「下剋上受験」 桜井信一著
先日書店に行ってうろうろしていたときに目に留まり、ご両親が中卒で娘さんに最難関中学受験させるということが書かれているのが目に留まり、興味がわいたので読んでみました。
著者の桜井氏は紹介によると、中卒のご両親のもとに生まれ、ご自分の奥さまも中卒。
そんな桜井氏が「『負のスパイラル』(著者による表現)から脱出させてやらねばならない」と思い立ち、お嬢さんが小5の夏から、桜蔭中学を目指して、父子二人三脚の「親塾」での受験勉強を開始。受験、合格発表、その後までをまとめたエッセイのようなものでした。
表紙にもノンフィクションと書かれており、出版社にも受験校その他の情報を提出していると書いておられるので、虚構ではないようですが、受験小説(?)というような感じで、ノウハウ本とかではなく、奮闘記というのが正しいのかもしれません。
これを読んでいると、特にお嬢さんが6年生の夏休み以降、著者は仕事をしておられなかったのでは?と思えますし、中卒で団地暮らし、経済的な余裕もあまりないような感じのことを書いておられるにしては、受験に必要なものを次々購入したり、人にお仕事を依頼したりもしておられるので、不思議に思うところはありますが、内容自体は面白くて思わず笑ってしまったり、しみじみ感心してしまったり、思わず涙してしまったりと、最後まで楽しく読むことができました。
お嬢さんのために著者ご自身が同じだけ一緒に勉強するとお嬢さんにも約束し、自分が子どもの頃には解いたこともないような問題を1つ1つどうにかして理解しようと奮闘する姿は素晴らしく、お嬢さんに本当に分かるようにと心血を注がれている姿は、本当に頭が下がる思いです。
そして、こういう風に教えてもらったお嬢さんは、本当に理解して納得して進んでいけたところがかなり多いだろうと思えるので、今後必ず生きてくるだろうなと、そんなことも思いました。
読み物としても楽しめると思いますので、ご興味のある方はどうぞ。
また本棚に立てておきますね。
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