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2005年12月 3日 (土)

子どもの夢

自分の記憶にある一番最初に抱いた夢は4歳のときの「おもちゃ屋さんになりたい」だった。
なぜおもちゃ屋さんだったのかにははっきりとした理由がある。その頃私はものを包むのが好きだった。幼い私にとって、ものを包んでくれるのは「おもちゃ屋さん」だったのだ。だからそれが私の夢になった。

次に覚えているのは、小学4年の頃。「お習字の先生になりたい」だった。その理由は至って単純で、習っていたお習字が楽しかったことと、その先生が優しかったこと。それだけだったんじゃないかと思う。

中学に入り、今では思い出すのも恥ずかしいような、詩とも言えないような詩を書き始めた私の夢は「もの書きになること」に変わった。詩人かエッセイストになりたい。そんなことを思っていた。

そして、中学3年になる頃、私の夢は「中学の先生になること」と「デザイナーになること」に変わった。夢だから何を思ってもいい訳で、その両方がそれからずっと私の中で夢であり続けた。

今思えば、正確には「デザイナー」ではなくてもよくて、クリエイターもしくは職人になりたかったんだと思う。とにかく「作る仕事」がしたいということを思っていた。

そして、それらの夢は揺らぐことなく私の心にあり続け、そのまま大人になった。
私の夢はほんの少し形を変え、自分の教室で子ども達と一緒に勉強をし、教具を作ったり、趣味でものづくりをしたりしている。

私には今の仕事以外に何も他にしたい仕事がない。
もしもこの仕事ができなくなったらどうするだろう。。。そんなことを考えたこともあるけど、やっぱり何にも思いつかない。

夢を見つけられたこと。持ち続けられたこと。どちらも私には当たり前で意識もしなかった。だけど、今の子ども達を見ていると、私はとてもとても幸せだったのかもしれないと思ったりもする。

すごい同級生がいた。
中学時代、彼は何度も言っていた、将来はローランドで働くと。15歳のときに会社まで決めた具体的な夢を持っていた彼。だけど誰もが恐らく気にも留めていなかった。

卒業後、ほとんど会うこともなく、私は大学生になっていた。
ある日電車で偶然、その彼に再会した。中学卒業後、国立高専に進んだ彼は、私達より一足先に社会人になっていた。

「こういうものです。」

差し出された名刺にはローランドの文字。
かっこいい。心からそう思った。

塾に勤めていた頃、一番最初に送り出した受験生の中に「自動車整備の仕事がしたい」と全く揺らぐことなく進路を決めていた子がいた。
周囲に何を言われても一切迷うことなく、彼は夢に向かって進んだ。
そして、高校卒業後、専門学校へ進み、国家試験に合格したとの知らせをくれた。

夢を持つと強い。
辛いことがあったって、苦しい時だって、夢があれば頑張れる。

子ども達が夢を持って生きられる、そんな社会を作るために私ができることはなんだろう。

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