« 「信頼する力」 遠藤保仁著 | トップページ | 「シンプルに生きる―変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」 ドミニック・ローホー著 »

2011年7月11日 (月)

「奇跡の教室」 伊藤氏貴著

先日書店で目に留まり、そういえば以前にネット書店のDMで見たことがあるような気がするなぁと。文庫本1冊を3年かけて読み込むという授業、一体どんな授業なんだろう?と思い、購入しました。

副題の「エチ先生と『銀の匙』の子どもたち」というのは、灘校の国語教師だった橋本武氏とその教え子さんたちのことを指しているようですが、橋本氏や教え子の方達へのインタビューを元に書かれた本になっています。

自分が受け持った灘中生に対して、「銀の匙」という文庫本を教材として与え、教科書は一切使わず、必要なプリントをエチ先生が常に準備をしながら、3年かけて1冊の薄い文庫本を読み込んでいくという授業。

その授業がどのように進められたか、その授業を受けた子どもたちがその後どう成長していったかや、エチ先生の生い立ち、灘校の教師になったいきさつなどが書かれています。

読みながら、大村はま先生の授業のことが頭に浮かびました。
教科書を使わない。それぞれの時代にあったプリントを用意し、3年間でどんな力を育てていくか、それにはどの時期に何が必要か、それらを全て考えつくしていたであろうエチ先生の授業は、どこか大村はま先生の授業に共通するものを感じます。

教科書で読んだものは時が経つと全て忘れてしまって何も残らない。そんなものを教えたくないという思いから、「銀の匙」の授業に行き着かれたようですが、こういう本を読むと、この先生の授業を受けられた子どもたちはとても幸せだなとも思いますし、やはり灘校はいい学校だなとも思います。(今や入学するためのハードルがあまりにも高くなりすぎましたが…。)

読み物としても十分楽しめると思いますし、子を持つ親御さんであれば、何か感じるもの、考えるところがあるかもしれません。

本の帯に

「日本のリーダーたちを育てたスロウ・リーディングの物語」

とありますが、「銀の匙」の授業を受けた子どもたちが現在、東大総長・副総長、最高裁判所事務総長、弁護士連合会事務総長、超大手ホールディングス社長などになっておられるようです。

内容に引き込まれて一気に読めました。
ご興味のある方は是非。

|

« 「信頼する力」 遠藤保仁著 | トップページ | 「シンプルに生きる―変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」 ドミニック・ローホー著 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/96750/52180269

この記事へのトラックバック一覧です: 「奇跡の教室」 伊藤氏貴著:

« 「信頼する力」 遠藤保仁著 | トップページ | 「シンプルに生きる―変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」 ドミニック・ローホー著 »