ここにも。。。
去年の11月頃から来てくれるようになった子達がいます。大手の中学受験塾が合わなくてということで来てくれるようになりました。
彼らは二卵性の双子。顔も体型も全く違うけれど、本当に素直で無邪気で可愛い子達です。
来てくれた当初は正直言ってかなりの学力差を感じました。(以前、割合のことでブログを書いた子達です。)けれど、時が経つにつれ、最初不安だった子の方がどんどん安定して、じっくり考えられるようになってきました。
それに反して、最初は自信を持っていたはずの子の危険な状態が徐々に表面化し始めたのです。
彼は式さえ分かれば計算は速い。学校などで習った直後のことはかなりできる。だから、自分が「自分の頭で考えていない」ということに気づいていないようです。
これまで何度も「これ割るん?」とか問題を読んだ瞬間「わからん。」とか「ヒント教えて。」とか、そんなことを言うたび、なるべく突き放し、最小限のヒントに留め、少しでも考えてくれるよう働きかけてきました。
実際、もうひとりの彼にもそうしていましたので、本当なら2人に同じような効果が出てもいいはずです。なにしろ双子ちゃんですし。
生まれたときも育てられ方もほぼ同じだったはず。なのになぜこんな状態なんだろう?と思っていました。
その理由が今日分かりました。。。
彼らは小1の頃から機械的反復プリント学習塾に行っていたそうです。そして、そこではひとりはかなり進んでいて、もうひとりは苦戦していたそうなのです。
かなり進んでいた彼は有名受験塾にもある程度の間通い続けたそうです。そしてもうひとりの子は早い時期にリタイヤしたと。。。
今この子達とレッスンをしていて感じるのは、プリント学習で苦戦し、受験塾にも早々にリタイヤした彼の方が明らかに頭が柔らかく、イメージすることもできているということ。この子に関してはあまり心配をしておらず、今後十分伸びるだろうと思っています。
しかし。。。もうひとりの彼は、せっかくこれまで頑張ってきたのに、それが仇となっているのです。。。もちろんそれは彼には言えませんが。。。
本当に悲しいことです。
同じ家で同じように育った子のこの差も、単に素質や能力の差という人もいるのでしょう。
けれど私にはそうは思えません。
反復に耐えた子の方がこれまでずっと塾や学校での成績はよかったようですから、もしかすると資質的にはその子の方がより伸びるものがあったのかもしれないのです。それなのに。。。
「考えてみて」という言葉に彼はきょとんとします。
「絵を描いてみて」と言っても、しばしば問題を踏まえない絵を描きます。
けれど、もうひとりの子は短期間でかなり考えられるようにも、描けるようになってきました。少しずつイメージできるようになっているのを感じます。
もちろん、彼が諦めない限り、私は諦めません。ごく僅かながら、変化の兆しは見え始めているようにも感じます。初めの一歩は時間がかかるかもしれませんが、とにかくその一歩を彼自身の力で踏み出してもらえるようできる限りのことはしようと思います。
ただ、やはり皆さんにお願いしたいのです。
何度も何度も言いますが、とにかく幼児・低学年期に単純計算の大量な機械的反復学習はさせないでください。
本当に心からお願い致します。
| 固定リンク
コメント
こだま先生のブログから飛んできました。
3時間かけてこの過去ログと読書感想ブログ今拝見し終わりました。私の名前も出てきてびっくりですm(_ _)m
こだま先生が読書感想ブログでコメントに書かれた“同志”というお言葉、よくわかります。
「割合」も読みました。今日のブログにもありましたとおり、表面のちょっとした良さに幻惑されて大切なものを失っている、気づいていただくまでの活動は大変ですね。でもみんなでやりましょう。
よろしくお願いします。
投稿: Mr. Hot Cake | 2006年2月15日 (水) 22時30分
コメントありがとうございます。
大大大感激です!!
嘘じゃなくって本当のホントに、昨日先生のメルマガを
拝読して、思い切ってメールを差し上げようかとかなり
迷っていたんです。
けど。。。昨日は睡魔に襲われて。。。(苦笑)
本当にとっても嬉しいです。今後共宜しくご鞭撻下さい
ますようお願い申し上げます。
投稿: willseeds | 2006年2月16日 (木) 01時50分