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2008年5月12日 (月)

「頭がいい子に育てる親の話し方」 樋口 裕一著

先日、書店に寄った際、目に留まり、ベストセラーの「頭がいい人、悪い人の話し方」は読んでいないのですが、そちらよりこのタイトルの方が気になったので、読んでみることにしました。

「頭がいい子に育てる親の話し方」 樋口 裕一著 幻冬舎

評価 ★★★☆

著者の樋口先生は、作文・小論文の専門塾をされている方だそうで、内容は読みやすく、わかりやすく書かれており、構成は以下のようになっています。

まえがき
第1条 親が率先して相づちを打て
第2条 自己万能感を植えつけよ
第3条 好きこそ知性への第一歩
第4条 競争を意識させよ
第5条 叱るときは上手に叱れ
第6条 好奇心をかきたてよ
第7条 論理力は口癖で身につく
第8条 親も受信力と発信力を磨け
第9条 子どもの自主性を阻むな
第10条 さまざまな価値観を教えよ
 付録 愚かな親の愚かな会話  中学・高校生編
                     大学・社会人編

また、まえがきにはこんなことを書かれています。

 子どもを頭のよい子に育てたい。それは、多くの親たちの願いだろう。(中略)
 しかしまた、そのためにどうすればいいかわからずにいるのが、ほとんどの親ではないだろうか。誰も、頭のよい子に育てる方法を教えてくれない。(中略)
 そして、そのために、試行錯誤の上で、子どもを小さなうちから塾に通わせたり、いくつもの習い事をさせている家庭も多いだろう。それが実を結ぶこともあるだろうが、逆にむしろ子どもたちを苦しめることもあるだろう。
 私は子どもの頭をよくするために、それほど大層なことをする必要はないと考えている。それよりは、家庭の会話こそが、頭をよくするために大事な要素だと考える。何気なく交わされる親と子どもの会話、親同士の会話、親と他者との会話が、子どもに大きな影響を与え、子どもの知性が育ったり、それを阻害したりする。
 もちろん家庭の会話だけで子どもが東大に合格するような学力をつけられるわけではない。学力をつけ、難関校に合格するには、それなりの勉強をする必要がある。
 だが、難関校に行くだけの知性の素地を作るのは、家庭の会話なのだ。そして、家庭の会話が好ましくないために、将来、子どもが東大に入学したり、創造的な仕事についたりするチャンスをつぶしているという例は、それこそ山のようにあるだろう。(後略

また、こうも書いておられます。

 とはいえ、そのような環境を作るのは、それほど難しいことではない。
 私は、そのような環境のうち、最も重要なのは、言葉づかいだと考えている。
 私は大分県中津市の田園地域で小学生時代を過ごした。その地域の、団塊世代前後三〇人ほどの子どもたちが、学校から帰って、わいわいがやがやと遊ぶ生活を送った。私の家庭は両親とも、私に対するとき、私の友達に対するとき、そして、近所の大人に対するとき、地位の高い人に対するときで、それぞれ態度も言葉づかいも異なっていた。子どものころ、私はそれを不純に感じ、誰に対しても同じような口をきく近所の人たちのしゃべり方のほうを好ましく思ったのを覚えている。私の両親と同じように、相手によって極端に話しぶりを変える家庭も近所にいくつかあったが、そこの子どもたちとは仲良くしていながらも、その親たちを苦手に感じていた。
 それから四十数年がたつ。先日、久しぶりに当時の幼なじみ四人で会う機会があった。私のほか、一人は多くの著書を持つ有名大学教授になり、一人は大手自動車会社の部長になり、もう一人は弁護士になっていた。自分で言うのもなんだが、社会的にある程度成功した四人だった。そして、ふと気づいた。それなりに社会的に成功した子どもたちの親は、私の両親を含めて相手によって言葉を変える人々、私が当時、反発を感じていた親たちだった。
 このようなことが言えるのではないか。知的レベルの高い家庭では、相手によって、言葉づかいを変える。知的レベルの低い家庭では、言葉づかいを変えない。そのほうがざっくばらんで気がねせずにすむが、それはあまり知的な雰囲気とはいえない。(後略)

個人的には、何をもって「社会的に成功」というのかちょっと微妙なのですが、世間一般にイメージされる「賢い子」に育てたいというのであれば、この本に書かれていることは参考になる部分はたくさんあるように思います。
実際、子どもは親の話し方を真似て言葉を覚えるという面は大きいと思いますし、相手によって言葉を使い分けられるということは、やはり賢いのだとも思いますので。

内容的には納得のいくところも多く、これらのことを意識するかしないかのどちらかであれば、当然意識して実践した方が子どもは賢くなるだろうなとは思いますし、いい学校に入って、立派な仕事に就くということが「社会的成功」とするのであれば、大いに参考になるのではと思います。

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