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2008年9月18日 (木)

「消える学力、消えない学力」 田中保成著

このところ、私にしてはまあまあのペースで本を読んでいます。
普段でもなかなかうまく時間を使えていないのに、ここのところ新たに時間が必要なことが起きてしまい、ご紹介のペースが追いつかないのですが・・・。

「消える学力、消えない学力 算数で一生消えない論理思考力を育てる方法

田中保成著 ディスカヴァー携書

評価 ★★★★

つい最近、「進学塾不要論」の水島先生の新しい著書が出ているのを見つけ、ネットで注文。翌日、別の用があって書店に行ったら、それと一緒にこちらも見つけましたので、タイトルも気になるところですし、読んでみました。

著者の田中先生は音羽塾主宰と書かれていますが、現在は東京文京区で個人指導の総合学習塾をなさっている方のようです。
以前は「埼玉県春日部市の個人指導塾で30年間、小学生から高校生までを指導。子どもたちと徹底的につき合い、『できない子』のつまずきを克服してきた指導方法には定評がある。」と紹介されています。

また、本の帯にはこう書かれています。

算数力と論理思考力が
ぐんぐん伸びる、
地頭のいい子になる

小学校算数教育30年のプロ塾講師
によるまったく新しい算数の教え方

個人的には「まったく新しい」かどうかはわかりませんが、内容は概ね感心、共感、賛成という感じでした。
ただ、著者紹介でも書かれていたように、高校生までの指導をされる方だけあって、ところどころ私にはいささか難しく感じられるところもありましたが・・・。(汗)

「はじめに」に書かれていることを少しご紹介しますと・・・。

◎算数はひらめきがすべてではない!
(前略)
 「うちの子は、算数が苦手なのですが、試験のときにすぐひらめくようになるには、どうすればいいのでしょうか?」
 もしかしたら、この本を手に取ってくださったみなさんも、同じような悩みを抱えていらっしゃるのかもしれません。
 しかし、こういう質問を受けたら、私は次のようにお答えしています。
 「ひらめき力を身につける方法はありません。」
 冷たく聞こえるかもしれませんが、残念ながらこれは事実なのです。(中略)

 では、算数ができるようになるにはどうすればよいのでしょうか。
 それは、本書の主題である「論理思考力」を鍛えることです。
 算数こそ、論理を重んじる学問だからです。(後略)

そして、本書の構成は以下のようになっています。

第1章 準備編 これが鉄則、最初の3ステップ
 1 まず、「感覚」を身につける
 2 「感覚」が身についたら、「基本思考」を理解させる
 3 具体的思考から抽象的思考へ
 4 算数の基礎力を強化する4つの小さなヒント
第2章 論理思考力 10のスキル
 1 道具を多く持つ -情報収集力-
 2 関係する知識を呼び出す -検索力-
 3 知識を関連づける -構成力-
 4 複雑な問題を単純な要素に分解する -分解力-
 5 具体的な数字をあてはめてみる -具体化力-
 6 図やグラフで表現する -視覚化力-
 7 視点を変える -発想力-
 8 場合に分けて考える -推理力-
 9 規則性を見つける -洞察力-
 10補助線を引く -直観力-
 おまけ 見当をつける -大局観-
第3章 実践編 中学入試問題に挑戦!

章と項目の見出しである程度の内容はお分かりかと思いますが、小学生の算数(高学年や中学入試向けだと思います)に関しては参考になることも多いのではと。
ご興味のある方はどうぞ。

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コメント

クマクマさま、初めまして。コメントありがとうございます。
とてもしっかりしたご意見で、思わずこちらが恥ずかしくなってしまいそうです。

「論理的思考力」とか「考える力」」とか、そういう言葉を本当によく目に、耳にするようになりましたね、近年。「脳力」とかってのもそうですね。

私自身、子どもの頃から今に至るまで、塾の類に行ったことがありませんし、もともと、ちょっとしたことでも疑問を持つほうで、人に聞いたり、調べたり・・・ということを割とよくする方だったかと思っています。

「考える力を身につけさせる」という目的で外遊びをしなさいとか、色々な経験をしなさいとか、こういう勉強の仕方がいいですよとか、そういう感覚はなんとなく違和感があります。

実際、小さい頃の外遊び、群れ遊びは子どもたちにとってとても大切だということは間違いないと思っていますが、それはあくまで、大人の管理しないところで子ども達だけでルールを決めて・・・というような遊び方は、子どもにとっていいということは事実だと思うということで、残念ながら、最近は大人の管理なしで子ども達だけで自由に安全に(怪我とかは別ですが)遊べる環境というのはかなり限られてしまっているのも事実だと思っています。

そして、クマクマさんがおっしゃっている、「疑問を持つ癖を付けさせる」というのは、うまくそれが習慣になれば確かに有効だろうと思います。

因みに、今回のこの本については、個人的には受験などで算数の応用問題などにぶつかったときにも対処できる能力を高めるための方法について書かれているという感覚で受け止めており、まあ、確かにただ暗記する教科よりは算数の方が「論理的思考」はするかなと、そんな程度に思っています。

なんか答えになっていないかと思いますが、個人的には論理立てて考えるのが好きな子と、それに向かない子というのもいると思いますし、それも個性ですから、みんながみんなきちんと論理立てて考えられる人にならなくてもいいのかなと思ったりもします。(考えなくていいということではないのですが・・・。)
ただ、本来なら持っていたはずの考える力を、間違った働きかけで潰してしまうのは避けなければならないというような感覚を持っています。

ああ・・・うまくまとまらず、申し訳ありません。
でも、クマクマさんがおっしゃっている「疑問をもつ癖」は確かに有効だろうと思いますし、そうおっしゃっている先生方も何人もおられますね。

貴重なコメント、ありがとうございました。

投稿: TOH | 2008年9月21日 (日) 17時34分

はじめまして。
小学生の教育に興味があり、たまたまこのブログを拝見させて頂きました。

最近、論理的思考能力を高める方法論を説いた本を非常に多く見かけますね。
私は、現在理工系院生の人間なのですが、正直書いてある内容に笑ってしまいます。
ビジネスマンが参考にする論理的思考本とは違い、子供に方法論を説いても仕方がないと常々感じております。
私自身、塾講師として小4~中3までのお子さんを7年間見てきました。
そこで感じたことは、別に日ごろの生活の中で必要以上にやれ野外活動や外遊びをし実に付けさせるとか何か数理能力を養わせるための教室に入れさせるとか必要ないと思いました。

一番、算数能力が高くなる育て方は常に「何故?」と疑問を子供に感じさせる癖をつけるのが効果的だと思いました。論理的思考能力が乏しい方は大人でもこの疑問を感じることがあまりありません。そういう方は、議論をぶつけても「ふ~ん、そうなんだ」で終わることが多いです。何故ということを意識させることは理由を追求し、最終的に論理的思考能力が形成されていきます。
まぁあくまでも私個人の私見なのですが、周りの友人達も同意見だったので大きくは外れてはいないと・・・。

長くなりましたが、多くの本を読んでいらっしゃることから是非、論理的思考能力を小さい頃から養う方法としてBestなものは何なのか私見を伺いと思いまして、コメントさせて頂きました。

投稿: クマクマ | 2008年9月21日 (日) 03時59分

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