分子と分母
昨日のレッスンでの出来事。
私はレッスンのとき、極力「説明」を控え、子ども自身に考え、発見してもらうきっかけを与えられるよう心がけているのですが(といっても、それもなかなか難しく、まだまだ修行の身ですが。)、簡単なことで言えば、分数の分子と分母について初めてその言葉に出会う子達にはまず尋ねてみることにしています。
「このどっちかが分子でどっちかが分母なんだけど、どっちがどっちだと思う?」
子や母という漢字を知っている子であれば、そう尋ねられると必ず子どもなりに考えてくれます。そして、これまでのところ尋ねた子全員が「上が分子で下が分母」と答えてくれています。(初めの頃はお母さんが子どもを負ぶっているから上が子どもで下がお母さんなんだと説明してしまっていたこともありますが。。。)
で、理由を聞くとそれなりに答えてくれるのですが、昨日ちょっと面白いことがありました。
いつものようにどちらがどちらと思うか尋ねると、「下が分母」と答えてくれた4年生。理由を尋ねると
「こっちの方が大きいから。」
と答えてくれました。確かに、そのとき渡していたプリントにはまだ真分数しか出てきておらず、全て下の数の方が大きかったのです。
そこで、ひとつ仮分数を書いて、これならどっちだと思うか尋ねてみました。すると、なんのためらいもなく
「ん?こっち。」
と上の数を指差しました。
「そっか。大きい方が分母で小さい方が分子やねんね?じゃあ、そのときどきで分子と分母は変わるんやね?」
そう尋ねると、彼は頷きます。今思えば、そこで分子と分母が同じ数のものを書いてもう一度尋ねてみてもよかったなと思いますが、これまでになかったパターンだったので、とっさには思いつきませんでした。
けれど、「大きい方がお母さん」という考え方はとても有効だと思っていて、本来お母さんが大きくなければおかしいのに、子どもの方が大きくなっているものは「仮の姿」だから「仮分数」というし、お母さんの方が大きいのが「真の姿」だから「真分数」と呼ぶのだと、言葉の意味から理解させていくことがより簡単になると思うのです。
分子・分母は簡単なので説明をしたところで大抵の子はすぐに覚えてくれるとは思います。
だとしても、「上の数字を分子、下の数字を分母と言います。」と説明されたら、子どもによっては漢字の意味さえ考えずに通り過ぎてしまう子だっていると思いますし、中には忘れてどっちがどっちだったかわからなくなる子だっていないとは限りません。
それをまず子ども自身に予想させることで「覚える作業」ではなくなると思うのです。
これは小さな例ですが、色々なことに活かせると思っています。これからもまたご紹介させて頂く予定です。
因みに。。。「大きい=背が高い」ととらえ、上が分母という意見が出る可能性はあるかなぁと思ったりはするのですが、万一「上から押さえつけてるから上が分母!」とかいう答えが出た場合はうまくフォローし切れるかどうか自信がありませんので、その点はどうぞご了承ください。(苦笑)
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