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2005年12月 5日 (月)

出会いと転機(3)

そんな調子のまま夏休みを終え、2学期が始まったある日、そのとき解答を写そうとした問題の意味がわかったのです。本当に突然、「あ、こういうこと?」と線が繋がったのです。

すると、思ってもみなかったことに、これまで習ってきた全ての内容が理解できるようになったのです。

そして、気づけばもうひとつの数学も、こちらほどではないものの理解できるようになっていました。更に驚いたことに、他教科全てにもいい影響が出たのです。

その高校の通知簿はなんだか珍しく、5点刻みの20段階、100点満点でつけられ、45点以下が赤点だったと思うのですが、1学期の終わりの数学の成績は両方とも赤点ギリギリの50点。
それが、確か2学期の終わりだったと思いますが、75点、70点ぐらいまで上がり、他教科も含めトータルで確か80点近くアップしたのです。(まあ、それまでが恐ろしく悪かったという話もありますが。。。)

担任が終業式の日にみんなの前で嬉しそうに言ってくださいました。

「このクラスに、1学期から2学期にかけて80点ぐらい通知簿が上がった人がいます。良く頑張りました。」

もちろん、誰のことかはおっしゃいませんでしたが、信じられないことにそれは確かに私でした。

この先生に出会えなければ、きっと数学はずっと苦手なままだったに違いありませんし、無事進級できていたかどうかさえあやしいところです。

また、満点が当然のようなテストにも関わらず、私個人を見てくださって、その私が5点取れたことを心から褒めてくださる先生でなければ、そこまで頑張れなかったとも思います。

この先生との出会いは間違いなく、今の私が存在する大きな大きなきっかけだったと思っています。

小さなことかもしれませんが、恩師にもうひとつ感謝していることがあります。
私は高校に進学したとき、進みたい道が2つありました。ひとつは中学校の教師になること。そして、もうひとつは服飾デザイン関係の仕事に就くこと。

ですから、私の進路希望は大学の教育学部かデザインの専門学校かというものでした。高1の進路希望調査のとき、この学校で専門学校を進路希望の中に挙げることがおかしいという意識が微塵もなかった私は、堂々とそのまま先生に伝えました。

すると、先生は一切バカにすることなく、呆れることもなく、ただ穏やかに「だったら神大の教育学部を目指しなさい」とだけおっしゃいました。

自分でも、免許や資格が必要なのは教員だということはわかっていましたので、だったら教育学部を目指そうと、すんなり思えたのです。

でも、もしあのとき先生が「何を馬鹿なことを言ってるんだ」とか「進学校にいながら、何ふざけたこと言ってるんだ」とか、少しでもそんなことを口にされていたら、もしかすると天邪鬼な私は何が何でもデザインの道に進むんだ!と思っていたかもしれません。

とにかく、本当に感謝して止まない恩師のお一人です。

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