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2005年12月 7日 (水)

「思い」の力

多くの方が著書やメディア、ブログ上などでも同様のことを述べておられますが、
「言葉にすること」「意思表示すること」「決意表明すること」
それらには必ず力があると私も感じています。

「言霊」という言葉がありますが、言葉には力があるというのは本当だと思いますし、また、心を込めて発した言葉は必ず相手に何か響く、逆もまた然りというのもその通りだと思っています。

また、言葉にしなくても、自分の中で強く思うことで、思ったことが実現するし、思ったことしか実現しないという考えにも同感です。

そんな風に思うようになったのにはいくつかの出来事があるのですが、これまで、弱気だったり迷ったりしている受験生などに時々話してきたお話を今日はひとつご紹介しようと思います。

強い信念の下、夢を叶えた彼のことは先日ご紹介しましたが、今日は勤めていた塾で最後に送り出した受験生たちのお話。

小さな塾でしたが、その年は中3生が20人ほどいました。中学校で常に学年5番以内という子、上位10%を常にキープしている子、そんな子達から、かなり厳しい成績の子までバラエティーに富んだ学年でした。

上位クラスでも下位クラスでも印象深い、両極の出来事がありました。

上位クラスのある子は、学区の一番手校の受験を希望していました。
彼女は3年になって北陸から転校してきたため社会などの進度が違い、転校前は学年トップクラスを常に維持していたようなのですが、こちらでは思うようにその位置を取ることができませんでした。

感情表現がストレートで、わからないとてきめんに不機嫌な態度になるくせに、しばらくすると必ずわかってニコニコ顔になる可愛い子でしたが、もしかすると「すぐ不機嫌になる」方だけ担任の印象に残ってしまったのか、担任との相性は最悪の状態でした。

進路指導のときにもかなり厳しいことを言われ続けたようです。私が信じられなかったのはその子とお母さんを前に、担任が「お前が受けても絶対落ちる。だから受けさせない。」というようなことを口にしたそうです。

正直なところ、テストの成績や普段の力を見ている限り、合格確率は悪くても五分五分という印象の彼女に「絶対落ちる」とまで言い切った担任は私にはちょっと理解できませんし、それでなくても受験が近づいてきて、ナイーブになっている子供に向かって、そんな無神経な表現は本当に腹が立ちました。

けれど、彼女は強かった。人目も気にせず泣きながらその話を聞かせてくれた彼女はきっぱりと言い切りました。
「絶対受ける!なんて言われても絶対受けて合格してやる!」

志望を変えなかった彼女に担任は最後までひどい態度をとり続けたようです。けれど、彼女には高校進学のその先にまだ目標があったのです、「お医者さんになりたい」という。その夢の実現のためには彼女はどうしても一番手校に行きたかったのです。

彼女は頑張りました。しかし、併願で受けた私立も第1志望のコースより2つ下のコースにしか受かりませんでした。彼女はまたショックを受け、ほんの一瞬くじけそうになりましたが、必死で自分を奮い立たせ、自分の決めた第1志望の公立校を受験しました。

結果は無事合格。

もちろん勉強も頑張りましたが、あの意志の強さがなければきっと叶わなかったのではないかと思っています。

そして、こんなこともありました。

下位クラスで、とにかく自分に自信がなく、常に「俺なんてあかん。」「俺はダメや。」そんなことばかり口にする子がいました。

この子は小さい頃から、悪いことをすると泣くまで徹底的に叱られていたようです。この子のお母さんは明るくて素敵な方なのですが、その育て方には少し問題があったのではないかなと思っています。

母親から認めてもらえないという気持ちを抱いて育った彼は、何をしても自分に自信が持てません。真面目に勉強に取り組んでいましたし、成績は中の上あたりでしたから、彼の力なら志望校にはまず通るだろうと思っていました。

正直なところ、あれだけ真面目にやっている割には伸び悩んでいる感はありました。それでも志望校は実力相応の学校でしたから、周囲もそう心配はしていなかったと思います。

ただ、私がずっと気にして、何度も何度も言ったことは「俺なんてあかん」「どうせ俺なんて」という口癖をやめるようにということでした。
そんなことばっかり言ってたら絶対よくないし、あなたはちゃんとできているのだからと、何度も言い聞かせたのですが、幼い頃から刷り込まれたコンプレックスは、そのぐらいでは消すことができませんでした。

結果、彼は志望校には通えませんでした。

彼に関しては「努力不足」とは思えませんし、持っていた学力が足りなかったわけでもないと思っています。
それはやはり「言葉の力」、「思いの力」が残念な結果をもたらしてしまったのではないかと今でもそう思っています。

いずれ書かせて頂こうと思っていますが、私自身、志望の教育学部に合格できたのは思いの力に他ならないと思っています。

試験が近づいてくると、不安にならない人なんてまずいないでしょう。
そのときに、不安な言葉じゃなく、自信のある言葉を口にする。不安になったら、楽しいことを考える。無理してでもそうすることは、きっとムダにはならないはず。

強く願えば、そして、その願いが自分にとって本当に叶えるべき価値のあるものであるなら、それはきっと叶うのです。

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