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2008年5月29日 (木)

申し訳ありません…。

個人的なこだわりで、なんとか週2回は更新を続けてきたのですが、実は本日夕方、失ったカバンが見つかったとの連絡が入り、それを受け取りにレッスン後遠方まで行っておりましたため、どうしても今日の更新はできそうにありません。

読み終わっている本もほとんどない状態の上、教室に置いてあり、現在はカバンを受け取って帰宅してしまっており…。

先日ご紹介した「『ゆっくり』でいいんだよ」にあやかって、今日は更新をお休みさせて頂きます。
見にいらしてくださった方がおられましたら、どうかお許しください。

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2008年5月26日 (月)

今日はこちらを。

すみません。
ようやく普段のペースに戻りつつはあるのですが、まだ色々時間が足りず、おまけにやたらと眠く、今は少しペースを落としてゆっくりすべきなのかもと(つい先日「『ゆっくり』でいいんだよ」を読んだところですし・・・)いうことで、今日は絵本のご紹介です。

「あなたをずっとずっとあいしてる」 

「わたしはあなたをあいしています」 宮西達也作・絵 ポプラ社

評価 ★★★★☆

教室には子ども向けの絵本、児童書なども、この教室の規模からすれば割とたくさん置いてあるのではないかと思います。
子ども向けの本は、昔自分が読んで印象に残ったものや、書店で見て気になったもの、名作といわれるものなどを中心に置いていますが、今日ご紹介する絵本は、子どもだけでなく大人も何か感じるステキな絵本です。

私も読んでほろっと来ましたし、教室のお母さん方の中にもこのシリーズのファンの方もおられます。
教室には本当は3冊あったのですが、貸し出し帳をつけていないため、珍しく1冊戻ってこぬままになっております…。
私はまだ3冊しか読んでいませんが、3冊ともステキでした。

既にご存知の方もおられるかと思いますが、子どもたち(特に男の子)が好きな恐竜を題材にしながら、とても大切なことを伝えてくれるそんな絵本です。
ご興味があれば是非。

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2008年5月22日 (木)

「算数のセンスを伸ばす算数パズル道場」

今、読みかけの本はあるのですが、このところまだ時間的にも精神的にも落ち着かず、ゆっくり読書とはまいりません・・・。
ですが、週2回更新にこだわってきましたし、ここでくじけるのはなんだかイヤなので、とりあえず今日はこちらをご紹介。

「算数のセンスを伸ばす算数パズル道場 理論とトレーニング 

パズル教育研究会 山下善徳著 受験研究社

評価 ★★★★

教室では、宮本先生やパズル道場の教材なども使っていますが、パズル道場の問題が受験研究社から教材として出ているのを見つけて驚きました。
受験研究社といえば、問題集、参考書のイメージなのですが、とうとうパズル問題かと。

ただ、もともと、算数パズル道場の問題は最終的には中学入試レベルの力を育成できるようなものとして作られていると伺ったことがあり、そういう意味ではまあ「問題集」なのかなと。

こちらは算数パズル道場についての説明や、それぞれの問題を取り上げて、どのような能力が高められるかなどの説明がされています。
問題もある程度の数収められていますし、パズル道場の問題の全体像をつかむにはまずはこちらをご覧になられるのがいいのかなという印象です。

このほかに、実際の級別に「トレーニングⅠ・Ⅱ・Ⅲ」と3冊の問題集が出ていますので、更にたくさんの問題をやりたい方や、それぞれの学年や能力に応じた問題をやりたい方にはそちらが便利かもしれません。

ただ、算数系や論理系のパズルがある意味でブームになっている感じがあり、少々お腹いっぱいな気もしないではありませんが・・・。

今日はこんなところでお許しを・・・。 

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2008年5月19日 (月)

「10才までに身につけたい算数センス 思考力を伸ばす 図形編 」 朝倉仁著

先日、朝倉先生の著書を読み、その後、こちらが出版されることを知りました。
一体どんなものなのか興味があり、注文してみました。

10才までに身につけたい算数センス 思考力を伸ばす 図形編 」 

朝倉仁著 小学館

評価 ★★★☆

まだ全てに目を通し終わったわけではないのですが、ちょっと今日は反則で…。
実はちょっとした事件に巻き込まれまして、読みかけの本も失い、その後もまだ色々せねばならないことが山積でゆっくり本を読む時間が取れず、今日の更新は休ませて頂こうかと思ったのですが、とりあえずこちらの本なら全部くまなく読まなくてもご紹介できそうでしたので…。
何卒お許しを。

朝倉先生の著書はとても興味深く、面白かったのですが、そして、実際に先生の授業を受けたらきっと、算数好きな子は楽しくて仕方ないのだろうなと思ったりもするわけですが、どんなに素晴らしいテクニックも、やはりライブで実際に先生が子どもに動きや表情、声で伝えるからこそ生きてくる部分はかなりあるのではと思うのです。

そういう意味で、この本は確かに面白いテクニックなども紹介されていますし、一般的な算数の参考書などからすれば、子どもたちが見て楽しいだろうとも思うのですが、これを算数があまり得意ではない子や、そもそも本を読むのがあまり得意ではない子などが自分で読んで理解して楽しむところまでいけるのかどうかは、正直ちょっとわかりません。

また、どんなに優れたテクニックも、ヒントを与えて自分たちで発見したり、ライブの授業で順を追って惹きつけられつつ理解していくのと、自分で書かれていることを読んで理解するのとでは、感動もその後の定着度も全く異なるだろうとも思うのです。

それを言ってしまえば、参考書など全てがそうなのであり、仕方のないところだとは思いますが、先生の著書が面白かった分、かなり期待して見た分、それほどでもなかったな…的な印象になってしまったのかもしれません。

購入される前に一度ざっと中をご覧になられる方がいいかもしれませんね。

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2008年5月15日 (木)

「世界一の職人が教える仕事がおもしろくなる発想法」 岡野雅行著

置かの社長のことはこれまでテレビなどで拝見して、すごい方だなぁと思っていましたが、本を書いておられることに気付きませんでした…。(苦笑)
先日、たまたまネット書店で何冊も本を出しておられることに気づき、お手軽な文庫本をまずは読んでみることにしました。

「世界一の職人が教える仕事がおもしろくなる発想法」 

岡野雅行著 青春出版社

評価 ★★★★☆ (個人的には結構好き)

これまでしばしばメディアで取り上げられている方なので、ご存知の方も多いと思いますが、東京で社員6名の町工場をしておられる経営者(代表社員と名乗っておられるそうですが)兼、世界的にも指折りの金型とプレスの職人さんです。

私は数年前に見たテレビで「痛くない注射針」のお話や携帯電話の電池パックのお話などを聞き、職人に憧れている私としては「超カッコイイ!」と思う存在なのですが、この本を読みながら、改めてファンになりました。

本書は2006年に四六判で刊行されたものに加筆・修正して出版されたそうですので、どちらも読まれたことのない方なら、こちらの方がお手軽に読めますね。
構成は以下の通りです。

1章 いつもの仕事がおもしろくなるやり方がある!
2章 "自分にしかできない発想"をするヒント
3章 スキルが10倍生きる「世渡り力」を身につける
4章 「人・お金・情報」が集まるすごいしかけ
5章 失敗が大きな成功につながる考え方

そして、「はじめに」の部分だけでも、読んでいてワクワクするようなことがたくさん書かれています。

 今日だって、手元にあるのはポケットの中の切れっぱしのメモだけだ。図面なんて引かない。図面を引くのは常識だと思っている人が多いかもしれないけどね。かえってそれに縛られてしまって、発想が広がらないことがあるんだ。
 メモをスタートとして、あとはアドリブで、余計な枠をつくらずに「ああでもない、こうでもない」と考えていく。「あぁ、俺は今たしかに生きてるんだな」とワクワクしながら実感できる時間だ。アイデアもいろいろと湧いてきて、いいサイクルが生まれる。楽しいよ。
 若いころから、「ほかの誰にもできない仕事」と「安すぎて人が敬遠する仕事」をモットーとしてやってきた。こう言うと、「自分は"誰にもできない仕事"をする技術なんて持ってない」と思う人もいるかもしれない。
 でも、俺だって最初から技術なんて持ってたわけじゃないし、持てた今だからこそつくづく思うのは、「技術だけじゃうまくいかないな」ということなんだ。(後略)

そして、私にとっては本当に至るところにステキなことが書かれているのですが、中でも特にいいなぁ、かっこいいなぁと思った項目をいくつかご紹介します。

10 考えるときは"変わり者"のほうがいい
11 成功したらすぐ新しい挑戦をする
13 特許が切れても真似できないものをつくる
16 自分の仕事を安売りしない
33 通さなくてはいけない"筋"を知る 
36 ミスしないやつは何もできない
44 努力する人が勝つ時代が始まる

他にも色々あるのですが、あと少しだけ引用してご紹介を。

「12 言いたいことが言える環境をつくる」より
 「たった六人で、よくそんなにいろんな世界一を生み出せますね」と言われることがある。でも、本当は逆で、たった六人だからこそ潰されずにガンガンものが言えるんだ。(中略)
 「そんな生意気なことを言うなら、おたくには明日から仕事を出さない」と言われるのが、企業にとって一番辛い。俺だってもし社員が二百人いたら、潰すわけにはいかないとなるだろう。
 これも俺が会社を大きくしない理由のひとつなんだ。(中略)
 それに小さな会社だからこそ、無駄なことにお金をかけないから、完璧な仕事ができる。早く納品しないと資金が回らないからなんて理由で、半端な仕事をしないですむ。(中略((このエピソードがまたかっこいいのですが)))
 会社なんて、大きさじゃないんだよ、本当に。

岡野社長がおっしゃるからこそすごい説得力があるのだと思いますが、とにかく、カッコよすぎてクラクラします。(笑)

ご興味のある方は是非!

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2008年5月12日 (月)

「頭がいい子に育てる親の話し方」 樋口 裕一著

先日、書店に寄った際、目に留まり、ベストセラーの「頭がいい人、悪い人の話し方」は読んでいないのですが、そちらよりこのタイトルの方が気になったので、読んでみることにしました。

「頭がいい子に育てる親の話し方」 樋口 裕一著 幻冬舎

評価 ★★★☆

著者の樋口先生は、作文・小論文の専門塾をされている方だそうで、内容は読みやすく、わかりやすく書かれており、構成は以下のようになっています。

まえがき
第1条 親が率先して相づちを打て
第2条 自己万能感を植えつけよ
第3条 好きこそ知性への第一歩
第4条 競争を意識させよ
第5条 叱るときは上手に叱れ
第6条 好奇心をかきたてよ
第7条 論理力は口癖で身につく
第8条 親も受信力と発信力を磨け
第9条 子どもの自主性を阻むな
第10条 さまざまな価値観を教えよ
 付録 愚かな親の愚かな会話  中学・高校生編
                     大学・社会人編

また、まえがきにはこんなことを書かれています。

 子どもを頭のよい子に育てたい。それは、多くの親たちの願いだろう。(中略)
 しかしまた、そのためにどうすればいいかわからずにいるのが、ほとんどの親ではないだろうか。誰も、頭のよい子に育てる方法を教えてくれない。(中略)
 そして、そのために、試行錯誤の上で、子どもを小さなうちから塾に通わせたり、いくつもの習い事をさせている家庭も多いだろう。それが実を結ぶこともあるだろうが、逆にむしろ子どもたちを苦しめることもあるだろう。
 私は子どもの頭をよくするために、それほど大層なことをする必要はないと考えている。それよりは、家庭の会話こそが、頭をよくするために大事な要素だと考える。何気なく交わされる親と子どもの会話、親同士の会話、親と他者との会話が、子どもに大きな影響を与え、子どもの知性が育ったり、それを阻害したりする。
 もちろん家庭の会話だけで子どもが東大に合格するような学力をつけられるわけではない。学力をつけ、難関校に合格するには、それなりの勉強をする必要がある。
 だが、難関校に行くだけの知性の素地を作るのは、家庭の会話なのだ。そして、家庭の会話が好ましくないために、将来、子どもが東大に入学したり、創造的な仕事についたりするチャンスをつぶしているという例は、それこそ山のようにあるだろう。(後略

また、こうも書いておられます。

 とはいえ、そのような環境を作るのは、それほど難しいことではない。
 私は、そのような環境のうち、最も重要なのは、言葉づかいだと考えている。
 私は大分県中津市の田園地域で小学生時代を過ごした。その地域の、団塊世代前後三〇人ほどの子どもたちが、学校から帰って、わいわいがやがやと遊ぶ生活を送った。私の家庭は両親とも、私に対するとき、私の友達に対するとき、そして、近所の大人に対するとき、地位の高い人に対するときで、それぞれ態度も言葉づかいも異なっていた。子どものころ、私はそれを不純に感じ、誰に対しても同じような口をきく近所の人たちのしゃべり方のほうを好ましく思ったのを覚えている。私の両親と同じように、相手によって極端に話しぶりを変える家庭も近所にいくつかあったが、そこの子どもたちとは仲良くしていながらも、その親たちを苦手に感じていた。
 それから四十数年がたつ。先日、久しぶりに当時の幼なじみ四人で会う機会があった。私のほか、一人は多くの著書を持つ有名大学教授になり、一人は大手自動車会社の部長になり、もう一人は弁護士になっていた。自分で言うのもなんだが、社会的にある程度成功した四人だった。そして、ふと気づいた。それなりに社会的に成功した子どもたちの親は、私の両親を含めて相手によって言葉を変える人々、私が当時、反発を感じていた親たちだった。
 このようなことが言えるのではないか。知的レベルの高い家庭では、相手によって、言葉づかいを変える。知的レベルの低い家庭では、言葉づかいを変えない。そのほうがざっくばらんで気がねせずにすむが、それはあまり知的な雰囲気とはいえない。(後略)

個人的には、何をもって「社会的に成功」というのかちょっと微妙なのですが、世間一般にイメージされる「賢い子」に育てたいというのであれば、この本に書かれていることは参考になる部分はたくさんあるように思います。
実際、子どもは親の話し方を真似て言葉を覚えるという面は大きいと思いますし、相手によって言葉を使い分けられるということは、やはり賢いのだとも思いますので。

内容的には納得のいくところも多く、これらのことを意識するかしないかのどちらかであれば、当然意識して実践した方が子どもは賢くなるだろうなとは思いますし、いい学校に入って、立派な仕事に就くということが「社会的成功」とするのであれば、大いに参考になるのではと思います。

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2008年5月 8日 (木)

「大人が変わる生活指導」 原田隆史著

以前、ある塾の折り込みチラシに「リーチング」という言葉と原田氏の著書が紹介されており、なんとなく気になっていたところ、先日書店で目に留ったため、とりあえず1冊読んでみることにしました。

「大人が変わる生活指導 仕事も人生もうまくいく」 

原田隆史著 日経BP社

評価 ★★★☆ (個人的好みでの評価です。多分興味のある方ならもっと高評価なのではと。)

著者の原田氏は2003年春まで20年間、大阪市内の公立中学で体育の教師をしておられた方だそうです。
体育教師時代に陸上部の指導で数々の日本一を輩出。最後に勤められた松虫中学校では、7年間で13回の日本一を輩出されたそうです。
現在は、大学で未来を担う教師の育成にあたるかたわら、現役教師のための私塾「教師塾」を主宰されていると著者紹介に書かれています。

本の帯に

経営者が最も会いたがるカリスマ体育教師の最新刊!
3年間で180社・4万人に元気を与え、
奇跡を起こす原田式自己改革のススメ!!

と紹介がされています。

また、本書の構成は以下のようになっています。

〇時間目 仕事と思うな、人生と思え
一時間目 大人にこそ生活指導を
二時間目 理念と目標を掲げる
三時間目 脳と心を鍛えるエクササイズ
四時間目 かかわり方を変えてみる

書かれている内容はほとんど納得できることで、確かにその通りだと思うこともたくさんあるのですが、個人的には特に新鮮で「へぇ~!そんなこと意識したこともなかった!」とか「おお!!是非すぐにやってみよう!」と思えるところまではいかず、今の私にはあまり必要な本ではなかったのかなという印象です。

ただ、何か目標があったり、行き詰っていて現状を変えたいと思っていたりする方や、女性よりは男性によりしっくり来る内容なのかもなと思いました。

書いておられることを、企業や学校で応用すれば、確かに効果はあるんだろうなと思うことも色々ありましたが、あくまでも現時点で私にはあまり必要を感じなかったというか、基本的に極めて無精者なので、これすら実行に移すことができそうにないというか・・・。(汗)

ただ、著者のお考えや理念、理想、そういったものには大いに共感もしており、本書の最後に書かれている、まさにそうだなと感じたところをご紹介させて頂きます。

 まともな大人が増えてほしい。
 お父さん、お母さん、教師、企業経営者、管理職の方々、あらゆる大人が自立型人間になれば、日本は素晴らしい国になると私は考えています。(中略)
 こんな大人が世の中に増え、互いのかかわりを広げていけば、ズルイ大人は居場所を失うでしょう。不正義などもなくなっていくでしょう。よい会社がたくさん生まれ、善良な社会人がたくさん育ち、よい子どもがたくさん育つでしょう。
 リーダーが変われば周囲も変わる。部下が変わり、家族が変わり、子どもが変わる。変わる瞬間は劇的です。世の中がガラリと変わる可能性があります。
 とにかくチャンスはいま。この瞬間です。
 よき大人、よきリーダーとして、かかわって、できることからはじめましょう。(
後略)

とても読みやすい本ですし、原田氏の熱い思いが伝わってくる内容だとも思います。
ご興味のある方は是非読んでみられてはいかがでしょう。

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2008年5月 5日 (月)

「『ゆっくり』でいいんだよ」 辻信一著

半年かそれ以上前になんとなく気になって購入したものの、直接仕事に関係あるわけでもなさそうだしと、ついつい後回し後回しになっていました。

「『ゆっくり』でいいんだよ」 辻信一著 筑摩書房

評価 ★★★★★

私はあまり詳しくないのですが、この本は「ちくまプリマー新書」となっていて、恐らく中学生や高校生を対象に書かれているのではないかと思います。

以前、お知り合いの塾長さんから「豪快な号外」のお話を教えて頂いたときに「ナマケモノ倶楽部」という名前はネットで目にしていたのですが、その後なぜだったか、この本を購入していました。

相変わらず「積ん読」になっている本はまだまだたくさんあり、何も今これを優先して読む必要があったわけではないのですが、これもまた不思議なもので、今の私はこの本を読むべきときだったのかもしれないなと感じました。

内容は中高生でも読めるような易しい文体で書かれていますので、おバカな私でもスラスラ読めましたし、わかりやすい言葉だから尚更、すとんと心に入ってくる感じもありました。

著者である辻氏は著者紹介によると、文化人類学者、環境運動家で、NGO「ナマケモノ倶楽部」を設立。明治学院大学国際学部の教授でもあられるそうです。

本書の構成は2部、11章からなっており、タイトルはそれぞれ以下のようになっています。

第一部 時間がない!――ファストライフの秘密
 第一章 きみと時間の関係
 第二章 時間ドロボーは誰だ!?
 第三章 時間戦争
 第四章 愛はゆっくり

第二部 時間のくにへ帰ろう――スローライフへのカギ
 第一章 ナマケモノになる
 第二章 食いしん坊宣言
 第三章 たのしい引き算
 第四章 幸せはお金じゃ買えない
 第五章 遊ぼう、外にとび出そう!
 第六章 カナダの少女セヴァンの旅
 第七章 がんばらないで、ゆっくりと

私たちは知らず知らずのうちに「忙しくしていることがいいこと、暇でダラダラしているのはよくないこと」という価値観に縛られて、見えなくなっているものがたくさんあるのではないかということに気づかせてくれる本です。

子ども向けに書かれていますが、忙しい大人の方に是非一度読んでみて頂きたいと思いました。

私たちは利便性を追求して色々なものを発明、開発して今日に至っています。
ですが、ひとつの例としてこんなことが書かれています。

 でもまあ今は、これらすべての問題を横に置いておいて、自動車が省いてくれたはずの時間がどこに行ってしまうのか、という点にしぼって考えてみよう。Aさんが車を買う。これで通勤や、子どもの送り迎えや、買い物がずっと楽になる。つまり、これらの用事がもっと速く(より短い時間で)、簡単に(より少ない労力で)できる、とAさんは考えたはずだ。しかし彼はそこでホッとして、車が節約してくれた時間を余暇としてのんびり過ごすだろうか。たぶん違う。せっかく車という便利なものがあるのだから、とせっせといろんな所に、もっと頻繁に出かけるようになるだろう。今まで行けなかったような遠くて不便な場所へも出かけていこう、と。つまり、車をもつことでAさんが手にいれたはずの時間は、その車でより多くの距離を走るために使われるだろう。時がたつにつれて、距離というものについてAさんの感じ方は大きく変わっていき、以前はとても遠く感じられた場所がもう遠くない。しかし逆に、以前は平気で歩いていたような場所が、あまりに遠くて車でなければ行けないように感じられたりもする。これじゃあいくら道路をつくっても、混雑がなくならないわけだ。

これはひとつの例としてご紹介しましたが、私にとってはあらゆるところで共感し、感動し、考えさせられました。

最新の機械で便利になるはずが、それを手に入れるために一層仕事に励むようになり、結局は「余暇時間」は生まれない。
何かを手に入れると、また次はこれ、そしてその次は…と欲望は留まるところを知らず、その結果、環境破壊や戦争などを引き起こしているのだと。

経済的には日本より遥かに貧しい国でも、日本よりもっと幸せそうで豊かな日々を過ごしている国はたくさんあるということも、とても納得のいくことでした。

同じ日本の中でも、例えば東京や大阪などの大都市と、農業や漁業など第一次産業を中心としているような地域とでは、きっと流れる時間も違うのではとも思ったりします。

神戸生まれ神戸育ちの私は、ここ以外の土地のことをほとんど知りませんし、私の場合、何かを買いたいから仕事を頑張るというわけではなく、物質的欲望を満たすために「忙しい!」と言っているわけではないつもりではありますが、「ゆっくり」というのはなかなかステキなことなんじゃないかなと、そんなことを改めて感じました。

子ども達のペースは大人のそれより遥かにゆっくりであることが多いですから、大人たちがもう少し「ゆっくり」を意識して暮らせたら、子どもたちももっとのびのびすくすく育ってくれるのではと、そんな気もしました。

とても読みやすい本ですので、忙しくされている方は是非一度読んでみられてはいかがでしょう。

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2008年5月 1日 (木)

「この地球にすんでいる僕の仲間たちへ」 東田直樹・東田美樹著

先日、自閉症のご本人が書かれた本をご紹介しました。
これはその彼とお母さんが書かれた本で、前回ご紹介した本を読み終えた後すぐ注文しました。
このところバタバタしていて、付録のDVDはまだ見ていないのですが・・・。

「この地球(ほし)にすんでいる僕の仲間たちへ」

東田直樹・東田美樹著 エスコアール

評価 ★★★★

この仕事を始めてから、色々な本を読むようになりました。
それまでは、例えば、電車で偶然、大きな声でぶつぶつと何か独り言を言っている人に出会うと、なんとなく怖いような気がして少し離れてみたりしていましたが、そういう方は発達障害をお持ちの方だったりするのかも・・・と思えるようになって、怖いという感情がほとんどなくなりました。

うまく言えませんが、自分の持つ価値観や判断基準では理解できないもの、未知のものに対しては多くの人が不安や恐怖を抱くのではないかと思ったりします。
そういう意味では、自閉症についても、本を読むまではどう接していいのかわかりませんでしたし、突然パニックになられたら怖いという思いもありました。

しかし、自閉症のご本人が書いた本を読んだとき、もちろん、全ての自閉症の方が同じではないと思いますが、こんなにしっかりと色々なことを考えて、感じているし、してしまったことを後悔もしているんだなということに衝撃を受けました。
そして、やはり「わからないから怖い」という感覚がほとんどなくなりました。

そういう意味でも、少しでも興味や関心のある方には読んでみてほしいなと思ったりします。

本書は、以前ご紹介したものと共通する内容もありますが、以下のような構成になっています。

第一章 僕はこう思う
第二章 おもしろいでしょ
第三章 僕のやり方
第四章 楽しみとは
第五章 僕のこれまで
第六章 直樹との12年 東田美樹
第七章 筆談について 東田美樹


また、直樹さんがかいたイラストや詩なども収められています。

とても読みやすい本ですので、ご興味がある方は是非どうぞ。

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