最近の事件に思う(1)
先日、なんとなくつけていたテレビから聞こえたニュース。それまでの経緯やらはよく知らないのだけれど、ネットで自分の親の殺人を依頼した息子が逮捕され、次いで孫も逮捕されたという。
親に働かずにいることをとがめられたことが原因ではないかみたいなニュースだったのだけれど、なんともやり切れない気持ちになった。
孫と言ってもどうやら成人している大人のようだったし(年齢を確認していないのですが)、要するに亡くなられた方はそれなりのご高齢だったということでしょう。
働いていて当然という年齢の息子と孫が働かずにいて、それをとがめられたから殺人に走った。
悪いのは誰でしょう。。。
もちろん、実の親、祖父を殺害するに至った、加害者が悪いというのは当然なのでしょう。
日本の法律では尊属殺人と言って、罪が重いようなことを聞いたような気もします。(違っていたらごめんなさい。。。)
ただ、普通の感覚ではあり得ないことです。いい歳した大人が仕事もせず生活できる環境があったということでしょう。そして、少なくともそれを許してきたのでしょう。
働いていない人に、成人した息子がいるということ自体私にはかなりの違和感がありますが、要はそれなりの資産がおありだったということなのかもしれません。
しかし、少なくとも、子育てには失敗した。
お金はあったのかもしれないけれど、かけるべき愛情を間違った。
そう言わざるを得ないのではないかと思ったりするのです。
もちろん、亡くなった方はお気の毒です。何も知らないので、もしかすると色々な働きかけをされていたかもしれません。それでも、少なくともその方の子育ての結果ということは、悲しいけれど事実です。
そしてまた思います。。。
幸せとは何なのだろうと。
親を殺した息子にとって、親はお金をくれる人だったのでしょうか?自分の言うことに従ってくれる人だったのでしょうか?
「親を殺す」
普通なら絶対に考えられないことです。少なくとも、親に愛情を注がれて育った子が大人になって、嫌なことを言われたから親を殺そうと思うとは到底思えないのです。
伊藤先生に初めてお会いしたとき、先生はおっしゃいました。
「視野の狭い人間が犯罪者になる」
と。
もちろん、多少極論過ぎる面はあるかとは思います。けれど先生がおっしゃった、「広い視野を持たない人間が犯罪者になる。広い視野を持てる人間は犯罪者にはならない。」ということはある意味で真実を突いていると思うのです。
犯罪にも色々ありますが、少なくとも「殺人」を犯すような人に「広い視野」があるとは思えません。
少し冷静になって周囲を見渡すことさえできれば、そんな行動にはでないと思うのです。
また、大人からの愛情を受けて育った子どもは他者を傷つけようなどと考えるようになるとも思えないのです。
以前、多分岸本裕史先生が書かれていたのではと思うのですが、親が子を殺すのと子が親を殺すのはどちらの方が罪深いかということ。
法律では尊属殺人ということで後者の方が罪が重いそうですが、動物として後者はあり得ないことなのだというようなことを書いておられたように思います。
その理由は、種の保存。子どもを殺すということは、子孫が絶えることに繋がると。
どんな動物も、いかに種を残していくか、絶滅せずに生きていくかがもっとも重視されることで、産卵をするとそれで命を終えてしまう生き物だっているということからも明らかなことです。
だから、親が子を殺すのは本来動物としてあり得ない異常なことなのだそうです。(結構納得します。)
そして、子は親が育てたように育つ。そんな思いを強くしている今、やはり子が親を殺す方がまだかろうじて理解できるのです。
大袈裟に思う方もおられるかもしれません。けれど、勉強だけをさせていて将来犯罪者になったらどうしますか?それでも親も子も幸せなのでしょうか?そんなときにはどんな学歴も職歴も無意味です。
勉強はできないよりできる方がいい。それは否定しません。
ただ、心を潰してまで勉強させる意味は絶対にないと、私は強く思っています。
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