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2009年2月23日 (月)

「単位換算定規+単位換算プリント 小学校1~6年 勉強ひみつ道具 プリ具 第1弾 」

これは書籍とは言わないかと思いますが、ネットで見つけて気になったので注文。
その後、書店の店頭にもたくさん置かれているのを見ました。

「単位換算定規+単位換算プリント 小学校1~6年 勉強ひみつ道具 プリ具 第1弾 」 
eduコミユニケーションMOOK プリ具 1

評価 ★★★☆

「プリ具」というのは「プリント」+「道具」ということだそうで、パッケージにはこう書かれています。

具体物で
たしかめながら学ぶと、
理解が飛躍的に早くなる!

今後、シリーズで第2弾、第3弾と続くような気配ですが(第2弾は既に予約受付開始しているようですし)、パッケージには「朝倉仁先生がつくられた」とも書かれています。

第1弾は「単位換算」で、「単位換算定規」と単位換算のドリル(プリントではなく、冊子になっています。)がセットになっています。

ドリルについては、1年から6年までとなっており、長さ・重さ・かさ・小数・分数・補助単位・面積・体積などがひと通り扱われています。
ただ、問題のページは90ページ弱で、その中でそれだけの内容を扱っていますので、ひとつひとつの問題数は限られています。

単位換算定規は上から3行目の数字の部分が左右にスライドできるようになっており、換算したい単位を見比べるようにして使うようです。

朝倉先生の著書を以前読ませて頂き、この先生が素晴らしい先生であろうことはわかっていますし、この定規やドリルももしかしたら効果があるのかもしれませんが、個人的にはあまり好きではないかなと。。。

定規に頼って、換算のたびに見ていたら、考えなくなりはしないんだろうか?と思ったりもします。
まあ、もちろん、何度もやっていれば、自然と身に付いてくるということなのかもしれませんが。

ただ、単位換算が苦手な子は結構多いと思うので、ご家庭で宿題などの際にどうすればいいかしら・・・と悩んでおられるような場合には役に立つのではと思います。
教室にも置いておきますので、ご興味のある方はご覧ください。

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2009年2月16日 (月)

「君と会えたから……」  喜多川泰著

さくら個別の國立先生が以前紹介されていてなんとなく記憶に残っていて、ほかの本を注文するときに注文してみました。

「君と会えたから……」  喜多川泰著 ディスカヴァー

評価 ★★★★ (中学生、高校生などに特にオススメでしょうか。)

著者の喜多川氏は塾を経営されている方だというのが印象に残ったのですが、著者紹介を一部引用してご紹介しますと…

東京学芸大学卒業後、塾を経営。高校生を中心に英語を教える一方で、授業に取り入れるべく自己啓発の研究を続ける。ひとりでも多くの若者に素晴らしい人生を送ってもらうためにできることはないかと執筆活動を開始。

既に何冊も著書を出されているようですが、こちらは2006年7月に出版されたようです。
小説仕立てになっているのですが、著者紹介にあるとおり、「若者に素晴らしい人生を送ってもらうため」の本だなと思います。

自己啓発系の本は世にたくさんありますが、中学生向けや高校生向けのものというと、そう多くないのではと思います。
また、その年代の子が大人向けに書かれた自己啓発系の本を読んだとしても、自分たちにうまく当てはめることができるか、共感することができるかということなど、難しいところもあるかと思います。
そういう意味でも、こちらは小説を読んでいるような感覚で読み進められ、しかし、その中で若者たち(子どもたち)が何かを考え、何かに気づいていけるような、そんな内容になっているのではないかと思います。

主人公の男の子は高校3年生で自分の進路について悩んでいる夏休みに、同い年の女の子と出会うところから話が展開していくのですが、大人の私が読んでも十分いい本だと思いました。(私の精神年齢がまだ高校生レベルだとかいう話かもしれませんが・・・。(汗))

小説仕立てになっているので、あまり内容に触れるとネタバレになってしまうかと思いますし、詳しくは書きませんが、将来についてやこれからの進路について迷ったり悩んだりしている若者には特にオススメできるのではないかと思います。

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2009年2月 9日 (月)

「世界最大の虫食い算」 安福良直著

先日、もうひとつのブログで少し書きましたが、虫食い算をこよなく愛しておられる(と思われる)安福氏の著書のご紹介です。

「世界最大の虫食い算」  安福良直著 文藝春秋(文春新書)

評価 う~ん……。(悩)

パズルは、ブームになる前から結構好きで、遡れば会社員時代にジグソーパズルにはまったり、イラストロジックにはまったり、会社を辞めて後、数独やら漢字系のパズルやら、今の仕事を始める前から結構あれこれやっていました。

で、独立してから、子どもたちにもパズルがよさそうだということを感じ、書店でパズル本を見たりすることもあるのですが、「ニコリ」は知っていても、編集長がどなたかまでは全く知りませんでした。

この本はネットでタイトルを見たときに、虫食い算のパズル本なのかな?と思って注文してしまったのですが、ちょっと考えれば、文春新書で「パズル本」はさすがにないですよね。(苦笑)
上述の「ニコリ」の編集長をしておられる方の著書ですが、内容はその方が高校1年のときに1冊の虫食い算の本と出会い、それがきっかけで虫食い算の世界に入り込んでいったという経緯が紹介され、ご自身が作られた超巨大「完全虫食い算」がどのようにして作られたか、作っている途中でどんな発見をしたかなどが綴られています。

文体は関西ノリでとても読みやすく、ときどきくすっと笑ってしまったりもするのですが、読み進むにつれ、この方がとても楽しそうだとか、とても感動しておられるなとか、そういうことは伝わってくるものの、あまりにもすごい数字の羅列で、おまけにそれについての言葉での説明も話のスケールが大き過ぎて、私の頭では今ひとつ理解できず…。(汗)

もともと、小さい頃から数字に対してとても興味がおありだったようですし、甲陽学院から京都大理学部という経歴の方のようですので、頭のつくりがもともとかなり違うわけで、私がついていけないのは仕方ないということで。。。
しかし、とにかくこの方がすごいと思うのは、高1のときに、1984年にちなんで、□が1984個あるものをということで巨大虫食い算を作ろうと思い立ち、それを作り始められたそうですが、計算はほぼ全て手作業で、間違いがあっては完成しないので、検算もして…と、大学ノート何冊分もの計算をし続けられたということです。

大学に進学されてからも、数年のブランクの後、更に大きなものに取り組みはじめられたようですが、そのときにもコンピュータや大型計算機などは使わず、手作業で答えが一つしかない24010桁目まで(12桁+小数第1位の13の数字÷12桁の問題を)計算し続けられ、答えが一つしかない壮大な完全虫食い算問題を完成させたということ。
これはもう、好きでなければ絶対にできないことですし、好きだからこそ、著者がいう「神様」にも出会えたのだろうと思うことがいくつもありました。

甲陽に行って、京大を出て、パズルを作っているというのは、もしかしたら「もったいない」と思われる方も少なからずおられるんじゃなかろうかと思いますし、私もそれは思わないではないのですが、ただただ感服。すごい方がいるもんだ…って感じでした。

ちなみに、その超巨大完全虫食い算は、問題を載せるのがあまりにも大き過ぎてということで、最後の方に解答だけが載せられています。しかし、その解答だけで30ページあまり費やしているということだけでも、実際に紙に問題を書いたらどれだけすごいことになるのか、既に想像の域を超えているなと…。(苦笑)

しかし…個人的には、著者がどれだけ虫食い算を愛しているかが伝わってきて、なんだかちょっと幸せな気分になれる本ではありましたが、正直言って、どんな方が読まれるんだろう?というのが率直な感想です…。

数字に興味のある方、虫食い算がお得意な方、パズル好きな方、読んでみられてはいかがでしょう?
同業の先生方も、ここまで大きなものは別として、子どもたちに虫食い算は使えるかも…と思われるかもしれません。

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2009年2月 2日 (月)

「心からのごめんなさいへ」 品川裕香著

あるブログで取り上げられていて、品川氏の著書は以前にも発達障害関係のものを読んだこともあり、タイトルにも惹かれ、読んでみることにしました。

「心からのごめんなさいへ 一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦

品川裕香著 中央法規

評価 ★★★★★

本に関してはあまりもったいないと思わず、次々購入するくせに、どこかで1500円を超えると「高い本」と思ってしまうところもあり、そういう意味でこの本は微妙に高く、もし紹介されたブログと出会わなければ読むことがなかったかもしれないなと思ったりしています。

おまけに、届いた本は280ページ近くのボリュームの上、活字も小さめでかなりぎっしりたっぷり書かれているという印象で、難しい本が苦手な私は読もうとページを開いたときには一瞬躊躇ったほどでした。(苦笑)

この本はサブタイトルにある通り、「少年院」での取り組みについての取材を中心に書かれています。
正直言って、今の私の仕事のどこに「少年院」と関わりが?とお思いになられるかと思いますし、実際、今のところ色々な意味で自分とは離れたところにあるものでもあります。
しかし、読んでよかった。そして、多くの大人、特に子どもの教育に関わっている大人の方には読んでみて頂きたいと思いました。

本の帯に、日本LD学会会長の上野一彦先生が言葉を寄せておられます。
そこにはこのようなことが書かれています。

本当にダメな人間なんて一人もいない。
一人ひとりの子どもと真剣に向き合う矯正教育。
その力強い実践に「どうしたら
少年院に入れてもらえることができるのですか」
と思わずつぶやいた母がいたという。
ここから私たちは明日の教育の鍵を
きっと見つけだすだろう。

確かに、この本に書かれている「宇治少年院」での実践を知ると、何の罪も犯していない子を持つ親御さんでも、その教育を受けてみたいと思われる方はおられるに違いない。
そう感じました。

本書の初めに、品川氏がはこう書かれています。

 最初にお断りしておきたいことがあります。
 この本は、少年犯罪の加害者を弁護するために書くものではありません。
 「加害者だって社会や環境の被害者だ」というような類の本ではありません。悪いことをやって少年院に入ったのです。個々の特性や環境に比重を置き、加害行為を弁護するつもりはありません。
 それから「少年院の教官だって、こんなにがんばっています」という本でもありません。お給料をもらっている以上、そんなことはやってあたりまえだと考えています。
(後略)

こんな書き出しですが、そして、ご本人がどう思っておられるかはわかりませんが、この方は本当に本当に真剣に子どもたちと向き合い、子どもたちを心から大切に思っておられるのだろうということや、本書で取り上げておられる少年院で仕事をしておられる方、それに関わっておられる方全てに敬意をお持ちであろうということなどが伝わってきます。

この本を読みながら、色んなことを考えさせられました。
少年院に入る子どもたちの多くにLDやADHDの疑いのある子、そのような傾向を示す子がいるということ。(本書に何度も書かれていますが、LDの子、ADHDの子がいるのではなく、そういう疑いのある子、そういう障害と似たような傾向を示す子ということで、発達障害のある子が犯罪を犯すという意味ではないということが、きちんと断られています。)
そういう子達にどういう働きかけをすれば効果があるかということ。
それらのことにもとても驚き、色々なことを考えさせられました。

また、タイトルになっている「心からのごめんなさいへ」というのも、確かに少年院で一定期間教育を受けて社会に戻っても、本当の意味で反省をしていなければ、また同じことを繰り返すことになるでしょう。
自分の気持ちさえわからない子どもが他人の気持ちがわかるはずがないというのは、確かにその通りですし、そんな子どもにどれだけ反省しろと言っても、どう反省していいのかわからないのも無理はないことです。

少年院というやや特殊な環境だからこそ、一層こういう指導が重要になるのかもなと思いながらも、帯に上野先生が書かれているように、この本の中に「明日の教育の鍵」があるようにも思います。

発達障害というものが広く意識されるようになってから、まだそんなに経っていません。
教育関係者でもそれがどういうものなのか、どういう対応の仕方が望ましいのか、きちんと理解している方はまだ極少数なのだろうと思います。(私もまだ全然…のレベルです…。)

現在、少年院では「宇治方式」と呼ばれる指導が広がりを見せているそうですが、犯罪を犯してしまった後でしかその指導を受けられないというのも複雑な気持ちになります。
実際のところはわかりませんが、恐らく少年院でお仕事をされている方たちは相当にお忙しいのではないかと思います。その方たちの中に、子どもたちへの愛情、真剣な思いに突き動かされ、こうして個々の子どもに合わせた指導スタイルを確立させてこられた方おられるということは、やはりすごいことだと思います。
少年院に関わる方とそこにいる子どもたちだから可能になったということではないはずだとも思います。

私自身、色々考えさせられることの多い本でした。
一度読んだだけではダメだなとも思っています。
お勧めです。

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