家庭でできる大切なこと
ブログ経由で小学生のお母さんから質問を頂きました。
そのお返事を打ちながら、そうだ!皆さんにお伝えしよう!と思ったことがあります。
既に何かでそういうものを読まれたり、聞かれたりして、実践されているご家庭もあるかと思いますが、特に意識したことがなかったというご家庭では是非オススメしたいことです。
オススメというか。。。正しくは、お子さんがその単元の学習で苦手意識を持たないで済むために家庭で心がけられる簡単なことのご紹介というのが正しいでしょうか。
低学年の間の学習で、苦手に感じるお子さんが多いところに「長さ」「嵩(リットル・デシリットル・ミリリットル)」「重さ」「時間」の単元があります。
それに関しては配当学年などが変わったりしましたが、私達が子どもの頃からずっとあります。これからもなくなることはないでしょう。
私の記憶では小学1年生のときにリットルとデシリットルを習ったような気がするのですが(実際はどうだったかわかりませんが、1と10の換算みたいなものなので、1年生で学習したのかなぁと思っていました。)今は3年生で学習しますね。
時間計算に関しては、私達の頃は時間計算の筆算も習った気がしますが、最近は簡単なものしかやっていないような印象です。
重さにしろ、長さにしろ、さらっと簡単なことだけをやっているような印象を受けるのですが、それでも苦手な子が多い。それはなぜかと考えてみたのですが、理由のひとつ(ふたつ)におうちにある道具が何でも便利になり過ぎたこととお子さんにお手伝いをさせることが少なくなったことがあるのではないかと思ったりするのです。
以前、レッスンで重さの勉強をしていたとき、絵に描かれた秤の目盛りがあまりにも読めない子がいたので、「おうちで色んなものを量ってみてね」と言ったところ、お迎えに来られていたお母さんがひと言。
「うちの秤はデジタルなんです。。。」
そうか。。。最近はキッチン秤も体重計も、それこそ時計だってデジタルのものが増えているんだ。。。そう言われて改めて気づきました。
おうちにデジタル表示の時計があれば、数字さえ読めるようになればすぐに時間はわかるようになります。それを見ればわかるのであれば、わざわざよくわからないアナログの文字盤を見て時間を考えようとする機会は自然と減るでしょう。
体重を量るときだって、それがデジタル表示であれば、針がどこを指しているから何キロかなんて考える必要がありません。見たまんまが自分の体重なのですから。
生活の中で文字盤と針で量を表しているものを目にする機会が減れば減るほど、子どもにとってはそれが難しいものに感じられるのは至って自然なことだと思います。
リットル・デシリットル・ミリリットルだってそうです。普段の生活ではよほど何か意識しない限り、デシリットルの表示を使うことはないでしょう。ジュースだってなんだって、リットルとミリリットルだけで表示されていますから。
おまけに、それが表示されていたところで、意識しなければ何も頭には残らない。仮にお料理などを手伝ってくれるお子さんだとしても、お料理の計量カップや計量スプーンは「cc」の表示だったりもしますしね。
普段、意識したこともないものを学校でいきなり教科書を使って説明されても、実感できないのは当然ですし、「難しい」、「苦手だ」と思うのも自然なことです。
とにかく、量の問題が苦手なのは、実生活でそれを意識することが減っていることも大きな理由だと思うのです。
ですから、小さいお子さんがおられるおうちでは、多少不便でもなるべくアナログ表示の時計や秤を使い、リットルますやデシリットルます、ものさしや長めの巻尺なども用意したりもして、日頃からそれに触れる生活をさせてあげてほしいのです。
「教えよう!」、「覚えさせよう!」と気負うのではなく、日常生活の中で無理なく、「〇〇ちゃん、今何時?」とか「あと何分で〇時になる?」とか、自然とお子さんに時計を見せる機会を増やしてみたり、お料理のお手伝いをしてもらいながら、「これを〇〇グラム量ってちょうだい」とか、「お水を〇デシリットルここに入れてくれる?」とか、そんな機会を作ってみたりしてもらえたらなと思うのです。
初めはリットルやデシリットルは覚えられないかもしれませんから、ますに大きくカタカナと単位両方を書いておいたりしてもいいかもしれません。
既に家で何度も目にしているものを学校で習うとなると、それだけでもかなり心理的に楽になるのではないかと思いますから。
長さも、色んなものの長さを測ってみたり、測り慣れてきたら、ものの長さを予想して当てっこしたりしてみてもいいですよね。
当てっこというのであれば、例えばコップにどのぐらい水が入りそうだとか、洗面器にはどうとか、場合によってはバスタブにはリットルますで何杯ぐらい入るかとか、そんなことも予想して確かめてみたりというのもいいですね。重さでもそんなことはできそうです。
そうやって実感することは多分とてもとても大切で、机に向かって沢山問題を解いても身につかないことをしっかりと記憶に残してくれるはずです。
教室では、もちろんできる範囲では実感してもらうのですが、やはりどうしても限られた時間ですし、心ゆくまでというわけにはなかなか行きません。
それに、一般の塾や教室では具体物を使って実感させながらというところは、そう多くはないのではないかと思います。
反復による暗記で無理矢理定着させた知識は生きた知恵になかなかなりにくいものです。けれど、実生活を通して学んだことは必ずお子さんの本当の力になるはずです。
これまで意識しておられなかった方は、お子さんのためにも少し心がけて頂けると嬉しいです。
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コメント
最近になって、数字を実感させることは、とっても大事だと気がつきました。上の娘の時は、こういうことが思いつかなかったんですよ。その反省から、お料理をするときとかに意識的にアナログの秤を用意していろんなものを量っています。
ある時はものさし探険隊と名前をつけて、ものさしや巻尺をつかって、手の大きさや、身長、机の長さやら、いろんなものの長さを調べました。量っているうちに、だんだん長さを予測できるようになって、誰が一番近い数字になるか何てこともやってます。
またある時は牛乳パックはコップ何倍分になるのかとか、パパの大好きなビールはコップでどれくらいとかetc.、とっても楽しそうに遊んでいました。
子どもってこういうことが大好きですよね。
巻尺をポケットに潜ませ、車のボディの長さなんかもはかっていましたよ(笑)
きっかけを作ってあげると、どんどん遊びが広がっていくというのかな?すごいですよね。
遊びながら学べちゃうって最高ですね。
投稿: アロマぽっと | 2006年3月 9日 (木) 05時58分
ほんとそうですね。
先日、3年生のお母さんにこのような趣旨のお手紙を渡しました。
そうしたら目が覚めたように、時計がわかるようになりました。
7時まであと何分?とか40分たったら何時になる?などです。
先生、またいろいろ教えてくださいね。
投稿: 惣助 | 2006年3月 9日 (木) 09時18分
やっとコメントにお返事ができます。。。
30時間は長すぎます、さすがに。。。
アロマぽっとさん>
お子さん達、幸せですね。
みんながご家庭でもっともっとそんな風にしてくださったら
これらの学習が苦手な子はうんと少なくなる気がしますよね。
惣助さん>
初めまして? コメントありがとうございます。
ご家庭での何気ない働きかけってすごく大切なんですよね。
私は子どももいませんから、あんまりえらそうなことは言えないん
ですけど。(苦笑)
こちらこそこれからもどうぞよろしくです。
投稿: TOH | 2006年3月10日 (金) 20時28分