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2006年5月14日 (日)

わかること・できること・使えること

この夏休みが来ると、自分の教室を始め、最初の子ども達を迎えてから3年になります。
伊藤先生の指導法にひと目惚れし、それまで考えていたのとは全くというほど違う教室を立ち上げることになったのですが、最近自分でときどき感じることがあります。

伊藤先生に出会ったとき、事前に私自身が沢山勉強しなくては、この指導法を活かせないなと考えていたところ、先生がおっしゃいました。

「実際に子どもがいないとわかりませんよ。先生も一緒に勉強するんですよ。」

実は石橋を叩いても叩いてもなかなか渡れない性格なのですが、伊藤先生の言葉のお蔭で数ヶ月の準備期間を経て教室をスタートさせることになりました。

正直言って、その段階で私ができることは、伊藤先生のところで見せて頂いたこと、お話を伺ったこと、指導用のビデオで学んだことをどれだけ「そのまま」再現できるか努力することだけでした。
いくらビデオなどで学んだところで、教具の操作の仕方などに長けることはできても、実際の生身の子どもへの対応がうまくなるわけではありません。それ自体は先生がおっしゃったように、子ども達を前にしてひとりひとりをしっかり見ながら、私自身が獲得していくしかないものでした。

幸いなことに、最も初期組の子はみんな予想以上に順調に伸びてくれました。このブログにもしばしば登場してくれている子達です。この指導法に関しては赤ちゃんだった私が実践してもこれだけの効果が出るということに改めて驚きもしましたが、やはりまだまだ赤ちゃんだったんだなぁと最近思うことがあります。

やっと私ももう少しで3歳になります。3歳なりに少しは成長したのかもしれないなと、子ども達を前にしながら感じることがあるのです。

初めは「教具は見せすぎてはいけない」とか「1回10枚が目安」とか、その他にも先生やビデオなどから得た「知識」をいかに忠実に実行するかということをすごく意識していましたが、そのせいで辛い思いをさせてしまった子もいたように思うのです。

最初の子達がこの程度見せたらスラスラできるようになったから、他の子もこのぐらいでいいんじゃないかとか、どこか画一的に考えてしまうようなところがあったり、その日子どもの調子が悪かったり、内容が難しかったりしてプリントが5枚ぐらいしか進みそうになかったら、すぐできそうなものなどをやらせて枚数の満足感を与えることに必死になったり。

だけど、遅いと言われるかもしれませんが、最近ようやく頭で理解した知識を使うのではなく、心で感じ、体で覚えたことを行動に移せるようになってきたように思うのです。
「石の上にも3年」ではありませんが、ようやく自分の中にほんの少し染み込んできたかなと感じることがあります。それでもまだ「ほんの少し」なのですが。

結局、最も大切にすべきことは子どもの状態であって、プリントの枚数でもなければ、決められた指導法でもないのだと思います。もちろん、素晴らしい指導法があっても、それを活かさなければ満足いく成果は出ないでしょうし、ベースはもちろんきちんとあるのです。その上で応用できるようになってきたかなと。

要するに、これまでの期間で私は基本問題を沢山解いて、それはある程度確実に身につけられたのではないかと思います。そして、その基本をベースに、応用問題にも自分なりの考え方で取り組んでいけるようになったのかもしれない。そんな感覚です。

よく「わかる」と「できる」は違うと言われますが、子どもに限らず私自身がそのことをしみじみと感じています。更に、「できる」にも段階があるんだなと、そうも感じています。
教具の使い方はビデオを見たら「わかり」ました。その後、初期組の子達とレッスンをしながら、教具を使うことは「できる」ようになりました。けれど、その教具を「活かす」ことはその頃の私にはできていなかったと思いますし、今でもやっと伊藤先生の足元に及んだかどうかというぐらいだろうなとも思いますが、やっと私自身が「使える」ようになってきたのではないかなと思っています。

結局は伊藤先生が最初におっしゃったように、実際の子ども達を前にして試行錯誤をし、私自身が体得する以外、いくら学んで知識を増やしたところで望ましい指導ができるようになることはなかったんだろうと思います。

子ども達と共に、私もまだまだ学んで、成長して行きたい。そう思っています。

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