼女の手元を見ると、スタートの位置から右(正の方向)に行くのか左(負の方向)に行くのかを手を動かしてイメージしているのです。
なんだかおかしくって思わず笑ってしまったものの、こうやって考えてくれていれば、符号を逆につける心配は殆どしなくっていいなと、実はとっても嬉しかったのです。

ただ、さすがに学校でそれを習って、教室で踊ったら周りから何か言われそうだったので、頭の中で踊ってくれるよう頼んだところ、諦めて(?)指先だけの踊りに変更してくれました。(笑)

一体これの何が嬉しいんだ?って思われるかもしれませんね。
けど、機械的に暗記させられるより先に、大きさや方向をイメージしてくれていることが、私には本当にとっても嬉しい出来事だったのです。
彼女の姿を励みに、中学生にももっともっと考えてもらえるよう、私自身頑張って考えていこうと思っています。

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