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2008年4月24日 (木)

「進学塾不要論-中学受験は自宅でできる」 水島 醉著

以前にもこの黄色い表紙は書店でも見かけていたのですが、そのときにはそのままやり過ごしていました。
ネット書店でまたこれを見つけ、なんだか気になり購入したのですが、なかなか興味深い内容でした。

「進学塾不要論 中学受験は自宅でできる」 

認知工学 水島 醉著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

評価 ★★★★☆

認知工学というお名前は数年前から存じ上げており、教室にも「中学受験は自宅でできる」などの小冊子は既に置いてあるのですが、著者の水島先生は京都で認知工学/エム・アクセスという教室をされ、独自の教材なども書店で販売されたりしている方です。

本の帯にはいきなりなかなかインパクトのあるコピーが書かれています。

進学塾は成績を
下げるってホント!?

家庭で子どもを伸ばす具体的方法をお教えします


(注:ここで著者が言っておられる「進学塾」というのは主に中学受験指導塾を指しておられるのだと思われます。)

そして、表紙をめくるとこんな言葉が。

進学塾は、いわば劇薬のようなものです。
どんな薬にも必ず副作用があります。
使い方を誤れば、とんでもないことになってしまいます。
効能のみに目を奪われ、あるいはウソの効能を信じて、
子どもを進学塾に通わせている
親御さんがたくさんいらっしゃいます。
親御さんには、どうかこの真実を
正面から見据えていただきたいと希望します。
それが進学塾による負の影響に
苦しむ子どもを一人でも減らすことになるからです。

また、本書の構成は以下のようになっています。

第一章 進学塾は学力を低下させる
 ①進学塾によって潰される優等生たち
 ②進学塾のまやかしとカラクリ
 ③進学塾は子どもの学力を低下させる
第二章 進学塾は子どもの精神を蝕む
 ①中学受験勉強のなかで、壊れていく子どもたち
 ②「アノミー」すがるべき権威を失った子どもたち
 ③「アルファシンドローム」を引き起こす親、公教育、進学塾
 ④子どもをアノミー、アルファシンドロームに陥らせないために
第三章 中学受験は自宅でできる
 ①ゆとり教育と詰め込み教育、双方の弊害
 ②必ず身につけさせておくべき学習内容

 ③子どもを伸ばす学習法
 ④子どもを伸ばすために、家庭でできること・するべきこと

私自身は中学受験の経験も、中学受験指導の経験もありませんので、実体験としてはわからないのですが、それでもなんとなく納得できるところ、共感できるところは多かったです。

同業の先生が他塾(それも大手塾など)の批判めいたことを書くと、自塾の宣伝のように受け取られてしまうこともあるのかもしれませんが、ここに書かれていることについて、大手の中学受験塾の方々はどんな反論をされるのだろうなと、そんなことを思ったりもしました。

中学受験を意識しておられ、まだ年齢的には受験塾には通わせておられない方や、これから通わせようとしておられる方、この春から通い始めさせたばかりの方などは一度読んでみられてはと思います。

こういう意見がある(恐らく同じようなことを感じておられる先生方は少なくないような気がしますが)ということを踏まえた上で判断される方が、子どもたちにとってもよりよい選択ができるのではと思います。

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