« ちょっとしたこと | トップページ | よかったよかった。 »

2006年3月20日 (月)

卒業論文(2)

先日の続きです。
こんなよいお天気の日にこの記事もどうかなと思いながら(気分的にもっと明るく楽しい記事を書きたい。。。)、書いておかないと、そのまま忘れてしまいそうですので。。。(苦笑)

更に、国語の授業を「定石化」するには、全てにおいて予想のできる発問をしなければならないわけですから、子どもの自由な発想、意見は求められることはなくなるでしょう。内容から確実に読み取れる表面的なことだけを押さえた授業展開になっていくのは容易に予想がつくことです。

ですから、私が卒論を書いている間にも確か西郷竹彦先生だったかと思いますが、法則化運動のメンバーによる文学の授業についての批判本を2冊出され、そのほかにも、記憶にある限りでは色々な先生方から国語の分野に対する批判が多く出されたように思います。

その後私は一般企業に就職し、教育の世界からしばらく離れていたので、運動がどうなっていったのか知りませんでした。(詳しいことは知りませんが、今ではTOSSとしてすっかり定着しているようですね。)

そして、今は陰山先生の100マス計算、漢字前倒し学習、音読などの実践が大流行です。
法則化と陰山メソッドの異なる点は、一方は授業する教師の側しか直接使えないものが殆どだったということもあり、学校という限られた場所でのみの流行に留まったところが多いのに対し、(学校というのは子どもにとっては生活の大きな部分を占めている訳ですが。)他方は、家庭でもやれる部分のみ切り取られたような状態で、学校だけでなく家庭にまで広がっているということでしょう。
どちらの方が影響が大きいかは言わずもがなです。

何度も言うように、小学校の先生方は何かとお忙しい。おまけに、昔と違い、何か少しでも問題(問題とも言えないようなことも多々あると思いますし)を起こせば、すぐに保護者が乗り込んできたり、教育委員会に連絡されたりと、身動きが取りづらくなっているのも事実でしょう。

だったら、手軽にできて効果がある(らしい)と言われるもの、世に広く知られているものを使っておけば、うるさいことは言われずに済むだろう。。。そんな気持ちになったとしても仕方ないことなのかもしれません。(とても悲しいことですが。)

恩師が私に言った言葉が思い出されます。

「おまえは教師にならん方がええんかもしれん。学校もだんだん住みにくくなってるからなぁ。。。」

やる気や熱意がある先生達は居心地の悪い場所。そんな先生達は体を壊すか、心を壊すかしてしまうような場所。今の学校はそんな場所になりつつあるのだとしたら、学校の行き着く先は恐ろしい世界です。

現に、私はもともと子どもたちが大好きで中学校教師を目指していました。その夢に一切の迷いはありませんでした。けれど、恩師の言葉や実際に社会に出てみたことで見えてきたものがあり、自分の目指すものは学校では実現できないと感じたため、その道を選ぶのはやめました。

きっと、子どものことを真剣に考えている人の中には、そんな人も少なくないと思うのです。
「真剣に考えるからこそ先生になれない。」
それが意味するところは・・・・・・。

|

« ちょっとしたこと | トップページ | よかったよかった。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 卒業論文(2):

« ちょっとしたこと | トップページ | よかったよかった。 »