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2006年3月13日 (月)

あるひと言

避難用(?)に立ち上げたアメブロで読者になってくださった方がコメントをくださった。
奇しくもその方は間もなく、私が危険視している機械的プリント反復教室を始められる方だそうだ。

その方がくださったコメントに「批判があるのは知っているが、どんな指導法にもいい面と悪い面があるはずで、いい面も探してみてほしい」という趣旨のことが書かれていた。

なんだかまた違和感を感じた。
もちろん、その方はまだどんぐりの存在もこだま先生のブログの存在も、当然伊藤先生のこともご存知ないようだったので、もしそれを読まれたら何か意識が変わられるのかもしれないけれど、少なくとも私はこれまで「機械的プリント反復教室」のことを「批判」したつもりはないのだ。

高学年以上なら一定の効果があるのかもしれないと、以前から書いているつもりだし、もちろん、低学年の子だって、100人が100人みんな悪影響があるかどうかはわからない。

ただ、危険性が極めて高いと言っているに過ぎないのだ。

例えば、極めて毒性の高い食品があったとして、それは食べたら美味しいのだとしよう。
では、
「その食品の短所は毒性が高いことで、長所は美味しいことです。」
そう答えていいものだろうか?

「美味しいけど、食べたら死ぬかもしれないよ?」
そう言われて、それを食べる人はどのぐらいいるのだろう。

私は批判をしているつもりはない。
これまで自分が出会ってきた生身の子ども達を見ていると、尊敬する先生方がおっしゃっていることと合致することが極めて多く、その結果、少なくとも幼児・低学年期に大量の機械的反復をさせたら、考える力が潰されてしまう可能性が極めて高いと思われるという、私が今感じている事実を述べているに過ぎないのだ。

これは批判なのだろうか?

「この食品は毒性が高いですよ。」

そういうことが批判なんだったら、私がしていることも批判だろう。
だけど、やっぱり私はそうは思えない。

もちろん、私が感じていることとは違うことを感じている人だって世の中に沢山存在することもわかるし、自分が絶対正しいとも思っていない。
ただ、何度も言うが、毒性が高いかもしれない食べ物があれば、それが危険かもしれないという段階でアナウンスされるべきではないか?
知らされないことの方が余程恐くないか?
BSEだってなんだって、知らされた上で食べる人は食べればいいと思う。それは個人の選択の自由だ。けれど、知らないうちに食べているのは恐ろしいことではないのか?

コメントをくださった方は何の悪気もないことはわかっている。それどころか、きっと子どものことを一所懸命考えて、やる気や希望に燃えておられるに違いない。そんな人が世の中に沢山いるのだ。その人たちのどれだけが幼児・低学年期の機械的反復の危険性を把握しているんだろうか。

とにかく知ってもらいたいだけなのだ。
情報のひとつとして真剣に耳を傾け、その上でやはり自分はその意見には共感できないし、それを否定できるだけの実績や成果があるという方はそれでいいと思う。
「危険らしいけど、うちの子は絶対大丈夫よ。もし大丈夫じゃなくても、私が責任を持つわ。」そんな覚悟のある方もそれでいいと思う。

うまく言えないが、ただ私は、いいものはいい。危険なものは危険。それを伝えているだけなのだと、改めて言いたい。

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コメント

多くの方に知っていただきたいです。
大切な子ども達のために。
響く方にはとてもよく響くのですが・・・難しいですね。
でも、私もあきらめずに、伝えていきます。今、気付けなくても、いつか気付いてくれるかもしれませんから。

投稿: アロマぽっと | 2006年3月13日 (月) 20時33分

まったく同感です。真実は真実として語られるべき。

まず真実ありきで、その事実への評価は各自の責任です。

投稿: Mr. Hot Cake | 2006年3月13日 (月) 22時35分

いつもそうですが、誰かが何か言ったことを、本当にそのまま受け取ってくれる人もいれば、自分というフィルターを通して自分なりの解釈をしてしまう人もいますよね。相手のことをよく知らなければ尚更。ネットを通して意見を言うことの難しさについて改めて考えさせられました。

投稿: えくぼ | 2006年3月14日 (火) 00時15分

アロマぽっとさん>
そうですよね、本当に。
実際にお子さんに悪影響が出てから後悔して、他の方に
「やめたほうがいいよ」って言ってくださる方もいるのですが、
できればそうなる前に知っておいてほしいですよね。みんなにためにも。
諦めずにひとりずつ伝えていきましょうね。

Mr.HotCakeさん>
知らない、知らされないっていうのは、その方がいい場合もありますけど、
子どもの教育に関しては絶対それはないような気がします。
千里の道も一歩からのつもりで諦めずに頑張ります。

えくぼさん>
文字だけ、それも機械の活字だけで思いをきちんと伝えるのは至難の業ですよね。
笑って書いているのか、怒って書いているのかは文字からはわかりませんし。
私の言葉も知らず知らずのうちに攻撃的になっているのかもしれません。
なるべく気をつけたいと思います。。。

投稿: TOH | 2006年3月14日 (火) 04時26分

むずかしいですね。
仮説(仮定)上での話だからじゃないかな?

極端にいえば、UFOがどうのこうのとか、霊がどうのこうのとか(極端ですよ、極端)みたいに仮説(仮定)を立てて進めていくしかないのでは?

うううん、ほんとむずかしい。

あっそれと僕は森下事務所の森下でーす。
前のコメントではわからなかったみたいなので。。^^

投稿: 惣助 | 2006年3月14日 (火) 10時41分

惣介先生こんにちは。
すいません、前回からわかってましたよ。(笑)
ただ。。。初めましての後の?にカッコをつけるのを忘れました。(笑)
普段とハンドルも違ったので、もしものことも考えてみました。(大袈裟。。。)

UFOとか霊とかって、私もそう思いますよ。
機械的反復の影響や考える学習の効果が科学的に立証できたら
こんなに簡単なことはないのにって。。。
でも、コツコツ頑張るのです!諦めませんよ~。

投稿: TOH | 2006年3月14日 (火) 11時14分

 私もその反復をさせていた一人です。(二女)子供には向いていないことに気がついたので、辞めますが・・・・。ある一部の(図形や想像力など他の能力もかなり早熟の天才型)賢いお子さんや、中学年以降に計算力補強の意味では(算数だけしか知りませんが)役に立つように感じました。百マスでもそうなんですが、年令・本人の成熟度など、微妙なところで向き不向きがあるので、安易にみんなに「やっててよかった」とは、言い切れないように思います。親が冷静に子供の現在の姿・状況・状態が客観視できればいいのですが、これが、なかなかむずかしいです。
 

投稿: kanachan | 2006年3月14日 (火) 13時55分

kanachanさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
それぞれのお子さんを冷静に見てというのは大事だけどなかなか難しいことなのでしょうね。
特に親子だと近すぎて見えないこともあるのかもしれませんし。
けど、そうやって真剣に考えてくださるお母さんがおられて、お子さん達は幸せですね♪

投稿: TOH | 2006年3月15日 (水) 02時51分

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