« 子どもは本当にすばらしい | トップページ | 出会いと転機(10) »

2005年12月16日 (金)

出会いと転機(9)

実は気が小さい私は、それから気になる会社にいくつも履歴書を送り、面接を受けました。
ただ、「この仕事がしたい。」「ここで働きたい。」と強く思える会社はなかなかありませんでした。

中途半端に新しい会社を決めるのであれば、何のために元の会社を辞めたのかわからない。そう思うと、妥協はできない。だけど、無職の状態でひと月が過ぎようとする頃から、私は焦りと不安で押し潰されそうになっていきました。

そんなある日。とある建築関係の企業が乳幼児の英語教育教室をライセンス展開するための立ち上げスタッフという求人を見つけました。

英語は昔から苦手。だけど、教育関係の仕事には興味がある。ダメもとで履歴書を送りました。そして、面接を受けられることになりました。

子会社として新しく設立された会社で、社員はまだ殆どおらず、会社自体はまだ機能していない段階。いきなり社長自らが面接をされました。

試験ではいきなり、仕事上絶対に読む必要のある英文のレターが渡され、その和訳をさせられることになりました。また、0歳児から受け入れるという話も伺い、私の能力では無理だし、また、私がしたいことでもないとすぐにわかりました。

と同時に、社長にとっても私が必要な人材ではないことは恐らく3分もせずにわかったはずでした。にも関わらず、その社長は私のために1時間近い時間を割いて下さいました。

今ではもうお名前すら覚えていないこの社長との1時間は、正に神の声とでも言いましょうか、大きな大きな転機を私に与えたのです。

退職した経緯や自分のしたい仕事などについて色々聞いてくださった後、社長が言いました。

「なんでやってみる前から無理だって決めてるの?まだ若いんだから失敗したっていいじゃない、やりたいことやってみたら。」

頭を殴られたような衝撃がありました。
と同時に、その言葉はすんなりと私の中に入ってきました。

その結果、私が辿り着いた答えは

「人生一度きり。やりたいことをやってみよう。」

というものでした。

震災を経験し、いざとなったときの人間の強さを知りました。
だったら、失敗してもきっとなんとかなる。やるのは今しかない。

初対面の方のたったひと言が迷って決められずにいた私を大きく後押ししてくれたのです。
(つづきます。)

|

« 子どもは本当にすばらしい | トップページ | 出会いと転機(10) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 出会いと転機(9):

« 子どもは本当にすばらしい | トップページ | 出会いと転機(10) »